うちの庭に設置してあるニホンミツバチの巣箱(ピザ窯)から6メートルくらい離れたところに、よく茂ったイチジクがあります。私は今年初めて自然入居をきっかけにニホンミツバチを飼い始めて、来るべきスズメバチとの戦いにかなりの覚悟で望んでいたのですが、結局オオスズメバチは一度も来ませんでした。(キイロスズメバチは何度か襲撃がありました)ずっと以前からこの近辺ではオオスズメバチは活発に活動している様子は見かけておりました。クヌギの樹液にはたくさん集まるし、庭のイチジクには毎年夏の終わり頃から秋にかけてたくさんのオオスズメバチが訪れます。今年も例外でなくイチジクにはたくさん来ていました。ミツバチのことが気がかりでしたので、イチジクが大きくなって人間が食べごろな状態になったらすぐに収穫して、絶対に枝で熟れさせないように注意していました。それでも取り忘れたイチジクに頭を突っ込んでムシャムシャ食べるオオスズメバチをよく見かけました。すぐ目の前にミツバチの大きな巣があるのに、オオスズメバチは素通りでした。
オオスズメバチは、イチジクとミツバチ巣箱が並んで置いてあったら、イチジクを選ぶということを目の当たりにしました。また、森の中には女郎蜘蛛、鬼蜘蛛などやカマキリも多く見かけ、蜘蛛をハンティングする様子も目撃したこともあったし、10メートル離れた榎に寄生する木蔦の開花にも、オオスズメバチ、キイロスズメバチがたくさん訪れていました。キイロスズメバチの襲撃があった時期に木蔦の開花はなく、木蔦の開花が始まったら襲撃がピタリと止みました。
ミツバチが盛んに蜜集めに出かけ、オオスズメバチがイチジクに集まり、キイロスズメバチが木蔦の花に乱舞する。それを同じ風景の中に垣間見ることができ、様々な種類のハチの楽園となっていて、不思議な風景でもありました。
それは共存共栄の平和な世界でした。
「オオスズメバチ対策として、巣箱のそばにイチジクを植えれば良い」そんな結論はあまりにも短絡的だし絶対とは言えません。逆にイチジクを植えることでオオスズメバチを呼び寄せてしまい、ミツバチの巣箱を発見されて襲撃を受けるという可能性もあるかもしれません。しかし、このサイトに集まる多くの方が非常に気にされている「蜜源植物」これはやはり生態系の基本であると、改めてミツバチを観察していて感じたことでありました。ニホンミツバチが好む植物をたくさん植えるのと同時に、スズメバチが喜ぶ植物も豊富にあることでスズメバチを殺さずに済む。それは自然であり、理想でもある気がいたしました。
ペットボトルトラップを仕掛けるのではなく、ペットボトルに仕込む美味しい液体やよく熟れた果物などの「餌場」をミツバチ巣箱のそばに設ける、、、ということが対策として有効かどうか。毎年スズメバチに悩まされていらっしゃるどなたか、試してみたら面白いのではないか、、、あんたの言うように試したらめっちゃ襲って来て巣箱が壊滅したではないかあ!と怒られてしまいそうですが。。。