4月末にお墓に営巣されたニホンミツバチの巣を撤去して欲しいと言う依頼をいただきました。無償で作業させてもらうことを条件に、現場を拝見したりメールでやり取りしてきて、先日最後の現場確認をしに行きました。私の仕事仲間を連れて行き、どうやってこのお墓を動かすか、検討したかったのです。将来的にお骨を入れる予定の無い、古い御先祖のお墓であったため、カロートの入り口はなく、基台の石を動かす必要がありました。その際に石に傷を付けるリスクがあったので、作業工程を示して、万が一破損しても責任を負わないことを承諾をいただく必要がありました。しかし、それは、そんな想定はあり得ない、してはいけないことだと、私は現場で思いました。ミツバチは可愛い。守ってやりたい。でも、御先祖さまのお墓に傷つけてまでやる事ではないと思ったのです。蜂の命よりも先祖の墓石の方が大事です。自分の家の墓石なら気にせず解体しますけど。。。
薬品を使って蜂を追い出す案を提示し、残された蜂児は犠牲になるがそれは仕方がない、女王を含む群が逃去して、今なら新しい巣をどこかに作ってたくましく生きていけるであろうことをご説明しました。後依頼主の奥さんは心を痛めていましたが、それがベターな選択だと思っていました。
ところがそこに、この群を駆除したいと言っていたこの家のご主人のお爺さんが登場しました。虫が嫌いで、大切な先祖の墓に勝手に住み着くことを許さないと言うことでした。ところが、私の問題解決の方針をご説明していたら、それほどの大きな被害があるとは考えにくいので、このままここで住まわせることを承諾しても良いと言い出したのです。
可愛い嫁と孫が蜂を殺さないで欲しいと懇願していたからでしょうか。これこそが「仏心」であると思い、私は涙が出そうになりました。立派な家長です。そして、なんとか手を尽くして群を保護することはできないものかと奔走した奥さんの優しさにも感動しました。
気さくで優しい奥さんが、帰るときに手作りの素晴らしいプレゼントをくれた。
思い出に残る宝物にします。メデタシメデタシ
以下の動画、、、最後の方に私の仕事仲間の親友(蜂は飼っていない人)が呟く台詞と私の相槌が笑えます。
今後、この群の成長の過程を見学させていただきたいと思っています。