気温が高くないと蒸散してくれないメントール。効果を期待するのは寒い時期です。加温する方法もありますが仕掛けが大掛かりになるし電力を必要とするし、蒸散しすぎるのも怖いです。
昨年から実験を重ねてきたのですが、メントールをエタノールで希釈して液化させ、面積の広いものに塗布することを試しています。エタノールは薬局で売ってる無水エタノール(99.5パーセント)です。
メントールの結晶がなかなか蒸散せず、巣箱の中で減らずに残ってしまう事があり、それはつまり効果が期待できないわけで、「入れてたのに罹患した」経験を何度もしているので、もっと確実に、安全に、手間をかけずに効かせるために、表面積を多くしてスピード蒸散してくれたらと期待しています。ガラスに塗布した実験では、真夏であれば3日ほどで消えて無くなることを確認しています。巣箱内の天板付近の温度は蜂の数や機密性、外気温によって様々ですが、結晶に比べ入れた分が早く無くなれば、それを繰り返すことで効果が期待できます。
20グラムをエタノール10グラムで希釈します。乳鉢に入れて摺り潰しながら混ぜて行くと5分ほどで液状になります。
ガラスに塗布
10分ほどで結晶が発生
エタノールが完全に飛んだ状態。
段ボールに塗布するとこうなります
この段ボールを巣箱の内内にハマるサイズに切って、天蓋には30ミリほどの空間を持たせ、スノコのすぐ上に乗せます。メントールシートと命名。
この上に逆さに被せます
屋根を乗せて完了です。
20グラムのメントールは8枚の段ボールに塗り終たので、1枚2.5グラムで、両面に塗布した1枚と片面だけに塗布した1枚、合計3面に塗布で、7.5グラムを1クールとしました。これが1週間で無くなるくらいがベストだと考えています。
徘徊が出て、緊急に対処しなければならない場面で、蟻酸を検討する方も多いと思いますが、自分でやってみて、やはり蟻酸はできることなら使いたくない。理由は、それで蜂は救えても、採蜜はできません。蟻酸が混入した蜂蜜を誰かにプレゼントできないです。売るのは論外。最近になってメントールの扱いを心得ていらっしゃる方が成果をあげているのを日誌などで見かける事がありますが、これからも安定的に確実に効かせる方法を模索して行きたいと思っています。