投稿日:2022/8/16 10:22, 閲覧 339
改めて読んでみると養蜂のテクニックが書かれている。 良い手引書であり師匠だ。
日本財団図書館で対馬養蜂を検索
https://nippon.zaidan.info/seikabutsu/2001/00727/contents/00023.htm
以下は抜粋、コピーペースト
1986年、ドイツのルットナー博士は、形態学的な検討から、ニホンミツバチの中に本州型と対馬型があることを述べている。
さらに、1997年に遺伝子多型解析法によるミトコンドリアDNAの分析で、対馬のニホンミツバチは、その位置関係によっても韓国に近いものであることが明らかにされている。
対馬養蜂の歴史については、古くは元禄年間に書かれた陶山訥庵(1657~1732)の「津嶋紀畧乾」に「養蜂は継体天皇(507~531)の頃、太田宿称が山林より巣をとって飼育する方法を村人に教えた」という記録があり、対馬でかなり古い時代よりニホンミツバチが飼養されていたようである。
江戸時代になるとかなりのハチミツが生産され、朝鮮使節への差し入れ、将軍、諸大名への進物にハチミツが用いられていた記録が対馬藩日記などに残されている。
対馬の伝統的巣箱は、「ハチドウ」、「ハットウ」、「ドウ」と呼ばれる蜂洞である。
蜂洞の樹種は様々で、ヒノキ、スギ、クロマツ、ハゼノキ、ヤマザクラ、ケヤキなどであるが、ハゼノキが材としては一番良いとされている。
最近では入手しやすく、加工が容易なヒノキ、スギが使われている。
それらの材を直径28~47cm、長さ54~92cmに切り、樹皮を剥ぎ取って中央をチェンソーやノミで16~26cmほどにくり抜いた円筒形の丸洞が主に用いられている。
くり抜いた筒の上部に蓋を付け、下部に穴や溝を掘り、ミツバチの出入口となる巣門を付ける。
穴巣門はドリルで直径1~2cm前後の穴を3~20個あけている。
チェンソーによる溝巣門は、幅0.9~1.5cmで長さ8~15cmの溝を2~5五本取り付けている。
洞によっては穴と溝の両方を組み合わせているものもある。
重箱式も一部ある。
空洞は巣門を南か東向きにして(待ち受ける)設置する。
その他の害虫としてハチノスツヅリガの幼虫で、巣板を食い荒らすスムシがいる。
袋状の白い繭を造るため「フクロムシ」とも呼ばれている。
このスムシの繁殖によって蜂洞の巣が食い荒らされ、蜂群の逃去が起こることが問題の一つである。
その対策として蜂洞の底に堆積した巣屑を掃除し、スムシの幼虫を除去することが行われている。
{分蜂}
山野部に配置した空洞に分蜂群が入った洞は、そのまま山野部に置くか、家の周りへ移すことが行われる。
山野部に置くのは採蜜量が多いためであるが、家の周りに移すのは、管理が便利であると同時に、分蜂群の捕獲が容易にできるためである。
{強制捕獲}
竹籠のテボの口には、長めの黒い布が付けられている。分蜂群を素手か、シャモジなどを使って入れ込み、布の裾を結んで木陰になる枝にぶら下げておき、夕方に蜂洞に入れ込むのである。
{採蜜}
対馬での採蜜は秋ソバの開花後の十月中旬から十一月上旬に一回行われるのが一般的である。
おっとりの注記:蓋は落し蓋になっている
和歌山県や奈良県での採蜜は六~八月であるのに対して、採蜜は晩秋にかけて行われる。
これは熊野地方では二~六月の初春から初夏にかけてウメ、アセビ、ヒサカキ、サクラ、レンゲ、シイ、トチノキ、クリ、カキなどが蜜源になっているが、対馬では三月~七月のツバキ、ヤマザクラ、シイ、カエデ、センダン、ハゼノキ、クリ、ネズミモチから、八月~十月のヌルデ、クズ、モッコク、アキニレ、カラスザンショウ、そしてソバを蜜源にしているためと思われる。
おっとりの疑問:和歌山などでは6月~8月の暑い時期に採蜜をするとは? 巣落ちは?
蜂洞にセイヨウミツバチで使われている継箱と同様に貯蜜用の「継ぎ洞」を乗せた改良型もみられるが、一般的には蜂洞上部の巣板を切り取る方法である。
似ている、どちらが先に丸洞の上に丸洞を載せたか?
採蜜時に蜜の匂いに誘引されて蜜を盗みにくる盗蜂を防止するために、採蜜は夕刻に行われる。
蜂洞の蓋を軽くたたき、ハチを洞の下方に移動させる。
ハチは下部の巣門周辺にあふれ、上部の単板部分には全くハチがいない状態となる。
専用の「蜜切り刀」で上部の巣板を三分の一ほどを切り取る。
この方法では蜜のたれ落ちを防ぐことはできず、翌日になっても盗蜂が飛来して大騒ぎになることがある。
巣板は蜂洞の側面や単板と巣板が付いたりして支えられている。そのため、注意して切り取らないと巣板が取れ落ちたりする。
8月4日 7時16分に確認 6月26日に採蜜後中心部が陥没した。
蜜のたれ落ちは採蜜時の悩みであるが、それを解消するために蜂洞を横転する方法が用いられている。
蓋を軽くたたき、ハチを下方に移動後、蜂洞を横転させる。
一人が下方を持ち上げて支え、もう一人が容器に蜂洞上部の単板を切り取るようにして入れる。
この方法で蜜のたれ落ちは防止することができ、また採蜜作業も手早く行うことができる。
切り取った上部の空間部分には、再び巣が盛り上げられ、一年後の採蜜時期には蓋の下まで単板が造られる。
採取された蜜巣板は、ザルの上に置かれた晒の上に入れ、その上で細かく砕き垂れ蜜を一昼夜かけて採取する。
対馬のハチミツは、貯蜜時期が長いため巣内で濃縮、熟成が十分に行われる。
蜜源植物の種類も多いため、いろいろな花の蜜が混ざり合った、独特な風味を持つ濃厚な味となっている。
生産されたハチミツは、市場には全く出ず、ほとんどが知人やくちこみを通じた島内販売や自家消費に使われるため、なかなか入手できない貴重品である。
対馬では、蜂量、貯蜜を考慮して巣板を切り取り、採蜜方法に改良を加えながら蜂群を維持している。
十二年間、絶えることなくハチが生息している蜂洞もある。
またニホンミツバチに大きな被害を与える害敵がいないことがニホンミツバチの生息密度や個体数の維持を保ち、そのために養蜂環境が維持されてきていると考えられる。
おっとり
千葉県
ワバチが棲みたくなる洞をつくる。
侠客岛のボーダー
滋賀県
書籍しか無かった時代とネット情報・動画などが豊富な今、趣味のミツバチ飼育がとっても身近なのでしょうね、飼育放棄や無責任な気まぐれ飼育にならない様に、楽しませても...
丸洞ゴーラが簡単に手に入る人は少ないですが、日本ミツバチはゴーラが大好きですよね。
2022/8/16 11:11