スムシの対策方法(ニホンミツバチ)は?

スムシとは

ニホンミツバチの養蜂家でよく話題に上るのがスムシです。スムシとは、ニホンミツバチの巣を餌とする蛾の幼虫の通称です。ハチノスツヅリガとウスグロツヅリガの2種類います。

スムシはどんどん巣を食べていき、巣内で繁殖してニホンミツバチの手に負えなくなると、最終的には逃亡してしまいます。

「スムシが原因で群れがいなくなった」、「スムシの対策をしている」という話をよく聞きます。かわいいニホンミツバチの群れを崩壊させたスムシが憎い、何としてもスムシを退治したいという方も多いのです。

ミツバチQ&Aにも、ニホンミツバチのスムシ対策についてたくさんの質問が寄せられています。また、スムシに関する飼育日誌も多いです。今回はこれまでに多数投稿されている質問と飼育日誌の中から、スムシに関連するものをまとめてご紹介します。

スムシはどこから来るのか?

これほど話題になるスムシですが、スムシがどのようにニホンミツバチの巣箱の中に侵入してくるか、その方法は、実はまだよくわかっていません。元気な群れでも、巣箱の底にいますし、採蜜時に巣箱を開けた場合に、小さいスムシが巣にいることもよくあります。

巣箱の隙間をガムテープで塞ぐ、スムシの親の蛾の成虫が入ってこれないように入り口を狭めるなどの対策をする人も多いのですが、スムシの幼虫は最初はとても小さいこともあり、なかなかスムシの侵入を防ぐことができません。

ミツバチQ&Aにも、次のような質問が寄せられています。

今年度よりスムシに入られない様に分蜂群確保と同時に巣門に5mmメッシュの金網を設置しました。蜂の巣つづり蛾が中に入られないため、巣箱のひさしや箱の横、下などに卵を産みつけていました、早い段階のものは除去したのですが、箱の中にスムシが存在します。一体どうやってひさしや箱の横の孵化した幼虫が進入するのでしょうか?
「スムシの生態について。どうやって巣箱の中に侵入するのですか」 より

対策を頑張ってしても、入ってきてしまうスムシ。スムシの侵入を防ぐことは難しく、多少は入ってきてしまうと思っておいた方が良いようです。

ニホンミツバチはスムシを自分で追い出す

では、この恐ろしいスムシに対して、ニホンミツバチは何もしないのでしょうか?そうではありません。ニホンミツバチはもちろんスムシを敵だと認識しており、きちんと対抗策もあるので、健康な状態であれば一方的にやられてしまうことはないのです。

ニホンミツバチはスムシの幼虫を巣箱の底に蹴落すようです。スムシを巣門から持ち運ぶところを見たという人もいます。実際に蹴落とすところは見るのは難しいですが、健康な群れの場合、採蜜する時にスムシがいることがありますが、どれもとても小さいです。スムシで逃亡した群れには3,4cmの巨大なスムシがいることを考えると、健康な群れではある程度大きくなるとニホンミツバチに退治されているのでしょう。

スムシの侵入を防ぐことは難しいのですが、入ってきてしまったらもうおしまいということはありません。正常な、ハチミツをよく貯める群れにも、小さなスムシが中にいることも多いです。

群れの勢いが落ちたり、蜂の数が減ってしまった時にスムシが発生しやすくなります。

強い群れを維持することが、スムシの最大の対策

害虫への対策方法というと、殺虫剤、薬が思いつきますが、スムシはニホンミツバチの巣にいるので、そう簡単ではありません。今のところ、もっとも有効な対策方法は、強い群れを維持することが挙げられます。

ニホンミツバチが強い群れであれば、スムシの被害はほとんど発生しません。スムシをミツバチが自分で追い出したり、巣から蹴落としたりするようです。強い群れというのは、働き蜂の数も十分に多く、巣も早く成長していく状態です。このような群れがスムシによってやられたり、逃亡することはあまり考えられません。

餌不足、病気、ダニなどの被害が発生して、ミツバチの数が減ったりすると、スムシが繁殖しやすくなります。つまり、因果関係としては、スムシが結果であって、根本の原因は他にある場合も多いようです。「スムシの侵入・発生さえ防げれば、ニホンミツバチの飼育は上手くいく」というわけではないようです。

スムシの対策方法として、ニホンミツバチの群れを強い状態に維持することをまず第一として考えている方も多いようです。

スムシは群が強群ならば何もしなくても全然問題は有りません自分は底板とかを掃除などした事は有りません。
「スムシの生態について。どうやって巣箱の中に侵入するのですか」 より
スムシ対策は無いと考えています。アカリンダニ感染、女王蜂の産卵低下など何らかの原因で弱小群になったためでしょう
「春前からのスムシ駆除の対策と方法について」 より
ミツバチの数が減って巣板を守れなくなれば、巣箱(巣は)は巣虫の天下になります。
「スムシの退治方法ってありますか?」 より

スムシの対策 巣箱の底に溜まった巣屑を取り除く

日本蜜蜂の巣箱の下に巣のカスがたまると、それをエサとしてスムシが大きくなります。そのスムシが巣箱の壁をのぼって巣に侵入してしまうことを避けるために、巣のカスを定期的に掃除することで予防します。

スムシ対策として、巣箱の底に巣のカスがたまらない構造の巣箱を使う人も多くいます。巣箱に4方向から出入りできるようにして、巣箱底の風通りを良くする、底の部分を網にして巣のカスがそのまま地面に落ちるようにする、などの方法があります。

上記の対策で完全に防げるわけではありませんが、巣箱の底に巣屑がたまる構造なら掃除する、巣屑が溜まらない構造の巣箱を使うかのどちらかのスムシ対策を行うのがよいです。

関連する質問

スムシの対策 不要になった巣を取り除く

スムシの対策がとして、不要になった巣を取り除くこと行われています。

ニホンミツバチの巣では、ハチミツもたまっていないし、幼虫も育てられていない、何にも利用されていない部分が発生することがあります。そういった「空き部屋」の部分があると、働き蜂の守りが手薄になるため、スムシが大きくなってしまうという考え方です。このような空き部屋を取り除いてしまうことで、スムシの発生を防ぎます。

重箱式巣箱では、春先や、分蜂直後にスムシ対策として最上段を取り除くことも多いです。越冬する際に、ニホンミツバチはハチミツの多くを消費します。このため、重箱式巣箱では、越冬後に一番上の段がハチミツがなくなって空になることが多いです。このまま置いておくとスムシが発生しやすいため、一番上を取り除いてしまうことがあります。

また、春に分蜂が起こりますが、分蜂するたびに約半数の働き蜂が出ていくため、分蜂が何度か起こった後は働き蜂の数が少なくなっています。

スムシの対策 セルタンB401

スムシ対策にセルタンB401という製品を利用している方もおられます。セイヨウミツバチで使われるもので、ニホンミツバチの飼育、特に重箱式巣箱の飼育ではあまり利用者が多くないようですが、ミツバチQ&Aの投稿でもたまにB401の利用者の声や情報を見かけます。

初齢幼虫が口にすると初齢が阻害されるセルタンB401という1種の生物兵器が西洋ミツバチ巣脾保管時の巣虫害制御用に販売されていて、日本みつばちの巣虫防除にも効果をあげている様です。
「スムシの生態について。どうやって巣箱の中に侵入するのですか? より

最初は使っていたものの、強群ならスムシは問題ないという意見を目にして、あまり使わなくなったという人もいるようです。

週一回箱の内部を覗く時に箱内部に向けてスプレーしてました。私自身が今年始めたばかりの超初心者で、ミツバチをスムシから守りたい一心で購入したものでして、その後ネットで調べると「強群なら心配無い・・」というような記載を目にし。「神経質になりすぎたのか?」と思い、次第にスプレーしなくなったわけです。
「スムシ駆除について、スムシ幼令虫駆除薬B401の入手方法をお教え下さい 」 より

スムシトラップ(捕獲器)

海外でもスムシはいるようで、カナダのホームページでスムシ捕獲器の紹介がされていたのでご紹介します。

スムシの親がニホンミツバチの巣箱に近づいた時にトラップに誘引する仕組みのようです。

2リットルのペットボトルに1インチ(約2.5cm)の穴を開けます。場所は、キャップの近くの斜めになっている部分です。1カップの水を加えて、1カップの砂糖、1/2カップの酢、最後にバナナの皮を入れます。数日待つと発酵が始まるので、巣箱の近くの木に取り付けます(吊り下げる)。スムシは中に入って液体の中で溺れます。このトラップは、スズメバチの退治にも使うことができます。

これでどのくらいの成果があるのか分かりませんが、スムシがどのようにニホンミツバチの巣を探しているかがわかれば、トラップにおびき寄せて被害を防ぐことができるかもしれません。

スムシは繁殖してしまうとほとんど対策のしようがない

ニホンミツバチの強群では、スムシは巣箱の中にいるものの、大きな被害が出ません。いわば、ニホンミツバチとスムシで均衡が取れている状態です。

もし、スムシの勢力が勝ったらどうなるでしょうか?スムシが巣を食い荒らすようになると、その勢いはどんどん増していきます。もう、ニホンミツバチだけの力ではどうすることもできません。

こうなってしまった場合は重箱式巣箱での対策はあまりありません。そのまま置いておくと、ニホンミツバチの群れが逃げ出してしまいます。少し難度は高いですが、逃げ出す前に別の空の箱に移動させる方法もあります。

逃亡したニホンミツバチの巣を開けると、3,4cmにまで成長したスムシがうじゃうじゃいて、繭をあちこちに作っていることがあり、大変気持ち悪いです。

スムシにやられた巣箱はすぐに掃除しよう

スムシの被害が出る場合は、次のような経過を辿ることが多いと思います。まず、群れの勢いが弱まる。次に、スムシが繁殖しだす。たまりかねたニホンミツバチが逃亡。

また、別の要因で逃亡した場合も、スムシが発生して巣を食べていきます。結果、ニホンミツバチが逃亡した巣箱は、遅かれ早かれスムシが大発生します。

この時やっかいなのが、スムシは大きくなると巣箱にも穴をたくさん開けることです。スムシが這った筋や、潜った穴がたくさん穴があき、ほおっておくと巣箱がボロボロになります。

ですので、ニホンミツバチが逃亡したあとは、なるべく早いうちに巣箱を掃除して片付けましょう。

スムシにやられた巣に残されたハチミツは食べられる

スムシにやられてしまった群れでも、ハチミツが少し残っているのは珍しくありません。このハチミツ、食べても大丈夫でしょうか?このような疑問を持つ人が多く、これまでに何度か質問されています。

スムシが入っていたハチミツですが、せっかくミツバチたちが集めた蜜なので、できれば食したいと思うのですが、食べても大丈夫でしょうか?女房は料理に使うと言っていますが。
「スムシに侵略された日本ミツバチから採れたハチミツ、食することは可能でしょうか」 より

うまくハチミツが溜まっていない部分を切り取れれば良いのですが、スムシの糞がハチミツに混ざっていることがあり、ハチミツの風味が悪くなり、ハチミツの舌触りもザラザラしたものになってしまうことがあります。

たくさんの群れを飼育する人は、このようなハチミツはニホンミツバチへの給餌用として、別の群れにお返しする人も少なくないようです。

多くの人が関心を持つスムシ。困ったら質問してみよう

ニホンミツバチの養蜂家の多くの人がスムシに高い関心を持っています。スムシをどのように予防すれば良いか、スムシが発生すればどうしたらいいかなど、スムシについての疑問があれば遠慮なく質問してみましょう。

これまでに投稿されたスムシに関する質問を探す方法は2つあります。まず、「スムシ」というタグがついた質問を一覧で表示できます。

「スムシ」のタグがついた質問一覧

また、サイト内でフリーワードで検索することができます。

「スムシ」でキーワード検索

ミツバチQ&Aでの情報交換によって、スムシのより有効な対策が見つかることを祈っています。

このページは、ミツバチQ&Aに投稿された、スムシに関する投稿をまとめています。個人の意見、経験、試行錯誤、実験中の内容も含まれており、その内容の正確性を保証するものではないことをご理解ください。また、利用者の投稿は、利用者の投稿時点での見解となります。現在とは変化している可能性があります。

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