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ニホンミツバチ
⑧B ミツバチ研究支援サイト(No2)  読書完了

おっとり 活動場所:千葉県
ワバチが棲みたくなる洞をつくる。
投稿日:2020 2/25 , 閲覧 373

「生殖行動」

未交尾女王バチを、気球に乗って追跡、高感度カメラを設置。

羽化後12日ほどして成熟した雄バチが、drone congregate areas (DCA)で待機。

地上からの高さは 10-40mぐらい、30~200mほどの広がりをもっている。

雄の飛行集団も一箇所ではなく、移動することがある。

集団の数は、数百匹に達する。セイヨウミツバチの場合、この雄が集団飛行する場所は毎年決まっている。

晴天の日の午後。

羽化後1週間ほどの女王バチが飛んできて、何匹かの雄と交尾した後、巣に戻る。

この時、雄バチは、「女王バチ物質 」に誘引されて、女王バチを追跡する。

この1回の飛行に要するのは、数分から1時間程度である。

女王バチは交尾飛行を、体内の精子を貯留する器官(貯精嚢)が一杯になるまで数回続けるが、それが終わると巣を出ることはない。

交尾した雄バチは、生殖器官を引きちぎられるため、空中で死に至る。

{童貞の}雄バチも、秋には用済みとなり、巣外に追い出されて死ぬ。

空中で交尾するのはミツバチだけで、マルハナバチ、アシナガバチ、アリなどは地上・葉の上で。

女王バチは、1回の交尾飛行で数匹の雄バチと交尾し、数日間続けるので、10匹程度の精子を貯留する。

女王バチは、交尾ごとに体内に入った雄の精子の大部分を外に出して、一部のみを体内に残して、次の雄を受け入れる。

こうした女王バチの交尾行動の機会は生涯に1回だけ。

交尾飛行から戻った女王バチは、数日してから卵を産みはじめ、生涯それを続ける。

女王バチの受精嚢に蓄えられた精子は約60万個の卵を産める。

受精卵である雌バチ(女王バチあるいは働きバチ)を産む時には、数個の精子が使われる。

女王バチは2年から5年ほど生きるが、精子はその間、機能を保って保存されている。

女王バチは、それらの精子を使って毎年平均20万個の卵を産む。

とくに夏季には、毎分1個ないし2個、毎日1,000から2,000個の卵を産んでいく。これらの卵の総重量は、女王バチの体重に匹敵するほどである。

ミツバチの交尾行動を知ることは、人工授精技術開発の基礎になる。

Susan Cobey は、200~300ほどのコロニーから来た、10,000~25,000匹の雄バチが集まり、女王バチは平均10~20匹、場合によっては60匹の雄バチと交尾すると書いている。

実際にどのくらいの雄バチがDCAに集まるかは、その地域の養蜂状況によるであろう。


「性決定」

女王バチになるか働きバチになるかは餌の違いによって決められる。

遺伝的には働きバチと女王バチは同じである(異父姉妹の可能性はある)。

未受精卵は雄バチとなる。

女王バチが未受精卵である雄バチを産む時は、雄バチ用の大きめの 巣房の中に卵を産むが、稀に働きバチ用のやや小さな巣房 にホモの受精卵を産むことがある。この場合の受精卵は、2倍体の雄バチに成長できる潜在能力がある。ところが、実際には例外なく72時間以内に、働きバチに食べられてしまう。働きバチのこうした行動は、おそらく2倍体雄の幼虫が分泌する独特の物質に誘引される結果だと推察されている。


「産卵と子育て」

女王バチは、1つの巣房の中に1個ずつの卵を産んでいく。

卵は4段階の過程を経て成虫となる。

①卵:女王バチは、粘着性の物質を分泌して、1.3-1.8mmの卵を清浄な巣房の底に貼り付ける。

②幼虫 :3日後に卵は側面を曲げて、底に沿った幼虫となる。

開いていた cell の口は古い多孔性のワックスで閉じら蛹となる。

③蛹(さなぎ)

④成虫:働きバチが入り口の蓋を真ん中から食い破って、新しい個体を外に出す。

この際、女王バチと雄バチの場合は、中からも蓋の外側を破ろうとする。


全成育期間は、女王バチが16日と最も短く、働きバチは21日、雄バチは24日である。{西洋みつばち}

働きバチの頭部にある分泌腺から出るローヤルゼリーを全員に与えられる 。

途中から働きバチと雄バチには花蜜と花粉に切り替わるが、女王バチにはその後もローヤルゼリー が与えられる。




「巣房の利用戦略」

巣房は、住居、子育て、蜂蜜の生産と貯蔵、花粉の貯蔵などだけでなく、コロニーに特徴的な識別情報の発信や、病原体の防御、通信基盤などとしても使われる。


花粉を貯蔵する巣房は蓋がされない。

花粉は少量の花蜜と混ぜられて、強く圧縮されて塊か、粉状になって貯蔵される。


花蜜を蜂蜜に変えるには、蒸発を伴う濃縮過程が必要である。

それが適切に行なわれると、巣房の蓋はワックスで閉じられる。


コロニーは夏に30kgほどの蜂蜜を産生する。

それらは主に、食料としてではなく燃料として利用される。

その意味は、子育て室にあたる巣房の温度が摂氏35度に維持されなければならないため、働きバチがヒーターの働きをするからである。

働きバチは、蜂蜜を摂取することで、普通は飛翔に使う胸の筋肉を、飛行目的にならないように激しく振動させることができ、その時生ずる筋肉の熱を子育ての室に伝える。

こうした行動には、筋肉を振動させて熱を発生させられる、効率のよい食料が必要であり、蜂蜜はこの目的で摂取される。


「巣内の領域」

子育て室は巣板の中央にあり、それに隣接した巣房に花粉がつめこまれる。

これは子育てする働きバチにとって便利な位置にある。

それ以外の巣房は、蜂蜜で満たされていく。

マルハナバチ、ハリナシバチ、アシナガバチなど同じ社会性のあるハチの仲間は、一つの巣房は一つの目的にしか使わないが、ミツバチは、状況によってどの巣房も、子育て、花粉貯蔵、蜂蜜貯蔵の目的に転用している。

コロニーが一夏で、巣に 30kgの蜂蜜を蓄積するためには、花への採取に出掛ける働きバチが、毎回餌袋を満杯にして帰ってくるとしても、750万回もの飛行を繰り返さなければならない計算になる。その総距離は 2000万kmで、これは地球から金星までの距離の半分に匹敵する。

この時、ミツバチが運ぶ花蜜の量は 40mgで、これは彼らの体重の半分に相当する。

ひとつの巣房に貯蔵できる花蜜の量は1gであるから、それには 25回の採餌飛行が必要である。なお、花蜜の糖分は 40%であり、蜂蜜のそれは 80%なので、濃縮が必要である。

{他書で若い働き蜂のくちゅく(*´ε`*)チュッチュで糖度が上がるらしい}

花粉の採取飛行では、普通 15mgの花粉を、後脚の花粉かご pollen basket に保持して運んでくる。

コロニーが1年間に採集する花粉は 20~30kgである。

一般に、女王バチは、育成中の子供がいる巣房の近くの巣房に卵を産み付けていく。

また、花蜜の搬入量は、いつも花粉の搬入量より多く、蜂蜜が巣房から取り出されて使われる回数は、花粉のそれより頻繁である。

子育て中は近くの巣房を遠くの巣房の10倍利用する。

ローヤルゼリーを与えるには花粉が必要。


ミツバチの食料

ミツバチは、花粉、花蜜を主な食料源にしている。

ミツバチはこれら食材を体内に取り込んで、自らの分泌物とまぜるなどして、加工して2次的な食物を産生する。

そうした加工品がローヤルゼリー(ビーミルク bee milk ともいわれる。幼虫の餌 brood food)、ハチミツ、ハチパン bee bread、などである。

食物の加工には2種類の分泌腺が関与している。

ひとつは、食物を部分的に咀嚼する唇につながる頭部の後方と胸部にある唾液腺であり、もうひとつは、子育てのための食物を産生する下咽頭腺である。

ミツバチは、花粉、花蜜という素材と同時に、2次的な加工食品とを組み合わせて摂取している。

同じ受精卵から孵化した幼虫は、若い子育て係の働きバチが与える食物の違いによって、女王バチと働きバチにわかれていくが、この違いはローヤルゼリーが与えられるか否かに依存している。

ローヤルゼリーは、ミツバチの頭部にある、下咽頭腺と大顎腺 から分泌されるさまざまな物質の混合物である。

働きバチになる幼虫に(5日以上)与えられるのは、白色、無色、黄色の成分が 2:9:3の比率で混合されている食物である。

このうち白色の成分は大顎腺からの分泌物、無色の成分は下咽頭腺からの分泌物、黄色の物質はほとんど花粉である。これに対して、女王バチに成長する幼虫に与えられるのは、最初の3日間が、主に白色成分、最後の2日間は白色成分と無色成分が1:1の混合物である。

したがって、女王バチは働きバチより多くの白色の成分(大顎腺からの分泌物)を摂っていることになる。

ローヤルゼリーにはビテロジェニン vitellogenin のようなホルモン様物質も含まれている。

ローヤルゼリーは、最初は卵から孵ったすべての幼虫に与えられるが、それが最後まで与えられるのは女王バチだけである。

一方、働きバチの幼虫では、成長するとローヤルゼリーに、より多くの花粉と蜂蜜が混ぜられるようになり、幼虫の最後の段階では、ローヤルゼリーがまったく混ぜられなくなる。子育ての期間、1匹に与えられるローヤルゼリーの量は、25mg(25μL)である。ゆえに、もし巣で育つハチの数が年間20万匹とすれば、5Lのローヤルゼリーが産生されなければならないことになる。

ハチパン bee bread とは、巣房に詰められ熟成された花粉のことである。ミツバチは、頭で花粉を巣房の中に押し込め、そこに蜂蜜をつめていく。そこで酵素による発酵が起こり、さまざまな糖が分解される。



蝋でできた通信網

巣板にならぶ巣房の入り口は壁面のワックスより厚く盛り上がっている。


蓋をされている巣房は、この網の目がつまっているところになる。

この網では、子育てや、花蜜や蜂蜜、花粉などが入っている巣房の重さは違っている。それでも、6角形の目をもったワックスの網は、巣板の縁まで広がっていると見なせる。

このワックス網は、230~270Hz(毎秒の回数)という固有の振動数をもった構造物である。

ただし、この構造物が振動を伝えるためには、素材であるワックスにある程度の硬さが必要になる。なぜなら、温度が上がってワックスが柔らかくなると、振動は伝わりにくくなるからだ。その温度の上限は摂氏34度であり、子育て温度よりわずかに低い。

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{巣箱内部の温度は↑の記述からすると35℃を越さない様に考えられる!}

{仮に巣箱内部温度が38℃だと通信網に異常をきたす。}

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ミツバチでも、木の空洞のような閉空間に巣をつくるセイヨウミツバチやニホンミツバチの住みかは暗闇である。

そこで、これらのミツバチはワックス網の振動を利用して、仲間の間で通信する技術を身に付けていると見られている。

この通信網の利用のひとつは、餌を求める花への飛行のために行なわれるダンスの振動を伝達することである。

それは蓋のされた巣房の集まりからなる「広場」で行なわれるが、寒い朝などは、ダンスの振動がうまく伝わる温度になるように調整される。

ただし、実際にこの通信網がどのように使われているかは、まだ十分解明されていない。

温度調節だけではワックス網の機能が維持できない場合、ミツバチは素材であるワックスにプロポリス propolis を加えて補強する。それは、細い筋状にプロポリスをたらして巣房の縁や壁にこねていく作業となる。

人工の養蜂で、巣板の縁が木枠になっていると、ワックスの通信網は正常に機能しなくなる。

このような巣板でも、ダンスをするような場合、ミツバチはワックスでできた網と木枠の間に間隙を設け、ダンスの振動が正常に伝わるように細工することがある。

コメント8件

ふさくん 活動場所:岡山県
投稿日:2020 2/25

今晩わ❣️

お疲れ様。大変勉強になっています❣️

おっとり 活動場所:千葉県
投稿日:2020 2/25

初心者ふさくんさん

スヤスヤ夢の中です。

雄山 活動場所:島根県
投稿日:2020 2/26

極楽トンボさん、この作業大変じゃないですか、平素勉強しない私に教えてくれるのですね・・・有難うございます。(∪.∪ )...zzz

おっとり 活動場所:千葉県
投稿日:2020 2/26

ゆーさん、勉強は自分の為と日本みつばちの為にしています。

せっかく、書籍を要約したら、長ったらしい文章も何度も読むより、能率が上がります。

読んでくださって、役にたったと思われる人が一人でもおられれば、みつばちの幸せに繋がると思います。

本はただ読むだけよりも、要約しようと置換作業の中で、脳への定着が確実になるように思えます。

雄山 活動場所:島根県
投稿日:2020 2/26

極楽トンボさん、ミツバチのためと思っていますが、考えると何もしないのがいい事に思えますね。

マーヤにごめんなさいですが、相手も喜んでくれてますのでご勘弁下さい。m( _ _ )m

おっとり 活動場所:千葉県
投稿日:2020 2/26

雄山さん

何かをする場合には、そうとうな知識と経験がないと、ヤバイと思います。

医者でもないのに、医療行為を施すことですから。。。

雄山 活動場所:島根県
投稿日:2020 2/26

極楽トンボさん、やばいのを避けて私こそ「極楽〇〇〇」を名乗りたいのです(笑い)

おっとり 活動場所:千葉県
投稿日:2020 2/26

雄山さんと岡山のふさくんへ

みつばちQ&Aで遊ばないでください。

尚、このコメントに対するご返信はお気遣いくださらないように。

投稿中