投稿日:10/6 12:27
養蜂5年目でセイヨウミツバチ8群を飼育しておりますが、今まで一度もアピスタン、アピバール、ギ酸シュウ酸等、ダニ対策の薬剤を使用したことがありません。
雄蜂トラップもやっておらず、雄蜂の蛹の塊があればフォークで適時抜き取りチェックをしているくらいです。この際数匹の寄生は毎年確認しているので、ヘギイタダニが存在しているのは確かです。
あとは底面の清掃を常に意識しているくらいです。それでも今のところ問題なく飼育出来ており、ヘギイタダニによる蜂群壊滅の兆しはありません。
様々な本やサイトを見てもほぼ例外なく、ダニ対策無しではセイヨウミツバチの管理は成り立たないとの記載があるかと思います。
そこで疑問があるのですが、このような事例は皆様ご本人、もしくはその周辺でありますでしょうか?
※補足情報
・元をたどると、高齢により飼育を断念した方から受け継いだ蜂群です。その方は20年ほど10群前後の維持管理をされていましたが、やはりダニ対策の薬剤は一度も使ったことが無いとのことでした。
・自分以外にもう一人、蜂群を譲り受け飼育している方がいますが、その方も私とほぼ同じ規模と維持管理で5年間飼育されています。
・私もその方も、元の群からの分割のみで群数を増やしており、他からの新たな女王の導入は今のところしておりません。
・場所は静岡県西部。半径10km圏内に、前出のもう一方含め養蜂家は数人いらっしゃいます(ニホンミツバチ含む)。一人は親交があり、ギ酸処理しているとのことですが、その他の方々は不明です。
・薬剤不使用にこだわっているわけではなく、現状なんとかなってしまっているので不使用なだけです。状況を見てすぐに対応できるよう、ダニ防除に関する知識は最低限備えております。
※個人的考察
・そもそもヘギイタダニの個体数が少ない地域?
・近年の猛暑と長引く残暑によるダニの不活発化?
・長年の薬剤不使用により選別され生き残った遺伝子の影響?
・10群前後の小規模飼育であれば、衛生的な管理さえ心掛けていれば案外大丈夫?
皆様のご意見をいただけると幸いです。
ダニ剤不使用、やってます!というか今年からやり始めました、が正しいです。セイヨウ初心者なもんで。
まず先に、猪ハンターさんの箇条書きへの私の考えを書きます。
>そもそもヘギイタダニの個体数が少ない地域?
ダニが一匹いれば、一世代で最低でも平均約1.5倍には増えるそうです(最低でもというのは働き蜂巣房とオスバチ巣房で増え方が異なるため。オス蛹だと2倍以上に増えられる)。うちの巣箱の実測値は1.59でした。その数値をもとにすると、4月から10月までの間に1匹のダニが57匹になります。春にに10匹いたら秋に570匹、20匹いたら1140匹です。春に確実にいたのなら、地域性はあまり関係ないのでは?
>近年の猛暑と長引く残暑によるダニの不活発化?
もりゆこさんが日向置き巣箱である程度の結果を出してました。大いにありうるはず。
>長年の薬剤不使用により選別され生き残った遺伝子の影響?
お師匠様も無農薬でやっていたならば、その条件で選抜された可能性は大いにあるけど、100群規模でやっていたのでなければ、近親交配で死亡する蜂児が多くなって崩壊する群が多かったはず。そうなってないとしたら、他の養蜂場から来たオスと交尾しているため、無農薬無処理条件での選抜遺伝子は薄まっている可能性の方が高い。
逆にダニの方が蜂を殺さないくらいに弱毒化して、共生に近い状態になった可能性があるのでは?
>10群前後の小規模飼育であれば、衛生的な管理さえ心掛けていれば案外大丈夫?
私も7群なんですけど、いる群にはいるしいない群にはいなくて、何とも言えないです。
私のところでは、「自然巣枠なら無農薬でもダニが問題にならない」という都市伝説の検証をしてまして、現在7群いますが、そのうちひとつは、オス切を6月でやめ、その後500~1000匹の雄を羽化させたにもかかわらず、いまだにダニ寄生率が<1%という群れ(A1群)があります。すべてがこの群と同じ性質を持つとしたら、ダニ無処理でも全然やっていけそうだなという気がします。
でもそうは問屋が卸さず、そのA1群から変性王台で分けた2群は、現在寄生率が2.5%と3%強となっていて、このままいくと越冬時のダニ数が危険水域になりそうなんで、乳酸で対処し始めたところです。母と娘でダニ耐性のポリジーンは少なからず受け継がれるはずなのに、娘の2群は全然ダメですね。
7群のうちでもダニの増え方に大きな違いがあるので、確定的なことは言えないですけど、これまでの私の所感をまとめると、
・とある養蜂教室で見学させてもらったアピバール使用群が、うちの群と比べてぱっと見で明らかにテンション低くてどんよりしてたので、蜂に対する薬害・副作用は絶対あると思った。
・うちに遊びに来た養蜂家によると、うちの群れはどの群も異常におとなしいと言っていた。残留フルバリネートを含めケミカルフリーだからかも?
・数世代にわたりケミカルフリーで飼育すれば、薬害・副作用の残留も抜け、超個体としての群れの免疫力のようなものが上がるのではないか?
・寄生率2-3%くらいで平衡状態になるならば、ダニが安定的共存状態になったといえるかも?
・7群のうち、無処理で行けそうだなという群れが2群ある。そのうち1群はダニ増加係数がマイナスの可能性すらある。遺伝的な要因か?とも思うが、その群れから出た娘の群はダニが普通に増える。(ダニの推定世代増加係数1.59)
私は、この問題を自分のセイヨウ養蜂のメインテーマに据えています。採蜜とかは後回しにこの問題に取り組みたいと思ってます。なので無農薬養蜂の方の情報をたくさん集めたいと思ってます。
そこでお願いなんですが、猪ハンターさんや蜂友さんの巣箱の現在の寄生率を数値として把握することはできませんか?この問題を語るとき、何よりも大切なのは寄生率の数値です。数値無しでは情報の説得力がなく汎用性も低くなってしまうので。私は、「ミツバチのダニ防除」という本の「腹側撮影法」で寄生率を出しています。
是非ご協力願いたい!すみません、つい熱くなってしまった!
追伸
私もわな猟師です。自分ちの畑の有害鳥獣駆除専門ですが。
巴里沙農園金稜辺部
埼玉県
金稜辺生産販売農家として新規就農しました。2026年より「東洋ランの大石」さんの金稜辺部門を引き継ぎます!!元野口種苗研究所店員、34歳。 キンリョウヘンにとっ...
12時間前
猪ハンター
静岡県
静岡県西部でセイヨウミツバチを小規模飼育しております。 高齢により飼育を断念された方から群を譲り受け、5年ほど前から飼育を開始しました。
巴里沙農園金稜辺部様
ご回答ありがとうございます。
投稿を一通り拝見しました。大変興味深いです。細やかなデータ分析、頭が下がります。
>もりゆこさんが日向置き巣箱である程度の結果を出してました。大いにありうるはず。
質問本文には記載し忘れていましたが、私も置き場所の都合上、日陰が一切無く朝から夕まで日当たり抜群の蜂場です。あまりにも真夏の日射しが厳しいので、ゲタを履かせた日除け板を1箱づつ置いていますが、巣箱側面には日光が当たっています。真夏の期間中は毎日のように巣門前にソフトボール前後の大きさでぶら下がり、涼を取っている状態。
もりゆこさんの事例も踏まえると、やはり日向置きというのは一つのキーポイントなのでしょうか?
>逆にダニの方が蜂を殺さないくらいに弱毒化して、共生に近い状態になった可能性があるのでは?
なるほど。状況から考えるとこちらの路線もありそうですね。研究機関レベルじゃないと調べられなそうなのが残念です。
生活サイクルが平日は会社勤め、土日も他の用事などで世話ができない週も多く、毎週末欠かさず世話をしているのは、分蜂管理と蜜絞りで忙しい春先から初夏にかけての時期くらいです。あとの時期はオオスズメバチの防除と周囲の草刈り以外は、かなり雑な管理と言っても過言じゃないくらいの飼育スタイルです。
なぜかそれで上手くいってしまっており、今まであまり深くは考えていませんでした。
ミツバチのダニ防除の本は以前読みましたが、(図書館で借りて)現状なんとかなってしまっているので、シュガーロール法や腹側撮影法は知識として知ってはいても実行に至りませんでした。
まめに数値を取ったりそれをもとに分析したりは性格上とてもとても苦手なのですが、これを機に腹側撮影法を取り組んでみようと思います(すぐには難しいですが)。
蜂友にも情報共有してみますね。
追伸
猪ですが、活動できる猟友会員が減少しており、あちこちから寄せられる駆除の要望に答えるのが忙しい状況です。養蜂よりよほどこちらの方に週末のリソースを割いている現状です(汗)
3時間前
猪ハンター
静岡県
静岡県西部でセイヨウミツバチを小規模飼育しております。 高齢により飼育を断念された方から群を譲り受け、5年ほど前から飼育を開始しました。