約9か月に渡り巣箱内温度を測った事がある。下の写真はその時のグラフ。
2021年4月から2021年12月31日まで、毎日午後2時前後に測定。
場所は、みつばちレストラン(千葉県九十九里平野 海抜7mの田園地帯分譲地)
重箱式と丸洞。
9か月の内、最高温度は37℃~38℃であった。
そして、本日2023年8月16日から17日に測定したもの。
黄色が営巣中の丸洞、連結群で常時35℃前後、今夕は37℃位になるだろう。
白いグラフが蜂蜜にみたてた水でペットボトルに7ℓほどを丸洞内部に入れた。
赤は水を入れていない空の丸洞なので日格差が大きくなるだろう。
水を入れた、所謂蓄熱材の多いものほど曲線は緩やかになり、遅効性が現れる。
下のグラフは2022年と2023年の7月・8月の最高気温。
押しなべて千葉県の最高気温は35℃位になっている。
この先、時代が変わって最高気温が40℃が常時発生する悪い地球にならない前提で以下、結論する。
押しなべて、千葉県の最高気温をこれからも例年35℃位とするならば、丸洞の内部温度は38℃になるのが最高と予測され、それも一日の内の数時間なので巣板が軟弱にはならないと予測する。
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衆知となっている育児温度は35℃程だが、空の丸洞は最低温度位から最高温度位の間で移動する。
営巣して貯蜜が出来てくると蜂蜜は比重1.4なので蓄熱性は水よりも優れており、育児部の35℃と気温に影響され空の状態よりも高くなるだろう。
日本みつばちは育児部を温める能力は優れていると思う。
育児部が35℃に満たない場合には飛翔筋を振動させて温度を上げる。
それをしなくても外気温や蓄熱された蜂蜜などで35℃になっている場合には、働きバチの居場所を分散させたり、巣箱の外に出て巣箱内温度が上昇しないようにしているだろう。
扇風行為や水の拡散による冷却効果についてはまったく分からないが、大きな結果にはなっていないだろうと推測している。
日本みつばちは冬の寒さには貯蜜がある限り飛翔筋をつかって越冬に必要な温度までは上げるだろう。
問題は夏の暑い時期に36℃位までなら大丈夫だが、万一38℃或いはそれ以上になっていたら、危険な状況と思う。
しかし、板厚の厚い巣箱で適度な木陰に巣箱を設置するかぎり内部温度が38℃以上になる事はそんなに無いだろう。
38℃が長時間である条件は少ない。
瞬間的に蜂が騒いだりして38℃になったとしても大した問題にはならないだろう。
手の温度36.2℃で何時間ほど巣板を温めていたら巣板が変形するかはまだ実験が完了していない。
とりあえず、ここまで。