これは個人的に1ヵ月前に行ったトライです。 日誌に上げるつもりはなかったのですが、私が尊敬する方が関心を持っていらっしゃるので、私の備忘録としてアップします。
きっかけは 2年半ほど前に、畑のサニーレタスにニホンミツバチが入れ替わり飛来して、新芽を齧っているのを目撃したことです。 … 葉の縁が黒ずんだ部分もミツバチに齧られたものと思われます。
生長点である新芽が傷つくと その株はほぼダメになってしまいますので、最初は“レタス保護”のために、でも新芽は与えられないので、葉の欠片を底板上に投入してそれで我慢してもらおうと思いました。
投入したレタスの葉への反応は、群によって異なります。 ❶ちびっ娘達が群がってむしゃむしゃ齧り尽くすこともあれば、➋清掃係が早々に巣門外に搬出したり、あるいは❸全く無関心ということも。
❶については、最後にぐちゃぐちゃになった葉脈が排出されますが、齧ったものはカスとして残らないので、摂取していると思われます。 ➋では毛嫌いしているように思われがちですが、これはまだ齧る蜂さんが少ない時に 責任感の強い清掃係さんが“巣箱内の異物”と認識して、本能で搬出すると考えられます。 … 多くの場合、搬出されたレタスの葉にしがみついて しぶとく齧っているちびっ娘を見かけます。 最後に❸ですが、私のこれまでの経験では、イマイチ元気のない群です。 一方 ❶及び➋は健常で元気な群です。
2年ほど前からは レタス投与は、給餌というより群の元気度チェッカーとして使っていました。
その後、二ホンミツバチがオオスズメバチシーズンに 臭い消し成分摂取のため、ツユクサなどの葉を齧りますが、葉全体を齧るのではなく、主に外周部を齧ることを確認しました。 自分の中では これはほとんどの植物では、光合成を行う重要な葉を害虫や動物から守るために、葉脈間に散在させている『シュウ酸カルシウム』の結晶を避けているためだと考えました。 … 『シュウ酸カルシウム』は 人間も“えぐみ”として感じ、嫌う人が多いですよね。
それがレタスの葉投与では、含有量は少なくても、『シュウ酸カルシウム』が存在する部分を摂取しているので、「シュウ酸ガス」を当てるのと比べたら効果は雲泥の差。 アカリンダニのメインの対策にはなり得ませんが、わずかでも効果があればと、「メントール」、「ショートニング」に加えて 「カンフル剤効果」も期待して、たまにレタスを与えています。
今年は1ヵ月ほど前に投与しました。 (冬場は小さな欠片にして巣門を極端に狭めない配慮が必要です。)
2片を投与したところ、3日後に葉脈クズが放り出されました。 次に第2ラウンドでは、一方の欠片はほどなく巣門前に搬出されました。 下の写真のように、諦めきれずにしがみついて齧っている個体がいます。
二ホンミツバチが何(どんな成分)を求めてレタスの葉を齧るのかの解明は、筑波大学さんに任せるとして、レタスの葉を齧ることで、結果的に微量でも「シュウ酸」を摂取させることができるならば、より『シュウ酸』の含有率の高いものを齧らせれば 効率的!? と思いました。 ただ、動物が嫌う物ですから 多分齧らないだろうと推測しました。 また試すにしても、嫌がるものを強要して 唯一群にサヨナラされるのはまずいので、冬場でかつ分蜂しそうな状況を確認した1ヵ月前に試食会を実施しました。 〔以下は参考にしたネットによる 食品のシュウ酸含有量情報です。〕
その辺に生えているものでは、①チャイブ と ②ニラ が *レタスの4倍強あるので、まず投与してみました。 ⇒ 結果は共に1日で巣門前に排出されました。 齧った形跡も見られず、しがみついている蜂さんもナシでした。 ①も②も シュウ酸量が多いのと、細長い形状なので、齧りにくいが故に、搬出されやすいと思いました。
次に試食してもらったのは *レタスの3倍程の ③ホウレンソウ です。 2日後に1片が搬出されましたが、中に残った1片も共に少し齧られた形跡がありました。 ⇒ でも齧り尽くされることはなく、乾燥してショリショリになってしまいました。
以上より、シュウ酸を摂取させる目的で植物の葉を齧らせるのは、現実的ではないという結論に至りました。 ただ『レタス』については、何か欲しがるものが含まれているようですから、たま~にの給餌は続けます。