今朝の目覚めは、どんよりとした空からしとしと降り落ちる秋雨で迎えた。
「いよいよ秋雨前線か~」と、季節の明瞭な移ろいを肌で感じる瞬間であった。
今年は10月に入っても夏のような暑さが続き、“異常気象”にある種の不安感を抱きながら過ごしていたのだが、「時期になれば季節は巡る」、そんな安堵感をもたらしてくれた。
とは云え、秋雨はやがて秋の深まりとともに氷雨に変わり、越後の空にはいよいよ本格的な冬が到来する。例年だと11月下旬に初雪が降り、それが一旦消えて、次に積もる雪が来春までのいわゆる根雪となる。
昨日、ニホンミツバチの飼育場の一つの巣箱が熊に殺られた。数年前にも襲われた場所なので、以来この時期になると別の蜂場に移動していたのだが、今年はまだ暖かいせいか熊の出没情報があまりないので「そのうちに…」と思っていた。でも熊の行動には暖かさとは別の事情があるのだろう、迂闊であった。
ミツバチの巣蜜に対する熊の「執念」には凄まじいものがあって、過去には杉の大木の洞にできた天然の巣を襲った跡を見ている。熊は大木の巣の裏側から鋭い爪で幹を削り裂き、数年かけてついに日本ミツバチの大量の貯蜜を手に入れていた。
日没後、幸い被害に遭わなかった巣箱を別の蜂場に移した。軽トラの助手席に積んだ巣箱の重量は優に30㎏はあった。わずか20m足らず持ち歩くのにも足はおぼつかなく往生した。
移動先の蜂場は距離にして約10㎞。普段は10分もあれば着くが、今回は一万匹余りの蜂がパニックを起こさないよう慎重に運転する。左手で巣箱の安定を保ちながら走ること30分。左の肩の筋肉が悲鳴を上げだす前に新しい蜂場に着いた(笑)
重い巣箱の設置に少し時間はかかったが、ハチたちはさほど動揺することなく落ち着いていた。巣箱の前後の巣門(出入り口)を開いたが、真っ暗な外に狂って飛び出すハチはいなかった。(くわばらくわばら(^-^))
天気概況をみると、この先寒冷前線が周期的にやってきて、天候もそれに左右されるようだ。冬の到来までは少し時間があるが、晴れの合間を見つけてはミツバチの世話も忙しい。ハチたちが越冬体制に入る前に、最後の採蜜を終えて巣箱も越冬用に衣替えをしていく。西洋ミツバチと違って寒さには強い日本ミツバチでも、飼育している以上はある程度の手入れは必要だ。
季節の移ろいは、日常的な出来事の中でも間断なく流れていく。
2021,10,12日 一介の老人の近辺の瑣末事でした(笑)