投稿日誌のタイトルにもなっているぷちキラーだが、わざわざ気性の荒っぽい群を尊重する事となっている。
それには理由がある。
1年間飼育したところ、通年好調に増殖を続け、扱いやすかったのだ。特に、ヘギイタダニに苦戦する中、この群ではダニをみかける事はなかった。
しかし、ミツバチを飼育していて、ダニが湧かないかどうかを観察し続ける事は、時間がかかるうえ、その精度には疑問がある。ヘギイタダニの感染に依存してしまう為だ。ぷちキラーは単に運良く、ヘギイタダニに感染しなかったに過ぎない可能性もある。
そこで、海外で実践されているらしい、謎のテストを実施してみた。Pin prick method (針で刺す手法)という。
参考サイトの一例
http://www.glenn-apiaries.com/breeding.html
やる事がちょっとグロいが、操作と意図を下記の通り要約する。
・ミツバチの封蓋されたセルを針で刺す等して殺す。
・操作実施日の夕刻(7~8時間経過)時点と、翌24時間経過後に、操作したセルの状態を確認する。
・刺殺された蜂児が、正確に取り除かれていればいる程、その群は「清掃活動が活発」と判定できる。
・清掃活動が活発な群ほど、ダニへの抵抗性が期待できる。ついでに、他の病気の幾つかに対しても、抵抗性が期待できる。特にチョーク病、腐蛆病など幼虫がかかる病気。
この試験の利点は、ダニの感染に依存せず蜂群の性質を観測できる事に尽きる。操作が面倒くさいし楽しくなさそうな作業だが、ダニの寄生率が上がるか否かを年間を通じてモニターし続けるよりもずっとマシだろう。
実際やってみた(※一月の実施。世間が年末年始という時にこんな根暗な事をやっていたw)。
ぷちキラー7時間後
すさまじい破壊っぷりである。多くの蛹の封蓋が解かれ、蛹の頭がほとんど無くなっている。
ぷちキラー24時間後
ほぼ全てのセルが清掃完了となり、産卵も終えている。最も、産卵に関してはそういう物らしい(清掃完了後のセルに産卵する性質がある?)。
一方で、性質を期待していた群で、このような結果もあった。
とあるテスト群7時間後
何が起きたか気づいていないような状態だ。
とあるテスト群24時間後
君たちは掃除や片付けが自分の仕事だと思っていないのか?仕事ナメてんの?とか思ってしまう(お前のせいだろ的な反論されそう)。
このコロニーは1月時点までは僕がダニの寄生状況に気づくことはなく、増群も好調だった為、ある程度のテスト成績を期待をしていた。しかし、実際やってみるとこの通りであった。
また、2月に入った途端に翅が縮れた蜂が見受けられるようになり、ダニ寄生状況を調べた所(シュガーロール法)、成蜂300匹に対し20匹を超すダニが落下する惨状を呈した。
この残念な群の結果は、このテストのある程度の信ぴょう性を、僕に教えてくれた事になる。
実際Pin prick methodがどの程度ダニへの耐性を反映してくれる物なのかは解らない。おまけに、このような選抜を何年間続けた時に、どの程度のダニへの抵抗性が期待できるのかも、解らない。解らないが、とりあえず現時点で最良の調査方法という事で、このテストの成績が好調であった数群から採卵、雄バチ生産を行い、選抜育種する事とする。。
※
後から参考サイトをよく見ると、刺し殺すセルはもっと少なくても良かったような気がする(汗/21セルで良いと書いてある)。