投稿日:12/11 15:54
元玉川大学教授 中村氏のFacebookより
これは対策会議を立ち上げるべき事案...
今日は福島県いわき市で,秋田県から越冬のために運ばれた蜂群の状態を見てきました.7~8枚群で仕立てられ,持ち込まれたはずの越冬群400群のうち,すでに半数が崩壊しており,残った半数も蜂量の減少が著しいという状況でした.貯蜜量(給餌はしていない)や,ムダ巣の量からして,仕立て時には健全だったことは明らかなのに,えっ,何これっていう状況.実は同じ養蜂家さんの越冬群を,14年前の3.11のときに放射能の影響を評価するために3月に状態を確認したことがあるので,そのときとの蜂量との雲泥の差に思いっきり戸惑いました.
秋田では一度育児が停止していたものが,いわきに来てから再開していて,ちょうど羽化も始まっていたので,ぎりぎり越冬はできるかもという蜂群(蜂量で5000匹以上)もいますが,それでも来年の採蜜群として仕立てるのはこの時点ですでに難しいと判断せざるを得ない状態です.かつ,残りの多くは,このままでは越冬も厳しい状況で,すでに崩壊レベルというべき.残存蜂量は数百匹レベルと未来がないレベル.結果的に400群中100群ほどが,かろうじて春を迎えられたらいいねレベルというのは,この春アメリカで報告された商業養蜂家の冬期損失の62%をはるかに超えることになりそうです.案内していただいた養蜂家さんが,かつて経験したことのない状況ということで,今回ここに呼ばれてきたわけですが,私もこれはさすがに見たことがない酷い状況でした.
崩壊が確実な蜂群でも,女王蜂はほぼ残存,育児は継続しており働き蜂は比較的若いものだけが残っている状態.いわきで再開した育児は比較的正常に行われており,有蓋蜂児は200を超える蜂群も.ただ働き蜂の減少に合わせて,中心から遠いものから冷えて死亡.でも,巣箱内に死体がある蜂群はほぼなく,巣門前の死体も数匹程度.数千単位で失われたであろう働き蜂はいったいどこへ? ああ,これ,2006年からアメリカで問題になった蜂群崩壊症候群CCDそのまんまだ....
今回,残存していた働き蜂(女王蜂含む)をウイルス等の検査用に採取しましたが,生き残っているものは感染を免れている可能性も高く,調べても原因への到達は難しいかも知れません.養蜂家さんからは時系列的なデータを出していただく予定ですが,急速な蜂量減少が起きたことはまちがいないようです.これは,早いタイミングでのウイルス検査うぃお全国的にやる必要がありそうです.
アメリカでCCDが問題になったとき,最初にこの現象に見舞われ,メディアに再三登場したハッケンバーグさんのことを,アメリカじゃ内検頻度が低いからとか,管理が悪いからじゃんとか悪口ばかり言ってたけど,本当にごめんなさい.まさか日本でこれが起こるとは思ってもいませんでした....
少し最新の情報収集を続けて,少しでも対策に向かえるようにはしたいと思いますが,私ひとりでは頭脳が足りません.より広範な実情情報も必要です(北海道転飼組も同様の問題を抱えていると聞いています).難局を乗り切るためにぜひ皆さんの力と知恵をお貸し下さい.どんな情報でも役に立てられます.お気づきのことがあればお知らせ下さい.
ミツバチ研究所
熊本県
今更聞けないような事を、初心に帰り相談させていただきたいと思っています。 体と相談しながら無理なく、質の良いミツバチの飼育を目指したい。 2025年春はダニが多...