投稿日:2023/3/11 21:01, 閲覧 523
昨日に続き、蝋型鋳造についてお届けします。
残念ながら昨日の蝋型の鋳込みは動画を撮るのを忘れてしまい、別の時の鋳込みの模様を見ていただきたいと思います。「光る水」の素晴らしさは何度見ても感動します。
「興奮の坩堝」という言葉がありますが、覗き込むとそこはまさに言葉ピッタリの世界です。サングラスのように色がついた防災面でないと眩しくて見えないのですが、湯面(ゆづら)は鏡のように平らで表面にはキラキラと光る妖精たちが走っています。1400度の物体が至近距離にあると着ているものが自然発火してしまうので、湯の汲み出しは消防服を着て行います。メガネをしている人は金属のフレームが頬に当たると火傷してしまいます。それくらい日常では体感できない熱さです。
「チョコ坩堝」と言う汲み出し専用のどんぶり形状の坩堝を長いヤットコ(火箸)で咥えて中の湯を汲み出します。汲み上げた時に火箸が緩んでチョコが落下すると大変なことになるので、炉のふちなどにぶつけないように慎重に汲み出すのですが、ゆっくりやりすぎると湯の温度が下がって、鋳型に注ぐときの適性温度を下回ってしまうので、慌てずに同じリズムで汲み続けます。チョコで汲む湯は1杯5キロ、6〜8杯汲みますのでとりべは二人で持ち上げます。
とりべに汲み出す直前に一斗缶から投げ入れているのは藁灰で、藁の灰は高温で飴状になり、湯面をコーティングして金属の酸化を一時的に防ぎ、湯面に浮かぶゴミなどを絡め取ってくれます。途中、火箸を交換しているのは火箸が加熱によって柔らかくなり、チョコをしっかり掴めなくなるので予備の火箸を準備しておきます。
注ぐ瞬間は途中で湯を途切れさせてしまうと、鋳型の中で湯境ができてしまうので、直径3センチくらいの太さを維持して勢い良く流し込みます。勢いをつけ過ぎて湯が外に出ると飛び散って来ますので的を外さないように、注ぐ時のとりべのスタート位置が重要です。鋳型の中央に大きな漏斗状の凹みがあり、そこが湯口です。湯口の周囲に点在する小さな穴は「上がり」と言う湯道で、湯口から入った湯が作品の中を満たし、最後に湯が上がってくる出口です。途中で冷えて固まってしまったりすると上がりから上がって来ないので失敗になりますが、この時は全ての型から綺麗に上がって来たのでうまく行きました。
以下の動画は湯口に注ぎ込んだ直後で、ゆっくり冷えて固まって行く様も美しいです。
流し込んだ金属は完全に冷えないと脆いので、鋳型を壊すのは翌日に行います。鋳型はクッキーのようにサクサクと柔らかく、ヘラなどで崩しながら作品とのご対面に胸が高鳴ります。画面下に作品の端っこが出て来ました。人物にちゃんと湯が行き届いているかちょっと心配です。
石膏の中から顔が出て来ました。ちゃんと入っているようです。
全貌が現れて来ました
どうやら成功のようです!人物の頭にくっついた「上がり」もちゃんと入っていました。作品の中が全て湯で満たされ、最後にこの上がりを伝って来るのです。
あとは湯道を切ったり細かいところのバリなどを除去してワイヤーブラシをかけたり、部分的に磨いて真鍮の金色を出したりして仕上げをします。
タイトル「雨・好日」
雨降って花ほころび、蜜流れて、今日もミツバチたちは皆元気です
・・・・という情景を表現したかったです。養蜂家の方は寡黙で牧歌的で、絵になる男でした。
プレゼントしたらとても喜んでいただけたようでした。これからも仲良くお付き合いしていただきたいと思います。
次回、もう一つの日誌で完結です♪
はっちゃんさっちゃん
千葉県
初めまして。名前の最後に「さん」はいりません。打つのが大変だから「はっちゃんさっちゃん」でお願いします。6年目の初心者ですが、どうぞよろしくお願いいたします。
kuni
三重県
重箱式・フローハイブ・巣枠式楽しみながらやっています。 課題は夏分蜂をいかにして乗り切り秋まで維持できるか。重箱では、4段の少数 段で採蜜をローテションを目指し...
工房から、熱気が伝わってきます。凄いですね。
2023/3/11 23:03
ハニービー2
茨城県
養蜂7年目になりますが、まだ新人です。
その1、で見た造形が「仏像と椅子?」みたいに見えてしまいましたm(__)m、出来上がりは「養蜂家と巣箱」すばらしい出来ですね。
鋳込みも気の合った作業で、年期を感じます。
2023/3/11 23:19
はっちゃんさっちゃん
千葉県
初めまして。名前の最後に「さん」はいりません。打つのが大変だから「はっちゃんさっちゃん」でお願いします。6年目の初心者ですが、どうぞよろしくお願いいたします。
まーやさん、おはようございます。
20年間で貯めてあって、納屋に保管してあった蜜蝋だそうです。面倒になってここ10年くらいはそのまま捨てていたとのことで、邪魔だからとおっしゃっていましたが、私にとっては宝です。
2023/3/12 05:52
はっちゃんさっちゃん
千葉県
初めまして。名前の最後に「さん」はいりません。打つのが大変だから「はっちゃんさっちゃん」でお願いします。6年目の初心者ですが、どうぞよろしくお願いいたします。
kuniさん、おはようございます。
夏は地獄です。。。地金から発生する亜鉛ガスとコークスから出る硫酸ガスもすごいので、炉に火を入れてからはなるべく室内に入らないようにして作業します。
2023/3/12 06:00
はっちゃんさっちゃん
千葉県
初めまして。名前の最後に「さん」はいりません。打つのが大変だから「はっちゃんさっちゃん」でお願いします。6年目の初心者ですが、どうぞよろしくお願いいたします。
ハニービー2さん、ありがとうございます。
彼に会いに行った時に、たまたま「おお、雨が来るな」と見上げた時の姿が印象的で、心に残っておりました。
相棒との作業は息を合わせることも大事で、10年以上やって来ましたが、それ以上に過酷な作業の中で正しい判断ができるかどうかが分かれ目になります。「湯が足りなくなるかも」と感じたときに勇気を持って汲みなおす判断ができないとめちゃくちゃ後悔する結果となります。
2023/3/12 06:10
蜂三朗
千葉県
oct.ジェネレーションの爺さんでっす!。 2019年の秋、キンリョウヘンの日本蜜蜂誘因の話を聞き、 徳島県より5鉢購入しました。2020年春、見事に花をつけま...
はっちゃんさっちゃん、その2。有難う御座います。
全てに見事ですねー。
寡黙で牧歌的で、絵になる、、、。私もなりたいけど無理。
その3、期待します。
2023/3/12 18:40
はっちゃんさっちゃん
千葉県
初めまして。名前の最後に「さん」はいりません。打つのが大変だから「はっちゃんさっちゃん」でお願いします。6年目の初心者ですが、どうぞよろしくお願いいたします。
蜂三朗さん、こんばんは。
ありがとうございます。ひとつのことをずっと続けて来た人が醸し出す強さというか、優しさというか、私も憧れます。
2023/3/12 21:25
れりっしゅ
千葉県
南房総鴨川でティーハウスをやってます。初めての巣箱を2021年3月中旬から設置し、漸く3年経ったばかりの駆け出しです。専門用語も殆どわからず、兎に角試してみよう...
はっちゃんさっちゃんさん こんばんは。
ナント、里山の背景が似合うオブジェでしょうか\(◎o◎)/!
冷え固まって、石膏から頭を出して来た蜂飼いさんの姿、鋳物の醍醐味ですね(ღ˘⌣˘ღ)
蜂場で、オブジェを抱える蜂飼いのオジサマの大事そうな手。御自分の人生を抱えて居るようで、しみじみしました。
はっちゃんさっちゃんさんには当然の事と存じますが、良いお仕事をされますね。やはり、芸術は人の心を動かしますね。◠‿◠。♥
私も豊かな気持ちになりました。
2023/3/12 22:26
はっちゃんさっちゃん
千葉県
初めまして。名前の最後に「さん」はいりません。打つのが大変だから「はっちゃんさっちゃん」でお願いします。6年目の初心者ですが、どうぞよろしくお願いいたします。
2023/3/13 03:43
はっちゃんさっちゃん
千葉県
初めまして。名前の最後に「さん」はいりません。打つのが大変だから「はっちゃんさっちゃん」でお願いします。6年目の初心者ですが、どうぞよろしくお願いいたします。
ありがとうございます。恐れ入ります。
これからもミツバチの助けを借りて良いものを作って行きたいです。
2023/11/8 11:01
はっちゃんさっちゃんさん 「雨・好日」拝見いたしました\(^o^)/
ブラボー❣❣ ブラボー❣❣ 素晴らしいです(';')
ロストワックスは1点もの❕ というのが良しあしですね(-.-)
はっちゃんさっちゃんさん にも同じものをプレゼントしたい気持ちに成りました。
大好きな《蜜蜂ご一家》の沢山の巣箱に囲まれた《心やさしい養蜂家》良いですね〜!(^^)!
《ミレーの晩鐘》を見て居るような感じです。 感謝!感謝!感謝!
2023/11/8 09:23
今晩は!
一発勝負〜成功オメデトウ御座います♪細かくて、繊細な〜養蜂家さんの日常が、伝わっ出来ます!!お天気さんまで〜味方に付いてくれて、一年の楽しい日々です♪嬉しいお顔…素敵なお返し〜ビックリされた事でしょう(๑・̑◡・̑๑)それにしましても、大量の蜜蝋が貯まる巣箱〜凄い数とお世話ですねー♪
2023/3/11 22:57
まーや
三重県
こんにちは!!毎年〜ほんの少しずつですが〜先輩方から、色々学びながら〜蜂生活を、楽しんで居ます♪ アドバイス頂いた方々など、勝手にフォローさせて頂く事が有ります...