ニホンミツバチの分蜂群れの捕獲方法

ニホンミツバチの飼育では、まず分蜂群れを捕獲するところから始まります。このため、ニホンミツバチの飼育を始めるには、分蜂の基本的な情報と、ニホンミツバチの分蜂群れの捕獲方法の知識が大変重要です。

ただ、分蜂についてニホンミツバチの飼育する前から知っている人は多くはありません。ニホンミツバチの飼育を始めるまでは、分蜂という単語を聞いたこともなかったという人も多いでしょう。ミツバチQ&Aにも、分蜂についてのたくさんの質問が投稿されています。よくある分蜂の質問についてまとめました。

分蜂とはなんですか?

まず、分蜂の基本についておさらいしましょう。分蜂とは、ニホンミツバチの群れが増える仕組みです。春に新しい女王蜂が生まれると、その母親である元々の女王蜂は働き蜂の約半分を連れて巣を飛び出して、新しい場所に巣を作ります。このようにしてニホンミツバチは群れの数を増やしていくことで繁殖します。

空の巣箱を置いておき、そこに分蜂した群れが入居するのを待ちます。見事入居してくれれば、ニホンミツバチの飼育が始まります。また、分蜂群れが入居するのを待つのではなく、移動途中に休んでいるところを無理やり捕獲することもできます。

分蜂の時期はいつ?

それでは、分蜂の時期はいつなのでしょうか?よく、「桜に開花に合わせて分蜂する」と言われることがありますが、これは関西や関東などの標準的な気候の地域で、だいたい一致するようです。

分蜂は、九州の南部では3月半ばには始まり、関西や関東などの標準的な気候では、3月末ごろから4月頭頃くらいから始まります。ただ、年によっても少しずれます。分蜂マップという、全国の養蜂家が分蜂を報告するシステムがあります。分蜂マップを見れば、いつ分蜂が起こったかが一目でわかります。春は分蜂マップを見て分蜂時期をチェックしましょう。

九州では桜の開花よりも早く分蜂が始まります。特に九州南部の鹿児島県や宮崎県では、2017年には桜の開花よりも20日近く早い時期に分蜂が方向されていました。

東北でも桜の時期とはズレが見られます。特に青森は、2017年は桜の開花よりも20日程度後から分蜂が報告されています。

東京が九州よりも早く桜が開花したように、桜の開花は単純な気温だけではありません。それが分蜂と近い時期に起こっているのは、たまたまであると考えた方が良いです。

分蜂の回数は?

分蜂は1群れから3回程度起こりますが、群れの大きさや周囲の蜜源の多さにもよります。また、暖かい地域は分蜂の回数も多いかもしれません。たくさん分蜂する群れは、7回、8回と分蜂するのです。生物は多産多死が多いです。ニホンミツバチも、毎年3、4倍に群れは増えますが、3年や4年と言われる女王蜂の寿命が尽きたり、外敵に襲われたり、巣を作った場所に十分な蜜源がないなどの理由で、数が減るようです。

分蜂の回数は管理の仕方やその年の気候、蜜源植物の生育状況などに左右されます。
去年の春は8回分蜂しました。
「ニホンミツバチの分蜂の回数について教えてください」 より

雄蜂の蓋が落ちてから、分蜂する時期の目安は?

自分の群れがいつ分蜂するかの目安として、重箱式巣箱での飼育の場合は、雄蜂(おばち)の蓋(ふた)が落ちていることを目安にする人が多いです。雄蜂が育てられる巣房の蓋の部分は真ん中がとんがった特徴的な形状になっています。雄蜂の蓋が落ちているということは、雄蜂が羽化したことを意味しており、分蜂が近いといえます。だいたい、雄蜂の蓋が落ちてから、1,2週間程度で分蜂が起こることが多いと言われています。

雄バチのフタが巣箱の内部で発見されてから19日前後が多かった
「分蜂する日の目安を知りたい。雄蜂の巣葢が巣門にで始めたら何日ほどで分蜂しますか?」 より

分蜂はいつまで続きますか?

分蜂はいつまで続くのでしょうか?実は、夏にも分蜂があり、夏分蜂とも呼ばれます。また分蜂ではありませんが、夏、秋にはオオスズメバチや熊などに襲われて逃げて来た群れが捕獲できることがあります。

捕獲の可能性自体は、秋までずっとあります。もちろん、夏分蜂の可能性は低いですが、捕獲用の巣箱は、春を過ぎてもずっと置いておくと良いです。春と比べると確率はだいぶ下がりますが、捕獲できる可能性はあります。分蜂群れがなかなか捕獲できずにすっかり諦めていたら、夏になって待望の分蜂群れを捕獲する人もいます。

ただ、分蜂開始直後の数週間が最も分蜂が多いです。それを逃すと分蜂は徐々に減っていき捕獲できる可能性は下がってしまうことは忘れないでください。

夏分蜂がどのくらいあるかの参考として、分蜂マップの6月1日以降の分蜂報告は全体の15%でしかありません。

分蜂群れ捕獲のコツ 分蜂時期に遅れない

ここからは、分蜂群れを捕獲するコツを紹介します。分蜂群れを捕獲するコツとして、まず一番最初に挙げるのは、分蜂時期に遅れないように巣箱を設置することです。

最初の分蜂が起こってから、数週間の間に集中して分蜂が起こります。分蜂時期を間違えていたり、色々と忙しい、うっかりしていたなど、遅れてしまう人もいますが、分蜂時期の遅れは取り戻せません。翌年の分蜂まで1年待つことになります。

特に、多くの地域では、ニホンミツバチの分蜂は3月末から4月頭の忙しい時期に始まります。分蜂群れの捕獲には、しっかりと余裕を持った準備を行うことが大切です。

分蜂群れ捕獲のコツ 巣箱をたくさん、いろんな設置しよう

分蜂群れの捕獲するコツの中で、特に初心者に最も重要なことは、巣箱をたくさん用意することです。ニホンミツバチの分蜂の捕獲では、まず、数を打つことが大事です。

これから始める方から話を聞く中で、捕獲の確率が低いだろうなと思うのは次のような場合です。

自宅横の1つ巣箱を試しに置いてみました。ニホンミツバチの分蜂群れ待っています。

巣箱を1つだけ置久野は、待ち箱ルアーを使ったしても、捕獲の可能性が低いです。単純に1つ置く予定を2つにすれば、確率は2倍になります。巣箱の形状の工夫、巣箱の入り口の方角など、様々なことが捕獲の確率に影響があると言われていますが、人によっては全く逆の意見を持っていたりして、効果のほどは定かでないものも多いです。

しかし、巣箱を設置する場所、個数を増やすのは、最も確実に効果が上がります。最初のうちは、捕獲用の巣箱をたくさん作ることがまず大切です。

また、同じ場所に数メートル程度離して、ほとんど並べて捕獲用の巣箱を置く人もいますが、これはあまり意味がありません。ただし、その場所の近くに飼育群れや自然のニホンミツバチがいて、そこから出てくる分蜂群れを捕獲する場合は別です。近くにニホンミツバチがいないかもしれません。

経験上、よく捕獲できる場所と、あまり捕獲できない場所があります。できれば数百メートル以上離れた、複数の場所に設置してください。

自分の土地だけではたくさんの巣箱の設置場所を用意するのは難しいと思います。知り合いに頼んで、捕獲用の巣箱だけでも置かせてもらえないか頼んでみましょう。もし捕獲できたら、自分のところに移動させることもできます。

分蜂群れ捕獲のコツ ミツバチQ&Aで良い設置場所を聞いてみよう

ミツバチQ&Aでは、巣箱の設置予定地の写真を投稿して、熟練者にどの場所に置けば良いかを質問する人も多いです。飼育者は捕獲の話が大好きですので、答えてくれる人も多いです。遠慮なく聞いてみましょう。ミツバチQ&Aでは、飼育日誌のコーナーもあります。捕獲できたら、飼育日誌で報告しましょう。

香川県に住んでいますが、里山にみかん、桃、キウイ、ブドウ、梅等色んな果実がある場所を見つけ、農家さんに了解を得て巣箱を置く事となりました。方角は画像にある道で表すと、手前が東、奥が西、果樹園側が北、栗の木がある斜面側が南となります。4箱置く予定です。宜しくお願いします。
「皆さんならどの位置に日本蜜蜂の捕獲用巣箱を置かれますか?」 より

分蜂群れ捕獲のコツ 巣箱にはニホンミツバチの蜜蝋を塗ろう

巣箱にはニホンミツバチの蜜蝋を塗りましょう。ニホンミツバチの蜜蝋は、分蜂群れを誘引すると言われており、ニホンミツバチの飼育者は全員巣箱に蜜蝋を塗っています。巣箱には蜜蝋を塗りましょう。

蜜蝋を塗るとなぜ捕獲に効果があるのかというのは、はっきり分かっていませんが、ニホンミツバチは以前に巣が作られた場所を好むという意見があります。巣ができた場所は、蜜蝋が壁や天井にこびりついているので、それを手掛かりにするのではという意見です。

巣箱に塗るのは、セイヨウミツバチの蜜蝋ではダメで、ニホンミツバチの蜜蝋である必要があります。分蜂時期でなくても、蜜蝋を温めると匂いに誘われてニホンミツバチが寄ってくるので、ニホンミツバチが蜜蝋の匂いに反応するのは確かです。

分蜂群れ捕獲のコツ 待ち箱ルアーを用意しよう

ニホンミツバチの捕獲で広く用いられるキンリョウヘンというランの花があります。この誘引成分を化学的に合成し開発されたのが待ち箱ルアーです。2014年の発売以降、毎年多くの愛好家に利用されています。

この待ち箱ルアーは、購入して巣箱に取り付けるだけでキンリョウヘンよりも数倍長い45日の効果が得られます。また、利用開始も開封した時点からなので、キンリョウヘンのように分蜂時期と開花時期の調整に悩むこともありません。

これまではキンリョウヘンの栽培が、ニホンミツバチの大きなハードルになっていました。多くの方から、待ち箱ルアーでニホンミツバチが捕獲できたという声が届いています。

分蜂群れ捕獲のコツ キンリョウヘンの栽培は難しいのでまずは無理をしない

「ニホンミツバチの捕獲といえばキンリョウヘン」というほど、広く普及していますが、1年目からキンリョウヘンを入手して、うまく育てて、ニホンミツバチの分蜂の時期に合わせて開花させて誘引に利用するのはそう簡単ではありません。

キンリョウヘンは安くはありませんが、ニホンミツバチを捕獲しようと気合を入れて購入したもののうまく育てられずに枯らしてしまったり、花が咲かないという人も多いです。

また、1年目の準備では、巣箱を作ったり、設置場所を探したり、分蜂の捕獲について勉強したりとやることがたくさんある中で、キンリョウヘンの栽培までやろうとすると大変です。

そのエネルギーを、巣箱の作成や設置場所の開拓に集中する方が良いでしょう。キンリョウヘンはランの中では入門レベルですので、植物の栽培に自信がある人、ランの栽培経験がある人は、初めから育てて増やすのも良いと思います。

ニホンミツバチの分蜂群れの捕獲で困ったら、なんでも聞いてみよう

ミツバチQ&Aでは、たくさんのニホンミツバチの愛好家の方が利用されています。日本ミツバチの飼育について困ったことがあったら、ぜひ気軽に聞いてみましょう。1つの回答には、複数の回答が寄せられることも多く、いろんな角度からの意見が得られます。

このページは、ミツバチQ&Aに投稿された内容をまとめています。個人の意見、経験、試行錯誤、実験中の内容も含まれており、その内容の正確性を保証するものではないことをご理解ください。また、利用者の投稿は、利用者の投稿時点での見解となります。現在とは変化している可能性があります。

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