蝋型鋳造についてのお話の完結編、最後は先日完成して、敬愛するテン&シマさんへ送った「はっちゃんの飛翔」を皆様に見ていただきたく・・・・
セイヨウミツバチの養蜂家の方から頂いた蜜蝋500キロはものすごく貴重で嬉しかったのですが、使ってみるとやはり日本ミツバチの蜜蝋の方が蝋型鋳造の「手びねり」をするには最適な素材だと感じています。「手捻り蝋」を作るには蜜蝋に松ヤニを添加します。松ヤニは工芸でも使いますが滑り止めの材料として、ボクシングの選手がリングの上で滑らないように試合前にシューズに付着させたり、バイオリンの弦にも塗ったりしますよね。通販でも手に入りますが高いので専門のお店で購入しています。この松ヤニを蜜蝋に混ぜると、非常に伸びが良くなり造形しやすくなります。いわゆるロウ粘土みたいになるのです。松ヤニは融点が高いのでまず鍋で松ヤニを加熱してカラメル状に溶かし、そこに蜜蝋を投入してよく混ぜて、火を落とすと固まります。これを手でいじっていると体温が伝わって可塑性が出てきます。ちょうど体温くらいの温度で使いやすい柔らかさになり、造形が終わって品物を置いておくと冷めて固くなります。台座は陶器で作りました。磁土に黄色の釉薬がかけてあります。
きっかけは忘れてしまいましたが、テン&シマさんとメールのやり取りの中で蜜蝋が欲しいなと言ったらたくさん出るから送ってあげるよと、長いお付き合いの中で毎年少しずつ蜜蝋を送り続けていただきました。そしてある時、蜂蜜も入りますか?と、発酵しちゃって泡が出ている蜂蜜を給餌用に使ってよと大量の発酵蜂蜜を頂いたのですが、私は個人的にちょっと酸っぱくなった蜂蜜は梅ジュースに使ったりして、大変嬉しく思っておりました。
一昨年、蜂場で刺されて病院に担ぎ込まれて以来、10群以上飼育はすれど、ミツバチに肉薄する機会を出来るだけ減らさなければならない状況になってしまったこと、そしてミツバチに出来るだけ負担をかけたくない思いから、6段以上にならないと採蜜はしないと言うやり方を取っているので、蜂蜜大好きだけど常に不足気味で、テン&シマさんに送って頂いてめちゃくちゃ助かりました。
テン&シマさんさん、ありがとう!!!
そんなわけで、もし発酵蜂蜜の処分でお困りの方がいましたら、私のヘンテコな作品でよろしければお送りしますのでよろしくお願いいたします〜!