先日artemisさんを座長とする千葉県保護収容倶楽部(にわかの集まり)で収容してきた群を専用で作った巣箱に納めました。(収容の詳しい模様はartemisさんの日誌を参照してください)
巣を床丸ごと切り離して収容できたのは言うまでもなく家主さんの生き物に対する愛情があってこそでした。6月に営巣され近隣の住人の方々からのクレームを一身に背負って10月まで群を守り抜いてくださいました。
今の時期に押し込められた巣箱を気に入ってもらえずに逃去させてしまったら、群が路頭に迷うことが目に見えていましたので、巣箱の製作にはかなり気を遣いました。いわゆる採蜜を前提としない角胴巣箱です。運搬中に大きな巢板が一枚落下してしまったので、巢板を貯蜜層と育児層の境目で切断し、育児層は巣箱上部に棚を付けてその上に立て掛け、蜂球に巢板が接するようにしました。蜂球からアクセスしやすいようにすることで育児を滞りなく継続させたいと考えました。入っている蜂児が全て羽化したら露出巣脾になるので、時期を見計らって棚ごと撤去します。
貯蜜層は底板に立て掛け、蜂蜜を取りに降りるようにし、これもカラカラになったら撤去します。
収容作業2日目に吸引捕獲した蜂を巣箱に合流させる時に、弱った蜂が蜂球に合流しやすいように、上部に仮説の棚を設け、そこに蜂を乗せて合流させました。吸引した残り蜂の中には羽化間もない新蜂が多く、体力が限界に近い者も多かったので、1匹ずつ竹のピンセットで摘んで棚に乗せました。
この竹のピンセットは、金箔を貼る時に使う専門的な道具ですが、反発力が柔らかく面で掴むので蜂に優しく、とても使いやすいのでお勧めです。
巣箱内壁に斜めに溝が突いてありますが、これは当初は引き出し式の底板に落ちた巣屑が自動的に排出されやすいようにと考えたのですが、しばらくは巣脾の噛み落としが塊状のものが多いと予想されたので、6ミリの巣門スリットに引っかかり、巣門が封鎖されてしまうので、水平のオーソドックスな底板に変更しました。
問題が起きた時に巣脾の外科手術がしやすいように背面を全て取り外せるようになっているのですが、通常の内検では扉で開閉できるようにしました。
今日も元気に出入りしています。他所に行く気にならないように祈っています。