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セイヨウミツバチ
ぷちキラー管理日誌 舞台裏 Pin prick method

古ちゃん 活動場所:鹿児島県
好き好きに蜂の世話しながら暮らしています。 奄美大島は日本国内に限ればニホンミツバチ分布の最南端の地です。暑くない時期は、自宅の外壁の割れ目にニホ…もっと読む
投稿日:2020 3/6 , 閲覧 282

投稿日誌のタイトルにもなっているぷちキラーだが、わざわざ気性の荒っぽい群を尊重する事となっている。

それには理由がある。

1年間飼育したところ、通年好調に増殖を続け、扱いやすかったのだ。特に、ヘギイタダニに苦戦する中、この群ではダニをみかける事はなかった。

しかし、ミツバチを飼育していて、ダニが湧かないかどうかを観察し続ける事は、時間がかかるうえ、その精度には疑問がある。ヘギイタダニの感染に依存してしまう為だ。ぷちキラーは単に運良く、ヘギイタダニに感染しなかったに過ぎない可能性もある。

そこで、海外で実践されているらしい、謎のテストを実施してみた。Pin prick method (針で刺す手法)という。

参考サイトの一例

http://www.glenn-apiaries.com/breeding.html

やる事がちょっとグロいが、操作と意図を下記の通り要約する。

・ミツバチの封蓋されたセルを針で刺す等して殺す。

・操作実施日の夕刻(7~8時間経過)時点と、翌24時間経過後に、操作したセルの状態を確認する。

・刺殺された蜂児が、正確に取り除かれていればいる程、その群は「清掃活動が活発」と判定できる。

・清掃活動が活発な群ほど、ダニへの抵抗性が期待できる。ついでに、他の病気の幾つかに対しても、抵抗性が期待できる。特にチョーク病、腐蛆病など幼虫がかかる病気。

この試験の利点は、ダニの感染に依存せず蜂群の性質を観測できる事に尽きる。操作が面倒くさいし楽しくなさそうな作業だが、ダニの寄生率が上がるか否かを年間を通じてモニターし続けるよりもずっとマシだろう。

実際やってみた(※一月の実施。世間が年末年始という時にこんな根暗な事をやっていたw)。

ぷちキラー7時間後

[image="https://d3dlv5ug8g5jts.cloudfront.net/053/5338385545970279742.jpeg"]

すさまじい破壊っぷりである。多くの蛹の封蓋が解かれ、蛹の頭がほとんど無くなっている。

ぷちキラー24時間後

[image="https://d3dlv5ug8g5jts.cloudfront.net/063/6313880831700892459.jpeg"]

ほぼ全てのセルが清掃完了となり、産卵も終えている。最も、産卵に関してはそういう物らしい(清掃完了後のセルに産卵する性質がある?)。

一方で、性質を期待していた群で、このような結果もあった。

とあるテスト群7時間後

[image="https://d3dlv5ug8g5jts.cloudfront.net/040/4061120061255399326.jpeg"]

何が起きたか気づいていないような状態だ。

とあるテスト群24時間後

[image="https://d3dlv5ug8g5jts.cloudfront.net/010/1026140061374314299.jpeg"]

君たちは掃除や片付けが自分の仕事だと思っていないのか?仕事ナメてんの?とか思ってしまう(お前のせいだろ的な反論されそう)。

このコロニーは1月時点までは僕がダニの寄生状況に気づくことはなく、増群も好調だった為、ある程度のテスト成績を期待をしていた。しかし、実際やってみるとこの通りであった。

また、2月に入った途端に翅が縮れた蜂が見受けられるようになり、ダニ寄生状況を調べた所(シュガーロール法)、成蜂300匹に対し20匹を超すダニが落下する惨状を呈した。

この残念な群の結果は、このテストのある程度の信ぴょう性を、僕に教えてくれた事になる。

実際Pin prick methodがどの程度ダニへの耐性を反映してくれる物なのかは解らない。おまけに、このような選抜を何年間続けた時に、どの程度のダニへの抵抗性が期待できるのかも、解らない。解らないが、とりあえず現時点で最良の調査方法という事で、このテストの成績が好調であった数群から採卵、雄バチ生産を行い、選抜育種する事とする。。

後から参考サイトをよく見ると、刺し殺すセルはもっと少なくても良かったような気がする(汗/21セルで良いと書いてある)。

コメント3件

はにこ 活動場所:東京都
投稿日:2020 3/6

古ちゃんさん、こんにちは!

とても興味深いです。

社会性のある生き物というのは、その基本生活の得意不得意の傾向が群の特性として出るのかもしれないなと思いました。蜂の生き残りにこの掃除能力の高さが大事とすると、コロナの人の行動傾向が被りました。手洗い、入浴、その他の衛生観念の差が防疫に影響するのは、蜂も人も同じだなと思いました。お掃除得意なダニも片付ける血統が安定すると、一つの種族になりますね。こういう視点からのアプローチをする人がいるという事もまた凄いことだなと思いました。貴重な資料です。

ありがとうございます。

古ちゃん 活動場所:鹿児島県
投稿日:2020 3/6

はにこさん

コメントありがとうございます。

アフリカナイズドミツバチ(本場のキラービー)も、当たり前のように、ヘギイタダニの寄生に晒されてしまっていますが、どうやらこのカラクリで元気一杯にやっているそうです。ニホンミツバチのように、成虫に着いたダニをサーチ&デストロイは、あまりやってないらしいです。

なお、僕は片付け苦手、お風呂はカラスの行水です。

はにこ 活動場所:東京都
投稿日:2020 3/6

古ちゃんさん、こんばんは。

アフリカンは色んな意味で猛烈な感じがします。片付けも攻撃も全力投球ですね。見習いたいものです。

私も片付け下手ですが、国内の観念は色々と層が浅いと思ってます。世界の雑巾で皿を拭いても元気いっぱいな人達も新たな脅威に晒されると、抗菌グッズを作る我らより更なる最前線に立つ事になるのだなぁと感じる今日この頃です。

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