一切干渉しない、アカリンダニに侵されようと児出しが始まろうと、そのまま手を出さずに観察だけ続ける丸胴巣箱です。入居が確定したら風速60メートルに耐える補強をして、あとはそのままにします。スズメバチが侵入できない巣門にしてあります。
待ち箱にはサイズがデカすぎて使えない立派な丸胴を入手。以前からやりたいと思っていたことでした。直径60センチ、高さ80センチで、中が大きく抜けている上物でした。樹種は不明。今後このような丸胴を見つけたら加工し、地域に設置して行きたいと思っています。
今回の設置場所は夢のようなブルーベリー農園、広大な敷地を一切除草剤や農薬を使わないで、たった一人で開墾から現在まで行っている孤高の農業家です。口癖は「草との戦いだ!」です。ミツバチの巣箱を置かせてくださいと言ったら大歓迎ですと喜んでくれました。
巣屑は下のコンクリート枡に落ちて地面で分解されます。丸穴はミツバチも通れないトリカルネット張りです。
内部は鉄砲虫の道が入り乱れていて表面積が多い。
コンクリート枡は3方を開け、2個はトリカルネットをフィックス。残りの1個は開閉式にして、撮影できるようにしました。
上部のステンレス棒にスノコを落とし込み、天板まで2センチの空間を作って、天板は珪藻土お風呂マットを採用、湿気を放出します。換気口は設けません。
珪藻土マットは木口に蜜蝋を染み込ませ、設置する時にシリコンでシールします。
唯一の巣門。格子の間隔と床の隙間は全て6ミリです。
屋根を付けて完成。天板と屋根の間の空間には、冬季になったらコモを突っ込んで保温するつもりです。
テーマは「スズメバチが絶対に入れない自然巣」「巣門以外は完全封鎖、スムシが上からは侵入できない」です。珪藻土パネルを使って湿気対策しましたが、このシステムが有効かどうか検証していきたいと思います。巣脾はスノコから下に作られますが、蜂が生活することで天板に少しずつ蝋分が付着し、珪藻土の通気性が弱くなっていく可能性はあるかもしれません。逃去もしくは消滅したら解体し、珪藻土パネルの内側を調べたいと思います。