投稿日:2/8 05:19, 閲覧 377
日本応用動物昆虫学会誌 から アカリンダニの移動
ミツバチの巣箱には15種類位のダニが居るとの事。
アカリンダニは0.1mmだが何か動いていたら、それはアカリンダニだと決めつける事はできなかった。
やはりアカリンダニなのか、他のダニなのかは顕微鏡で精査しないと分からない。
https://agriknowledge.affrc.go.jp/RN/2030893105.pdf
以下は抜粋、詳細は↑のサイトで閲覧可能。
成体となったダニは気管内で交尾し,交尾済みメスのみがセイヨウミツバチの第一気門を通じて気管外に移出する.
アカリンダニがセイヨウミツバチ気管外に出てくるのは,この時だけである(Sammataroand Needham, 1996).
交尾済みメスのミツバチ気管外への移動は,寄生後 13日目に始まり, 15~ 24日後に最も多い(P出 1sand Wilson,1996).
ダニのミツパチ個体聞の移動の 85%はミツバチの活動性が低下する夜間に行われる(Pettiset al., 1992) . ミツバチの気管外に出たダニは ミツバチの胸部の毛の先で待機姿勢をとり,他のミツパチの毛や遡が接触した時に新たな宿主に移動する(Hirschfelderand Sachs, 1952).
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通常,セイヨウミツパチの気管外に出たアカリンダニは,気温や湿度,栄養状態にも よるが,新たな ミ
ツバチの気管に辿りつけない場合は,数時間で死亡する(Hirschfelder and Sachs, 1952).
ミツバチは安静時には第一気門を開閉して呼吸しており(Bailey,1954), アカリンダニはこの呼吸により生じる空気の流れと振動に誘引される(Hirschfelderand Sachs,1952). まず麹の基部に辿り着いたダニは,胸部の第一気門に進入する(Royceet al., 1988) .ダニはすでに寄生された気管よりも未寄生の気管を好む(Gary and Page, 1987) .
また,新たな宿主として羽化後 24時間以内の若いセイヨウミツバチを選好し, 4日目以降のミツバチに寄生することはまれである(Lee,1963; Gary et al., 1989; Phelan et al.,
1991).老齢のミツパチが寄生されないメカニズムとして,気門周辺の剛毛が日齢とともに硬くなり ,ダニの侵入を防ぐと考えられたが(6rosi-Pal, 1934; Sachs, 1958), 実験により否定された(Lee,1963) .その後,若い蜂への選好性は若いミツパチに特有の炭化水素への反応によって生じることが明らかになっている(Sammataroand Needham,1996).
無事に新宿主の気管に潜り込んだメスは,最初の 16日聞は約 0.85個/日の卵を生み 24日目に気管内のダニ数は最大となる(Pettisand Wilson, 1989; Pettis et al., 1992) .その後,春は約 40日, 夏は約 55日,秋は約 70日のセイヨウミツバチの寿命の前に次世代のダニが分散し, 気管内のダニ数は急激に減少していくが(Pettiset al., 1992) ,
親メスは再び気管外に出ることはない(Gary and Page,1987).一方,冬はミツバチの寿命が 120日以上になるが,との間次世代のダニは生産され続ける(Pettisand Wilson,1989).
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セイヨウミツバチにおけるアカリンダニ寄生率は冬に増加し,夏に低下する乙とが多い(Morisonet al., 1956; Bailey, 1958; Otis et al., 1988;Dawicke et al., 1992).ニホンミツバチでも同様に, 6月頃アカリンダニ寄生率が低下し, 10月頃から寄生率が増加する(Maeda,2015).アカリンダニに寄生されたセイヨウミツバチコロニーで見られる症状は ニホンミツバチでも同様に見られ,最も典型的な症状は, Kウイング,俳佃,冬期のコロニー消滅である.以下にそれぞれの症状について述べる。
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アカリンダニ寄生個体の 10%程度が Kウイング症状を示し, ウイング症状を示す個体の 40%がアカリンダニに寄生されていなかったという例もある(Maeda2015).
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2.2 俳 個
アカリンダニ寄生率が高くなり重症化すると,セイヨウミツパチでもニホンミツバチでも同様に,巣箱の周囲半径数 m を飛朔できずに移,;個する働き蜂が増加する.
実際には数 m飛んだ後に俳個する個体も多く,半径!Om程度の広範囲で、俳個蜂が見られる.しかし,アリなどの捕食者に捕食されたり,風で飛ばされたり,草の聞にまぎれるなどして目立たない場合も多い.アカリンダニ寄生ニホ ンミツパチコロニーをコンクリー卜床の網室に置くと,非常に多くの俳佃蜂が巣箱の外で死亡している ことがわかる (第 5図).このような俳個症状は 寄生率が高まる秋~春に多く見られる.
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さらに,アカリンダニの寄生によって 気管だけでなく飛朔筋もダメージを受ける(Liu,1990; Komeili and Ambrose, 1991).
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例えば, 10ー12月のアカリンダニ寄生率が第 6図 巣箱内で死亡したニホンミツバチ.巣箱内の底面部には,冬の聞にミツバチがかじり落とした巣屑が推積するが,アカリンダニに寄生されたコロニーでは,巣
屑に混じって死亡したミツパチが多く見られるようになる.
第 7図 ミツバチ数の減少により凍死直前のニホンミツバチコロニー.巣板には大量の貯蜜が残されたままで,多くのミツノTチが巣房に頭を突っ込んで、いる.30%を超えると越冬時の死亡率が高まり,寄生率が 60%を超えると翌春までのコロニーの死亡率が 70-90%になる。
下の写真はラオス2号基の底の画像。
確定的とは言えないまでもこの群はアカリンダニ寄生を疑う。
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冬期に全滅したアカリンダニ寄生コロニーに特徴的な点として,多くの貯蜜を残したまま全滅することが挙げられる(第 7図).
健全なミツバチでも越冬に失敗する場合があるが,その原因のーっとして,貯蜜が不足する“蜜切れ”がある.
しかし,アカリンダニ寄生コロニーでは蜂球のすぐそばに十分な貯蜜があるにも関わらずコロニーが全滅し,蜜切れによる消滅とは区別することができる.
冬の低温期,健全なミツバチコロニーは蜂球を作り,飛翻筋を使って発熱する乙とでコロニーの温度を保っている
( Owens, 1971 ; Kronenberg and Heller, 1982 ; S匂bentheineret
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100m以内にあるニホンミツバチのコロニーでは 1年以内という短期間でアカリンダニの水平移動が起こっていると考えられる。
おっとり
千葉県
ワバチが棲みたくなる洞をつくる。
おっとり
千葉県
ワバチが棲みたくなる洞をつくる。
れりっしゅさん おはようございます。
2年も前からこの論文を目になさっていたのですね。
アカリンダニについては無策できましたが、実情を知る事は良い事だと思い勉強しだしました。
コメントをありがとうございます。
2/9 04:26
おっとり
千葉県
ワバチが棲みたくなる洞をつくる。
niyakeodoiさん おはようございます。
外来種(ここではセイヨウミツバチ)を持ち込む時点では在来種に及ぼす影響を精査すべきところを時代の要請と利益追求の結果が多くの犠牲を生み出していると思います。
後手に回ってしまう事がこれからも常でしょう!
どうしようもない現実に悶々としております。
これからもご指導をよろしくお願いいたします。
2/9 04:32
おっとりさん 現在の処、アカリンダニに対しての決定的な予防法方が無いのが実情です。・・・体に付着した異物を取る行為を総じてグルーミングと言い、単独で行うのが「セルフグルーミング」お互いに取り合うことを「アログルグルーミング」と云う。セルフグルーミングは、踊っているようにも見えることから『ダンシング』とも呼ばれる。西洋ミツバチは、ヘギイタダニへの抵抗性(アログルグルーミングを行う行為)が少ないため深刻な事態を招き易い。元来、ヘギイタダニは東洋ミツバチが寄主だが、東洋ミツバチがヘギイタダニによって滅ぶ事は、まず無い。其れは、アログルグルーミングを頻繁に行っており、西洋ミツバチの3倍以上のグルーミングを行っていることが強さの理由づけとなる。一方、元々アカリンダニの寄主は、西洋ミツバチで寄生に関しては、西洋ミツバチ(ロシア系・イタリア系統)と比較すると東洋ミツバチはセルフグルーミング(抵抗性)が低いため、コロニーが消滅することが少なくない。
2/8 17:27
おっとりさん こんにちは。
私が今回、アカリンダニ寄生の一年生として、色々足掻いておりますが、2年前に、この研究論文の英字版と出会い、そこから、日本語を辿り、そして、アカリンダニの研究が、莫大な費用を国から?支援されて実施されていたことを知りました。
何故、それなのに、いつになっても、日本ミツバチに対するアカリンダニの寄生被害が国から認められないのかと、実は、その頃、直接質問を送らせて頂きました。
そして、研究された方々からも、声を大にして、国が動くように働きかけて欲しいと、大それた意見をお願いしちゃったのです(;^ω^)
とても誠実に、真摯に受け止めてくださいました。その後も、Bee-Projectが、全国規模の調査をしたり、研究者様たちは、ご自分達の長所を生かして、日夜、脇固めをされていらっしゃる。
この研究の時に、日本に住む西洋ミツバチは、アカリンダニをグルーミングで上手く払う事ができ、日本ミツバチは、払う事が苦手で、だから、日本ミツバチの方が犠牲蜂が増大しているのだと、それも公開した重要な情報だったと思います。
その時の実験には、つまようじの先に、人の睫毛をくっつけて、その睫毛の毛先で、飼育したアカリンダニを拾い上げ、ミツバチの背中に乗せて、様子を観察したと、公表されています。
その頃、ダニが居たら、睫毛の引っかけ棒を作って、試してみよかと思って居ましたもの。
農文協からの文献にも出ていましたが、アカリンダニが寄生したいのは、羽化してから4日未満の若蜂のみだという事も書かれています。9日以上経った蜜蜂には、殆どと言っていい程寄生しないそうです。
39℃~42℃で、アカリンダニは死滅するという事も、そこに書かれていましたよ。 とても、勉強になる研究論文ですね。
2/8 16:51
おっとりさん 素晴らしいデータを 見せていただいてありがとうございます ただ、ただ 感謝いたします。(おっとり博士の素晴らしい出番でした)拍手拍手
2/8 21:13
れりっしゅ
千葉県
南房総鴨川でティーハウスをやってます。初めての巣箱を2021年3月中旬から設置し、漸く3年経ったばかりの駆け出しです。専門用語も殆どわからず、兎に角試してみよう...
モリヒロクン
千葉県
79の遊び事好きジイです、年金生活者で 毎日が 日曜日です。メバル釣り 山菜採り 茸採りなどが 大好きです。犬も好きです。日本の山を 雑木林に変えたいなあ?
niyakeodoi
島根県
家敷内と畑とで4群を管理していますが、増せば心配の種も増えるので5郡くらいに留めておこうかな~と思っています。・・・知らんけど!!