冬場のえさの消費量について大胆な仮定のもと推算してみました。
この推算方法は、餌の消費量=巣箱の放熱量と仮定します。
つまり、放熱で奪われた熱量をハチが運動することにより補い、さらにハチはハチミツによりエネルギー補給しているという仮定で逃げた熱量相当のハチミツはどのくらいになったかという計算です。
巣箱の温度分布は巣の構造によって非常に複雑になるため巣内の温度分布は考慮せず、
内壁温度を仮定して箱の厚さ・サイズ、外気による自然対流熱伝達によって決まる熱移動量を求めます。
そして、熱移動量とハチミツのカロリーから冬場のハチミツ消費量を推算します。
まず、巣内の温度がどうなっているか?という点については32℃とか夏場は36℃になっている、幼虫や蛹が生育するには35℃くらい、成虫が生きるには20℃必要、などなど内部の温度をどう仮定したら良いか迷います。
今回は内壁温度と外気との熱計算のため成虫が死なない程度の内壁温度になっていると仮定して20℃とします。
もちろん、巣の内部はもっと高温になっているかもしれませんが箱内壁は案外このくらいで省エネ運転かもしれないということです。
次に、外気温は日中の変動も地域差もありますが、東京の2月のデータ
http://www.data.jma.go.jp/obd/stats/etrn/view/monthly_s3.php?%20prec_no=44&block_no=47662
があったのでここからざっくりと5℃としました。
外気は5℃、内壁は20℃ということです。
外壁温度が分かっていませんが、無風の自然対流熱伝達(10W/m2K)として外壁温度も推算します。
次に、箱の放熱面積です。
厳密には内面の面積と外面の面積は違いますがめんどくさいので内面と外面の表面積は同じとします。
一般的であろう300mm×300mm、高さ180mm、厚さ30mm、
木の熱伝導率を0.12W/mKと仮定して側面と天井から放熱するとします。
放熱面積は3段仕様で0.738m2となります。
ここから熱移動量を計算しますが、
外面の自然対流熱伝達による熱移動量W=熱伝達率×表面積 ×(外壁温度 - 外気温度)
重箱断熱部の熱移動量W=木の熱伝導率/板厚×表面積×(内壁温度 - 外壁温度)
となります。二つの熱移動量は一致しなければならないのでそのように計算すると、
外壁温度=9.29℃
熱移動量=31.6W
となります。
カロリーに直すと
1日あたり653.1kcal
となりました。
ここからハチミツの消費量を求めます。
ハチミツのカロリーは100gあたり294kcal(googleでハチミツ カロリーで検索)とありましたので
1日に222g、30日だとおよそ6.7㎏消費することになりました。
あくまで仮定で多少多めに出てる気もしなくないですが、月に数㎏単位で消費するということが分かりました。
重箱1つでおよそ5㎏程度の採蜜ができるということで多少のパラメータによる前後はあるもののおおよそいいオーダーで計算できているんじゃないかと思います。
3段継箱、厚さ30mmで6.7kg 消費でしたが、
厚さを20mm、10mmと薄くすると断熱性能が低下し放熱量が増えるためハチミツ消費量は8.7kg、12.7kgのようにかなり増えますが、
逆に厚くすると40mmでは5.4㎏となりそれほど消費量は少なくなりませんでした。
この辺は経験的に30mm程度といわれている根拠かな?と感じました。