セイタカアワダチソウが開花後、半月以上経過した頃に採蜜した蜂蜜です。セイタカアワダチソウの蜜は結晶化し易いとお聴きしていた事と、独特な臭いが気になりましたので、瓶詰したもののラベル等は貼らずにそのまま放置していましたが予想通り完全に結晶化しています。
結晶化した蜂蜜も意外と美味しいのですが、使い勝手が今一で、湯煎や電子レンジで溶解しながら自家消費に充てていました。しかし、温度管理や溶解に手間が掛かって面倒な面も有りましたので、温度の設定が自在に出来て一定温度に保て、時間設定も簡単なヨーグルトメーカーを用いての溶解を思い付き試してみました。
尚、ヨーグルトメーカーは1Lの牛乳パックが入る大きさで、今回使用した蜂蜜瓶が3段積みでの加温が可能ですが、3段積みで加温した場合、段毎に溶解の状態に違いが有りました。45℃設定時の各段の蜂蜜温度を測定してみた所、次の通りでしたが設定温度より全体的に少し低めの値でした。
上段:34.3℃
中段:41.2℃
下段:40.7℃
上段では温度が低く完全に溶解出来てない事ががうなずけます。ヒーターが本体の中央部に付いており、ヒーターから離れた上段への熱の伝導が悪い事が原因の様ですので2段積みで行う事にしました。
時間設定:8h
温度設定:35℃、40℃、45℃
*35℃の設定では硬いクリーム状になりましたが殆ど溶解出来ませんでした。
*40℃の設定ですと、柔らかいクリーム状になりましたが結晶が溶け切って無く液状とは言えない状態です。
*45℃の設定で完全に溶解し、とても良い状態です。風味も結晶化する前と何ら変わり無く、いつもの美味しい蜂蜜に戻ったと感じてます。
良い結果になりましたが、少しでも低めの温度の方が好ましいと思い、40℃と45℃の中間程の42℃、43℃でも試してみましたが8hでは完全に溶解出来ませんでしたので、設定温度45℃は無難な設定温度と判断しても良いと思いました。
*2段に重ねた場合は上の方が早く溶けましたので、途中で上下入れ替えると良いかもですね。
ヨーグルトメーカーを使用する場合の利点は、
①金属製のキャップやキャップシール及びラベルを付けたままで行える事。
②スイッチを入れるだけで手間が掛から無い事。
③加熱温度が上がり過ぎる心配が無い事。
など手間いらずの利便性や安全性を感じましたので、実際に完成品でも溶解を行ってました。
*結晶化した蜂蜜
*溶解後の状態
予定通り、結晶化前の蜂蜜と変わりない性状に戻りました。加熱時間に関しましては、結晶化の程度で変化すると思いますので、最初は4h程で様子を見て判断するのが良さそうです。
今回、加熱した事で、「加熱・非加熱」について定義を確認したところ、加熱の定義は(熱を加える事)非加熱の定義は(熱処理をしない事。加熱による殺菌処理などを行わない事)との記載でした。曖昧な表現で迷いますね。熱を加えた事は事実ですので、個人的な考え方としては、加熱した事で「非加熱の蜂蜜」等と呼ぶ事は不可と考えてます。しかし、高温で品質変化が大きな加熱では無く、品質への影響が最小限な低温での加熱ですので、説明をすればご理解を仰げる様に思います。過去に「非加熱で自然のまま」を強調した事もありますが、今後、この蜂蜜を何方か第三者にお渡しする際には、一言付け加えるか、又は、リーフレットを付けて渡そうかと思案中です。