投稿日:2019/10/6 09:23
4年ほど前に、おそらくアカリンダニの影響だろうと思われるけれども育てていた5群を全滅させて以来、新たに捕獲できない年が続いていたけれども、ようやく昨年、新たな一群を捕獲する事ができた。
アカリンダニで全滅させた訳だから、次に捕獲できたときにはメントールを使ってしっかりとアカリンダニを防御してやろうと巣箱から作り直して捕獲の準備をしていた。
しかし、全群消滅させて以降、毎年捕ろうと思えば4~5群の捕獲ができていた我が家の捕獲ポイントに殆ど探索蜂が来なくなった・・・。それでもなんとか1~2群の探索蜂は飛来していた(毎年7~8群の探索が来ていたけど)ので諦めず、毎年そのポイントに待ち箱をセットしてきたところ、やっと昨年入ってくれた。
そして、やっと入居してくれたので本来ならメントールの準備を・・・、というところだけど、この新たな入居を待っていた3年間ほどの間にいろいろと考えていた。
何を考えていたか?
それは、メントール(その他の薬も含めて)を使って蜜蜂をアカリンダニから守ってやる事が「良い事」なんだろうか?、と。
メントールを使う事にいったい何を危惧したのか?
例えば、このアカリンダニを人間のインフルエンザにでも例えてみると、インフルエンザが流行しても発病した人の周辺の人間が全て発病する訳ではなく、インフルエンザの患者といっしょに暮していても発病しない人がたくさんいる。この発病しない人は何が違うのか?。それは「免疫力」。この免疫力については生まれながらに持っている免疫力も有るだろうし、生活で身に付いた免疫力もあるだろう。現代の人間の場合はインフルエンザにかかればすぐに病院へ行って薬をもらう事ができるのでそれで命を落とす人は少ない。しかし原始時代はどうだったんだろう?、おそらく一人の人間がインフルエンザに感染すれば周りの人達にどんどん感染し多くの人達が命を落としただろう?・・・と書きたいところだが、実際には違ったように思う。これはあくまでも私の想像でしかないけれども、原始時代にはインフルエンザウイルスが飛び回っていても、インフルエンザを発病する人が多くなかったんじゃなかろうか?。原始時代の人間はインフルエンザに対して現代人よりもずっとずっと強い免疫力を持っていたのではないか?、と考えている。
なぜなら、原始時代にはインフルエンザを治す薬は無かったであろう。薬が無いので万一インフルエンザに対する免疫力が弱い人間が感染した場合に多くの場合、命も落としたであろう。その命を落とした免疫力の弱い人間の遺伝子は子孫に引き継がれずに途絶える事になり、結果として免疫力の強い人間だけが生き残る。そして最終的にインフルエンザに強い遺伝子だけが引き継がれて後世に残っていく。なので医療が発達していなかった原始時代には免疫力が強い人間しか生きていなかったのではないか?、と。(ちょっと極端かもしれないが)
それに対して現代は、インフルエンザに対する免疫力を持っていない人が非常に多く生きている。それはなぜか?
それは非常に簡単な事で、医療が発達して、免疫力が弱くても医学の力で生き残れる。弱くても生き残れるから弱い遺伝子でもいつまでも後世に引き継がれていく。
結果として免疫力の弱い人間が、何事も無いかのごとく涼しい顔をして生活していける。
こんな事を日本蜜蜂を飼うに当たって考える必要があったかどうかは別として、分蜂捕獲がなかなかできなかった間に、こんな事をいろいろ考えているうちに、メントールで蜜蜂を守ってやる事は、「弱い日本蜜蜂」(人間が管理しないと生きていけない蜜蜂)をたくさん育ててしまう事になるのでは?、その弱い群を分蜂させてしまえば自然界に弱い日本蜜蜂を広げてしまう事にもなる。
そんな事より、何もしなくてもアカリンダニに負けない(免疫力の強い)群を自然界に繁殖させる事が大切なのではないか?。飼う立場の私達はアカリンダニに強い群を見つけて育て、上手くいけば、その強い群を地域に分蜂させて自然繁殖させれば、尚良いのでは、と考えるようになった。
そんな事を考えながら、飛来が少ない探索蜂を見ていて
「自然界ではアカリンダニに弱い群の多くは淘汰されたはずだ」
「今この時代に生き残って、こうして飛んでくる群はアカリンダニに強い可能性が高いはずだ」
そう考えながら入居を待っていて、飛来してきたのが今の群になる。
そして、その考えの通り、メントールを使用する事なく(他の薬も)昨年から見守ってきたところ、偶然なのかどうなのかは分からないけれども、非常に強い群が来てくれたようだ。
そして昨年は採蜜せず、今年初めてこの群の採蜜をしたところ、夏以降非常に外勤蜂の出入りが少なかったにも関わらず、非常に多くの蜜が貯められており正直、驚いた。
私自身は養蜂を始めて10年になるけれども、住宅地のせいか、今まで切り取った巣板の蜜が満タンで全て蓋掛けされているような状況を見た事が無かったけれども、今回切った巣板は全て蓋掛けされており満タン。
おそらくアカリンダニの影響で地域の蜂の数が非常に減ってしまってるんだろう。その影響で我が家の蜂達が地域の蜜源を独占する事ができたのかも知れない。
良いのか悪いのか?、とりあえず今シーズンはたくさんの蜜を採る事ができた。
おそらく2度目の分蜂に遭遇
城南宮の枝垂れ梅 .
蜜蜂にとっては春が来た ・
そろそろ秋になるかと思ってたら
masaX
京都府
京都洛西
京都府
2012年早春に自宅の梅に来ているミツバチを見ているうちに都市養蜂に憧れて2013年春から捕獲を試みてきました。ところが近所の神社の自然巣も飼育している人の箱か...
masaⅩ さん。久しぶりの採蜜とか、ともかくおめでとうございます。
蜂さんの「免疫力」を考えたのはすごいですね。私も何となく「免疫力」のことを考えていました。「免疫力」これは本当なんでしょうか?
私は2017年、2018年と薬害やら児だしなどで蜂をなくしていましたが、今年は故郷に待ち箱を置き2群持ち帰りました。この群れがものすごく元気で、「免疫力」ということを考えていました。免疫力の強い蜂さんが本当に居て、これに恵まれているといいのですが・・。
2019/10/6 18:09
masaX
京都府
京都洛西さん、コメントありがとうございます。
「免疫力」これは間違いなく有ると信じてます。そうでなければ日本蜜蜂は絶滅する事になりますが、これまで何千年か何万年かお医者さんに行かずに子孫を残してきた日本蜜蜂ですから、免疫力の弱い子孫を残さないようにしてさえやれば、まだまだ絶滅する事は無いと思ってます。
2019/10/7 12:34