依頼を受けていた民家床下巣の移動作業を実施しました。
6月下旬Q&Aのユーザーさんから「質問欄に保護依頼が出ているが近隣の経験者でできないでしょうか?」とオファーがあり同県の私が調査に入りました。確認するとフローリングの部屋の押入れ下への営巣でしたが、床下へ潜り込むには押入れ床を切断しなければならない構造でした。移動させるにあたっては熟練者複数名が必要と判断、県内のはっちゃんさっちゃんさん、富里ミツバチ愛蜂家さんに協力をお願いしました。
作業の安全性、巣落ちの防止で夏の高温を避けることと、3名の日程調整で10月以降に実施することにしました。はっちゃんさっちゃんさんの発案で床板に付いたまま収容することとし、作業実施時の巣の大きさを想定しながら8月から準備に取りかかりました。
はっちゃんさっちゃんさんが引き取り手となり移動後に収容する巣箱を作成、富里ミツバチ愛蜂家さんが捕獲用の箱を作成、床板ごとの収容が不可となった場合の第2案で重箱へ巣板を吊り下げるためのホルダーの作成を私が担当しました。
作業日が10月30日に決まり、その1週間前に3名で2次調査を実施。カメラが入る大きさの点検口をあけて観察、堂々とした巣全貌が覗けましたが、予想外だったのはベニヤの床張りが数ミリの薄さであったこと、更には劣化による剥離がみられました。持ち上げた際に切断面から分離してしまう危険性が有でした。
2次調査での観察を元にはっちゃんさっちゃんさんが作業工程を設計、補強と切断の順序が詳細に練り上げられました。
作業1日目 10/30
富里ミツバチ愛蜂家さんが床下に入り補強と横に着いた巣板の切り離し、はっちゃんさっちゃんさんが上からの補強と床板の切断、持ち上げられる状態にして終了。ベニヤの剥離はボードアンカーで補強です。
作業2日目 11/ 1
床板に付いたままの状態で巣を捕獲箱へ。残り蜂を吸引。入りくんだ部分にも巣が作られ残り蜂の数多く、GM-2でのブロアー送風はバッテリーから12Vに換えフル稼働となりました。可能な限り吸引し移動先へ搬送。
作業3日目 11/ 3
前回作業で残った蜂を隙間の巣を切り取りながら吸引、室内に迷い込んだ蜂を含め全員を収容。床板の復旧。再営巣への対応は、通気性良い造りの床下のため完全に塞ぐことは困難、初の試みとなりますが、依頼主さんの了解を得て、再度巣を作った場合に簡単に持ち上げて移動出来るようにしました。
35kmの道のりを捕獲箱で搬送の際、巣板が1枚落ちてしまいましたが、蜂群のダメージは少なく、落ちた巣板も移動先の巣箱で密接させ収容してあります。
営巣している状態そのままに床板ごと収容は例を聞いたことがなく、今回初めての試みになりましたが、はっちゃんさっちゃんさんの入念で緻密な設計と、富里 ミツバチ愛蜂家さんの的確な捕獲箱の製作と巣の扱い、お二人の全面協力がなければなし得なかったことです。お疲れ様でした。ありがとうございました。
また、蜜蜂を理解していただき保護を選択された依頼主さん、作業もサポートしていただき感謝です。
収容時の動画が富里ミツバチ愛蜂家さんのインスタグラムで配信中です。