つらら状に巣脾を細長く伸ばして、8/31に大きい巣板が2枚落下した群です。最近になって手のひらサイズの巣板が新たに2枚落下し、同時に黒い糞も見られたことから上の方でスムシが広がり始めたかもしれないと考え、巣箱の5段中4段目の側面板を1面取り外し、横から直接内検することにしました。三つ巴ならぬ4つどもえに組まれた巣箱の1面を開くために、残りの3面を外からガッチリベニアで補強し、巣箱自体は単管パイプで支えていますので、このような強引な内検が可能になります。もしスムシが中程で発生していたら、つらら巣脾をその部分で切断し、蜂たちが噛み落とす手間を省き、縦に長く伸びてしまった(縦の吹き抜け空間は好ましくないと思っているので)巣板を切り詰めて、段数を減らしたいと考えて、その準備も整えて臨みました。
すっかり蜂に覆われて巣脾が全く見えません。これじゃあ判断のしようがない。
そこで登場!KINP社の「ビーサイレント」!!噴射するとこんな風に・・・
上の写真と同じ景色とは思えませんよね。KINPさん良い仕事されます!ちなみにボトルから少し出して、水で3倍に薄めて使いました。少し気になったのは、匂いがスズメバチサラバとおんなじ事!!まさか同じではないと思うのですが、匂いは同じです。。。
巣門箱のすぐ上、5段目の先端の巣脾の写真ですが、育児が盛んに行われています。まだ深さもない巣房には卵も見え、その上は幼虫、そして蓋がけ巣房。。。追いかけるように巣作りも進んでいるように見えます。まるで製造工場のように新しい子供たちが次々と育っています。
問題は巣箱の上の方、蜂たちが噛み落とした巣脾が、果たして噛み落としだけでスムシ退治を完了できているのか。。。4段目の側面を外します。
この段の巣落ち防止棒は木の丸棒なので外からドリルで貫通してしまいました。横方向は蜂が避けて造巣しているのを事前に写真で確認しており、縦方向は巣板に刺さっていたはずだったので、この面を開きました。
ビーサイレントを噴射!!
右側の巣脾では育児も盛んに行われていますが、左側は閑散としています。触るとユラユラしていましたので、近々に落下するかもしれません。噛み落とす予定の巣脾には新たな産卵もしないのかもしれません。
先日噛み落とされた巣脾があったと思われる部分
じっくり何度も観察しましたが、巣板と巣板の隙間にスムシが吐いて作ったトンネルも見られず、食害されてしまった部分は表面が溶けたような感じで巣板の厚みを減らし、中に隠れているスムシを容易に引っ張り出せるような状態にしていました。
蜂の数が十分にあり、見つけ次第退治する流れになっていると判断できたので、つらら状巣板、そして4階分の吹き抜け空間も、冬越しには不利になるでしょうけど、とりあえず今の時点で余計なお節介はやめておこうという判断をいたしました。
先日artemisuさんの保護収容のお手伝いをさせていただいた時に、収容した巣脾を挟んでぶら下げる枠を見て、これは素晴らしいと私も真似して作って準備しておいたのですが、出番はありませんでした。ちなみにこの「挟み枠」はネコマルさんが考案したそうです。これは実に優れたアイデアと設計であると作っていて感じました。
この挟み枠に追加でぶら下げる予定だった巣蜜巣脾(ピザ窯群が残して行った巣蜜、冷凍処理済み)を最上段の給餌箱に収めて作業を終了としました。
下からの内検や底板にスムシの糞を確認した時、なかなか判断に困るような時には、巣箱の横一面を解体し、横からの内検、横からのアプローチで対処できる可能性があると感じました。
でも蜂たちが自ら噛み落とす対処ということが基本だとは思いますが。それを自分たちでできなかった群は逃去、つまりご破算にして新たな場所での復活に賭けるのでしょう。このエノキ群もおそらく今後も戦いは続いていくと思いますし、負けた時は逃去するでしょう。