若い人につられて、初めてハチのお話しを聞きに県外へ出かけました。
エリアに分かれ同時並行で進行し、あれも見たい、これも聞きたい興味関心が空回り。ヘビー級のシンポジウムやセミナーの紹介は他の方にお任せして、私にとって興味深かかった、比較的分かりやすいものを、2つ御紹介させていただきます。
❶キッズコーナー
子供向けと軽んずるなかれ、「ハチミツの中のミクロ 顕微鏡DEワークショプ」では、顕微鏡で蜜の中の花粉をスマホで写真撮影し、予め作成した花粉のプレパラートと比較することで、花粉の種類を同定というものでした。これにより市販の単花蜜と呼ばれるものも、花粉から由来の真偽や、日本ミツバチに多い百花蜜と思われていた蜜の一部が、単花蜜であることの証明もある程度可能です。また、長年不明となっていた日本ミツバチの背につく白色の粘着質の花粉の種類も、この方法で判明するかも。
最近の中学校の理科の教科書では、花粉には花粉官とよばれるものがあり、 被子植物の受精の過程で、花粉から花粉管が長く伸長し、卵細胞のもとへ精細胞が運ばれることが必須であるとの記述が見られるようです。
花粉のプレパラートの作成には、①寒天培養地 ②精製水(コンタクトレンズの洗浄液が安くて良いそうです)③砂糖 が必要です。詳しくはネット検索すると作り方がわかります。
同行のY氏の持参の日本ミツバチの蜜を診断していただいたところ、この同定過程で、ほぼニセアカシアの単花蜜と推定されました。参考図書として、花粉の顕微鏡写真も種別に掲載されている書籍「蜂から見た花の世界」が大変参考になることを、参加者の方からお聞きしました。このような関連情報を得ることも研究会大会参加の醍醐味です。
❷ポスター発表 「日本ミツバチにみられる地域間の遺伝的分化」
誤ってなければ、凡そ次のような内容でした。
①全国に散らばる日本ミツバチの個体90を採取してDNAを解析する
②これは、最近日本ミツバチの全ゲノム解読が完了したため、比較することが可能になった(と言うことらしい)
③日本列島の各地域の日本ミツバチの集団間には明確な遺伝的差がある(ということらしい)
④集団は北部型 中間型 南部型の3つのグループに大別可能。(私たちの地域は中間型らしい。それにしても、中間型の標本は他の北部や南部に比べて格段に少ない)
以上のことから推測すると、やはり遠方への移動は、地域特性(遺伝的特質)を崩壊させることにつながり、生物多様性の維持保全の観点からも望ましくないとことなのでしょうか。
今回のもう一つのテーマである、「食の未来」の分野、蜂蜜酒(ミード)のセミナーは試飲付きで、強く惹かれたのですが、あいにくお目当ての他のシンポジウムと重なり断念、残念でした。
今回は食べ物に縁がないようで、飛行機に乗り込む直前に飲んだビールが、高度差のせいか悪酔い、食事もとらず、あっちウロウロ、こっちウロウロするうちに、メタボを少し上回っていた腹囲が、しぼんでいました。旅行で、体重が減ったのは初の経験です。
このQAで知り合いになった、なつかしいお顔を拝見して旧交を温めました。この欄を通じてお礼申し上げます。お顔を存じない方は、またの機会を楽しみにしています。