投稿日:2023/9/7 20:48, 閲覧 564
午前中に刈り払った雑草を片付けようとして、巣箱の前を通ると足元に1頭の徘徊蜂を発見しました。徘徊蜂捕獲トラップの中は空っぽで、底板上にも蜂娘の亡骸は有りませんでしたので、きっと死期を迎えた蜂娘かな⁉と思ったのですが、少し離れた場所で更に1頭を見つけましたので、何となく異変を感じて周りを探すと、半径10m位で計9頭の徘徊蜂を捕獲しましたので速攻で鏡検してみました。
鏡検の結果は、予想通りでしたが、3頭中、3頭に感染が認められ、(感染率100%の結果で驚きですが、感染の疑いが強いと思われる、徘徊蜂だけを選び検査した結果ですので、当然と言えば当然の結果だと思います)感染が判明しましたので残りの徘徊蜂の検査は省略しました。
1頭目 右側は進行が進んで黒色化
2頭目 ダニが透けて見えます
3頭目 微妙ですが気管内に異物、恐らくダニでしょう。
夏季は感染率が低いとの理由で無防備だった訳では無く、メントールを用いて防除しておりましたが、対策に隙があったものと感じています。4面巣門や、天空箱の換気口等での巣箱内環境の改善策が、裏目に出てしまった感は捨てきれませんが仕方ないですね。反省してます。
昨年夏の感染から3回目(この群は2回目)の感染です。感染群の治療にあたり、昨年から感染が連続して発生していた事も有り、有効な手段が無いものかと考えていました。
そして思い付いた方法が有りましたので、今回はそれを実践してみる事にしました。(この治療方法は、個人の自己責任で行なっており、決して他人にお勧めするものでは有りません。この方法で治療を行った上で、万が一不利益等を生じる事態が発生しても、当方は一切の責任を負いかねますのでご注意下さい)
方法としましては、シュウ酸を気化させる装置を利用して、極少量のメントールを強制的に気化させ、アカリンダニだけを駆除する方法です。メントールの量が多いと、宿主である蜂娘も昇天してしまいますので注意が必要ですが、メントールの熱湯投与と同様に、即効性に期待出来ると考えます。
先ずは巣箱の開口部を全て塞ぎました。
天空箱の換気口を塞ぎます。
4面巣門も底板を上桟に押し付け、空気が漏れないようにしました。
使用する加熱式昇華器ヴェポライザーとバッテリー。(バッテリー上の金網ですが、試運転時に蜂娘数頭が釜に飛び込み、釜茹でになってしまい昇天しましたので安全対策用です)
バッテリーで通電すると、メントールが液状化し気化(昇華)します。メントールが帰化しだすと巣箱内から大きな羽音がしてきます。(苦しそうで胸が痛みますが、群の存続が掛かっていますので我慢・・・頑張れ)
通電したままですとメントールが沸騰し吹きこぼれ、全てが気化しないで再結晶しますので、効果も半減すると感じますので事前検討が必要でした。
シュウ酸の場合は、全てが昇華した後15分間気密状態を保つ様ですので、それに習いメントールが全て昇華してから、15分間巣箱の密封状態を保ちました。
15分経過後巣門を開放しました。外勤から帰還して入門を急ぐ蜂娘達と、新鮮な空気を求め外に出る蜂娘達で入り乱れてました。
およそ20分程で落ち着きを取り戻し、犠牲者も皆無(飛べずに徘徊し、遠ざかる蜂娘は5頭確認しましたが)でしたので予定通りで安心しました。
メントールも獣医師からの処方箋は出ますが、アカリンダニ症の治療薬登録が待たれますね。
彌助
愛知県
愛知県の西部 伊勢湾を望む知多半島の片隅で、ニホンミツバチのお世話をしながら緩やかな生活を楽しんでいます。 此方のサイトにて日々勉強させて頂いている初心者です。...