投稿日:5時間前
か式の岩波金太郎氏や海外のFoundationless Beekeeping派が唱える「自然巣だとダニが増えない説」を検証してます。
ヘギイタダニが増えない理由のうち有力なのものが、「自然巣は人工巣礎よりサイズが小さいから」というものでして、これは養蜂家必携の書「ミツバチのダニ防除」にも「無巣礎養蜂の可能性」としてコラムで紹介されています。
「ミツバチのダニ防除」は私も防除計画を立てる上でめちゃくちゃ参考にしていて、何回も読み返しているんですが、先日その自然巣に関するコラムのところに誤りを見つけました。
P122の写真(C)のところです。
ここで著者の東氏は自然巣の大きさは4.8mmだったと述べていますが、この写真(C)をじっくり見てみると、巣房9個分の寸法が47mmなので47mm÷9=5.22mmが正しい自然巣房のサイズとなります。
仮に人工巣礎が5.5mmだった場合で、自然巣が4.8mmであれば、その差は10%以上になり、有意な差と呼べるかもしれませんが、5.5mmと5.2mmの差は5%くらいにしかならず、誤差や個体差の範囲内と呼べる可能性もあります。少なくとも「自然巣は人工巣礎より小さいからダニが増えない」っていう理論を説明するにはちょっと弱い気がします。
前回の日誌で書いたように、私の蜂群の自然巣のサイズを測ったところ、A1群が5.42mm、K1群が5.31mmでした。これらの数値から考えるに、セイヨウミツバチの自然巣の大きさのアベレージサイズは5.3mm前後なのかなと思います。
巣房サイズ起因説は、そもそもの自然巣の大きさの設定からして間違っている可能性が出てきました。こうなってくると、例えば、良かれと思ってスモールセルの人工巣礎を使うことが逆に自然に反する行為になっている可能性もあり、ここで一度、セイヨウミツバチの自然巣のサイズはどれくらいなのかということをはっきりさせた方がいいのかもしれません。
もっともこの数値は地域や群れの系統によってもだいぶ変わってくるはずで、もしかすると4.8mmくらいの極小の巣房を造るセイヨウミツバチの群れもあるのかもしれません。
みなさんの巣箱に働き蜂の自然巣ができていたら、サイズを測ってコメントで教えてください!!
巴里沙農園金稜辺部
埼玉県
金稜辺生産販売農家として新規就農しました。2026年より「東洋ランの大石」さんの金稜辺部門を引き継ぎます!!元野口種苗研究所店員、34歳。 キンリョウヘンにとっ...