以前、スズメバチに詳しい方から聞いたお話では、コガタスズメバチは、オオスズメバチやキイロスズメバチと比べて「温和な性質」で、軽い刺激では、強い反応は示さず、人を後追いする距離も短いと聞きました。今回、近所に営巣したコガタスズメバチの業者さんによる駆除を目撃したことや、自分でも友人宅の巣を依頼されて除去した経験から、このことが誤りでないことを実感しました。ただし、その時の状況や条件によっては、強い反応を示すようです。(>_<)
1図
1図のように、巣の大きさはバレーボール大です。2図のような道路沿いに営巣していました。見張り役が3匹ほど、いつも監視しています。2図のように、木の枝の道路への、はみ出しと街路樹が通行の障害となり、接近を拒んだことや、フェンスにガードされていたのが幸いしたのか遠回り気味の、2図の、朱の動線を多くの人が選んだようです。2m以内に人が接近する機会は、案外少ないと推測しました。ただ、この道は、近くの保育園の園児と保護者と職員が、登下園に利用します。近くに公園があるので、時々捕虫網を持った小学生や親子も往来します。おとなしいコガタスズメバチでも、警戒区域を超えて接近すれば、ハチがスクランブル発進することは必定です。(^^;) このような事情から、近くの保育園から役所へ駆除の依頼があったようです。
2図 営巣場所道路の図 破線がコガタスズメバチが営巣していた植え込み
3図 フェンス裏 駆除の後に矢印のように巣が落下していました。
役所の方が駆除について話しているのを偶然、耳にしました。外勤バチが全て巣に戻る、日暮から駆除するようです。陽が落ちて真っ暗になってから、駆除の業者さんがやってきました。営巣場所は、足元が確かで、視認しやいポイントとはいえ、防具なしで、至近距離からのスプレー缶殺虫剤の噴射だけで駆除、驚きました。見事な手際です。(懐中電灯の光のシルエットにも、防具なしが見られます)
興味と好奇心押さえがたく、失礼かと思いましたが、作業終了後に声をかけさせていただきました。コガタスズメバチの性質や生態については、よくご存知のようです。スプレー式の殺虫剤3缶を使用したこと、役所の依頼、かつ公共施設内なので費用はかからないとの説明をいただきました。
以前友人宅で、たまたま目撃した別の業者さんは、こぶし半分にも満たないサイズのアシナガバチ巣の駆除に、全身をスズメバチ防除用の厚い防具で固め、通常の倍もある容量のコールドスプレー缶を噴射していました。料金は、1万円オーバーです。この地域では、ハチの種類を問わず、相場のようです。友人の家に寄った時は、すでに業者さんが作業を始めていました。アシナガバチなら私でもできるので、コーヒー1杯で、友人の要望に応えることができたかもしれません。後の祭りでした。(^^;)
下表は、名古屋市健康福祉局衛生研究所業務課のスズメバチの捕獲数調査の結果です。https://www.city.nagoya.jp/kurashi/category/15-7-3-16-4-0-0-0-0-0.html
オオスズメバチ・モンスズメバチ・コガタスズメバチが、数では名古屋市の3英傑です。オオスズメバチ、キイロスズメバチ、モンスズメバチの3種が特に攻撃的と言われています。いわゆる武闘派かもしれませんね。令和3年度の名古屋市のような都市部でコガタスズメバチよりモンスズメバチや地下に巣を作るオオスズメバチの捕獲数が多いのには驚きです。生き残りのため、都市の環境に合わせて適応しているのでしょうか、