スムシ対策で巣箱の気密性を高めると、結果巣箱の中が多湿になり、給餌・メントール箱の天井には銭湯の天井みたいに滴でびしょ濡れになります。落下した水滴がメントールの中に入ったりして好ましくないと感じ、「熱を逃さず湿気を逃す」方法は無いものか思案していました。
ただし、「湿気は蜂に害がある」と想定した場合の話です。本当に巣箱内から湿気を奪ったら蜂は果たして喜ぶのか、、、?子育てなどのために、多湿は必要な環境なのではないのか?この疑問は付き纏います。以前下諏訪にある(有)山田養蜂場と言うところに立ち寄った時にニホンミツバチの飼育マニュアルを無料配布していて、スムシ対策の項で、「巣箱内壁に結露している群にはスムシが湧かない」と書いてあり驚きました。濡れた壁をスムシの幼齢虫が登れないのだそうです。自然樹洞の内壁は濡れている場合もあるだろうし、フカフカで湿気を吸い取っている場合もあるでしょう。擁壁の水抜き穴に営巣する群はおそらく湿気との戦いでしょう。待ち箱を置く場所でNGとされているひとつに「湿気の多い場所」と言われますが、今年自然入居したのち今も元気な群の中には休耕田の目の前や低地にあるために常にジメジメした場所があり、なぜかとても元気です。
したがって、湿気=悪い環境、、、と断定するのは危険です。それを踏まえた上で試して行きたいと考えて、試験的に作ってみました。
珪藻土は住宅の壁に使われる左官材料で、吸湿性があることから人間が快適に暮らす上では非常に優秀な素材です。断熱性能は七輪の素材としても有名です。住宅の左官ではあらかじめ外から防水断熱をしっかりされたところに塗るので、湿度の吸収と放出の両方の仕事をしますが、この巣箱では内部の空間と外を珪藻土で繋ぐので、中で吸収、外へ放出と言う能力に期待しています。
この箱は最上段のスノコの上に置く、給餌とメントール処方の部屋に使う目的で作りました。下から上がっていった湿度が天井に水滴を作るかどうかを見れば、効果が検証できるはずです。
箱に組む前に板の時点で穴開け。切れない木工ドリルで開けたから穴がぐちゃぐちゃで。。しかしこの凹凸が、珪藻土を食いつかせる役割をしてくれると思います。
ハイモルエマルジョンと言う、左官の時に使う下地用プライマーを穴の内側に塗布。食い付きを良くする。
骨材と通気性を考慮してサンゴ砂を添加
コテで良く混ぜます
箱の外側にラップを巻く
材料をコテで塗り込みしっかり押さえる。
最後にサンディングして完成。結露が激しい一群に乗せる予定です。