投稿日:10時間前
【フランクフルト=林英樹】気候変動の影響で欧州のミツバチに異変が生じている。春先の寒波と初夏の熱波で大量死するなどし、ルーマニア産の高級なアカシアのハチミツ採取量は最大8割減った。欧州連合(EU)はミツバチ保護に動くが、中国産の低価格品流入による価格引き下げ圧力は強い。欧州の養蜂家には「泣きっ面にハチ」の状況だ。
「2025年はこの30年間で最悪の年だった」。ルーマニアの養蜂家リビウ・ルッス氏は振り返る。ミツバチが越冬できず大量死した。アカシア開花前の春には大雨と寒波で昼夜の寒暖差が大きくなり、7割以上の花が蜜をつけなかった。
欧州の養蜂はアカシアやヒマワリなど特定植物の依存度が高く、ミツバチをひとつの場所で飼育する「定置式」と呼ばれる方式が主流だ。気候や開花に応じて飼育の場所を変える「移動式」が中心の中国など他地域と比べ気候変動の影響を大きく受ける。
「標高の高い地域では春でも0度近くまで気温が下がった」(ルッス氏)といい、ハチミツの生産量は例年と比べ8割以上減った。ようやく収穫したハチミツも初夏の40度を超える熱波で品質が劣化し、商品化できたのはごく一部だったという。
高級品として知られるアカシアのハチミツ(23年5月、チェコ)=AP
隣国のハンガリーでは春先の寒波と霜で50万ヘクタールのアカシアの半分以上が凍結し、多くの養蜂家が5月末まで採取できなかった。モルドバでもアカシアのハチミツ生産量は例年の1割程度だった。
結晶化しにくく風味豊かなアカシアのハチミツは「ハチミツの女王」と呼ばれ、世界で人気が高い。日本で販売する山田養蜂場は気候変動による異変があらわになった23年から従来のルーマニアに加え、ハンガリーやブルガリアの養蜂家にも提携先を広げた。
同社は25年の状況を踏まえ「提携先の国をさらに広げ、信頼できる養蜂家とのネットワークを築いていく」(担当者)と対策を強化する考えだ。
アカシア以外のハチミツも気候変動の影響を受ける。EUは高級品を中心に世界生産量の16%を占める。ベルギーの欧州農業組合(コパ・コジェカ)によると、ドイツは24年に23年比6%減の3万1800トン、フランスは28%減の2万1585トンにとどまった。
欧州の大幅な供給減にもかかわらず、ハチミツの卸売価格は変動していない。最大の理由が世界シェア26%に達する中国産の流入拡大にある。24年のEUの平均輸出価格は1キログラムあたり5.74ユーロ(約990円)だが、中国産は1.29ユーロと4分の1以下だった。
コパ・コジェカの政策アドバイザー、リッカルド・ペラーニ氏は「支配的な立場から中国は国際貿易価格を押し下げている。EUの養蜂家は供給減に加え、持続不可能な価格での世界競争を強いられている」と語る。そのうえで「低価格な中国産の品質について疑念が持ち上がっている」と指摘する。
欧州委員会の23年サンプル調査では、46%が低価格な米や小麦からつくったシュガーシロップを混入した、EU基準を満たさないハチミツだった。とくに中国産で不正の割合が高く、74%に達した。
EUも手をこまねいているわけではない。不正なハチミツを排除するため、EUは26年までに原産国とブレンド割合の表示を義務化する。同時にどの国でつくられたハチミツかを特定するトレーサビリティーの強化と認証基準の策定に乗り出す。
ミツバチ保護のため街中に植えられた花(25年7月、フランクフルト)
ミツバチの保護も強化する。欧州各国ではミツバチに有害な農薬の使用を禁止するほか、ミツバチを故意に殺傷した場合には罰金か懲役刑を科している。ドイツでは最大3年の懲役、5万ユーロの罰金だ。
EUは18年、世界初となるポリネーター(花粉媒介者)イニシアチブを制定。23年にミツバチ減少の原因究明と保護を盛り込んだ改訂版を発表した。26年までのモニタリングを通じ具体的な保護措置を取るとともに、ミツバチ生息地の回復を進める。
欧州市場のハチミツの半分は偽物、EUの調査で明らかに
大野ジョウ
福岡県
養蜂4年目に入りますが、まだ解からない事が沢山有るので御教示・ご指導の程宜しくお願い致します。
たまねぎパパ
兵庫県
仕事をしながらですが平成25年から80坪の畑で野菜を作り、平成30年から庭の斜面に果物(ブルーベリー、ボイソンベリー、ジュンベリー、柑橘類、梅、アーモンド、オリ...
おはようございます
お久しぶりです、お元気で良かったです。
EUでは中国産が市場価格1/4なんですね。
その為に74%が蜂蜜意外が混入とは困りますね。
真面目にやっている人がバカをみる事は防ぎたいですね。
9時間前