ヘギイタダニの駆除に、雄蜂巣房の撤去と、チモール剤。そしてここぞと言う時のアピスタンの他に、シュウ酸も使用している。
シュウ酸は使い方が二通りある。一つは何だか有名になりつつある、噴霧器を用いて昇華したシュウ酸ガス?を巣箱内に充満させる手法だ。熱源確保という課題があり、頭が爆発しそうになる駆除方法である。
これとは別に、シュウ酸を液体に溶かし、ビースペースに詰まった蜂めがけ滴下するという、これまたワイルドな使用方法がある。
・市販のダニ駆除薬ではない。現状、獣医師処方でしか手に入らない。
・蜂群規模に併せ投薬量を調節しやすい。蒸散材は弱群では扱いづらいが、こちらはあまり気にしなくて良い。
・優秀、もとい猛烈な駆除効果が魅力。フルバリネート耐性無しのダニへのアピスタン並みに効く…のだが。
・効果持続時間が短く、長くても2日程度。個人的には、1日持続すればよい方だと思っている。
・ミツバチは一見ストレスを受けていないように見えるが、それなりの負担がかかる。短期間に複数回、この処理を受けるような事があると、蜂群が酷く弱る。体に浸漬するシュウ酸の分解で内臓に負担がかかってしまうのではないかと思う(←ただの妄想、本気にしないで)。従って、使用できる一回で処理を終えねばならない。
・従って、ミツバチの群の状態に駆除効率がかなり依存する。有蓋蜂児が多い群に使用した所で、殆どのダニは難を逃れ生き延びてしまう事になりロクな駆除効果を発揮できない。
こんな群がある。群分割後、女王蜂が産卵を始めて間が無い群だ。蛹が出来上がっていない。この状態ならば、ヘギイタダニに逃げ場は無い、無いのである!シュウ酸で一撃必殺の効果が期待できる。
https://tawara88.com/assets/products/catalog.pdf
電子カタログ1P。投薬容器が複数販売されている。
僕が使ってるのはこちら。気分はヘギイタダニを撃ち殺すガンマン(笑)。腰袋に携帯できるよう、容器側は適当なボトルをドリルやグルーガンで適当に工作して作った、空気が抜ける穴が上部に必要。
ピストルみたいな形状をしている。滴下量を設定でき、引き金を引けば内部の薬剤を分注できる。そして離せば勝手に次のシュウ酸が正確に自動装填される。いちいち判断して測るという作業を省け、超楽ちん。
何も考えず作業できる。うっかりシュウ酸をかけすぎる事も無く安全。
と言っても、それなりの価格がするので、処理群数が多い人向け。もう一つの分注ボトルでも、注射器でちまちまやるよりずっと早い(経験済)。逆に、処理群数10群以下ならホームセンターの塗料コーナー等で注射器を買って使えば良いと思われる。
お隣の新王群。こちらは既に有蓋蜂児ができてしまっている。処理するタイミングを逸してしまった…もうヘギイタダニは安全なシェルターに退避済みで、こうなった上でシュウ酸を滴下しても大して意味を成さない。後日、別のダニ駆除を実施せねばならない。