先日、最後まで残っていた女王を含め4匹が見えなくなり、確認したところ女王の死骸が底板に落ちていました。残念です。
はっちゃんたち、最後まで増やそうと頑張っていましたが、3月17日の逃去失敗で失った数が多すぎました。次々と寿命を迎え、蛹を保温し羽化を待つ段階で残っていた蜂は10匹程度、冷え込む夜に温度を保てなかったので、羽化できませんでした。
老齢の働き蜂がなけなしの蝋鱗でこしらえた巣脾には育児の他は給餌した蜂蜜が残っています。この巣脾の裏側にもうひとつ、小さな巣脾が作られていて、手前にも作りかけの小さな塊があり、サンダル内に合計3枚の巣板を作ろうとしていたようです。
サンダル内空間で芯-芯35ミリを確保するには合計3枚の巢板が精一杯であることが分かります。空間を測り群を本気で増やそうと、最後まで命を繋ごうとしていました。
底板でまだ微かに動いていたのは1匹の働き蜂で、女王はすでに動かなくなっていました。女王の亡骸のそばに寄せて置いてやったら、女王に気づいたのか、触覚でしきりに触っていました。
逃去失敗の折に多数出た死骸を家畜保険衛生所に検査に出したのですが、45%の罹患率で、気管が黒色化した蜂も多かったとのことでした。私の拠点周辺はアカリンダニで壊滅状態ですから、今年は飼育はせず、離れた蜂場の管理を徹底します。年内の引っ越しを予定しているので、ピザ窯に探索が来ても巣門は封鎖するつもりです。
昨年からの調査では千葉県はまだら状に感染地域が広がっていて、全ての地域で蔓延しています。先日待ち箱の設置をお願いした農家がたまたま昨年まで飼育していたらしく、秋にみんな死んでしまったんだよとおっしゃっていました。わけわからんと言うので色々聞いてみると最後は地面を歩いていたと。3群飼育していたらしいのですが3群とも1月までに消滅。
「1群は長野から運んだんだよ。もう一個は館山の仲間がくれて、もうひとつはどこだったかな、、、弟の仲間が持って来てくれたんだよ。」
アカリンダニという名前すら知らない飼育者がこのように何も知らずに運んで来てしまう。蜂を飼えば蜂蜜が収穫できると知ればみんな欲しくなる。運んできてありったけ収穫し、ダメにして、撒き散らし、、、これは防げません。全ての村を訪ねて飼育者を探し出し、指導することなんてできない。途方に暮れてしまいます。
このサイトの多くの方が勉強会や研究会を開催して、少しでも正しい知識を周知させる努力をされていますが、千葉県でもその必要性を強く感じます。