本日、千葉県北部家畜保健衛生所の方が診断と調査に来てくださいました。家保の診断は巣箱の様子と内検、昨夜出された蜂児の回収と成蜂の回収でした。家保が診断できる伝染病は幼虫に関しては4種類、腐蛆病、サックブルード病(SBV)、チョーク病、ノゼマ病で、成蜂に関しては3種類、アカリンダニ症、バロア病(ミツバチヘギイタダニ)、麻痺病とのことでした。家畜伝染病予防法に基づいて、これらの病気は届出伝染病と法定伝染病に分けられ、届出伝染病は診断した獣医師(本日来てくれたスタッフの方)が国に届け出る義務があり、法定伝染病は強制的に群を殺処分しなければならないそうで、巣箱ごと回収し、焼却炉に入れちゃうそうです。この殺処分の対象になるのは腐蛆病の1種類だけで、あとは全て届出伝染病のカテゴリーだそうです。腐蛆病にはアメリカ腐蛆病とヨーロッパ腐病があり、前者は幼虫がドロドロに溶けて糸を引き、腐敗臭がすごいそうで、後者は幼虫が真っ黒に変色するそうです。千葉県ではこの10年間で報告があって処分した群は2群で、それがセイヨウミツバチかニホンミツバチかは彼は知らないそうです。問い合わせや診断依頼があって最も多いのはアカリンダニで、今年に入って2件あったそうです。撲滅するにはどうすれば良いのか、彼の意見を聞いたところ、完全に撲滅するなら淘汰するしかない、つまり見つけ次第巣箱ごと焼き払うと言うことです。彼は立場上、国民の健康を守るため、次に産業を守ることを優先しますので、ニホンミツバチがどうなろうと、、、という言い方はしなかったけれど、愛玩用に飼育されるニホンミツバチの病気の対策はやはり積極的ではありませんでした。予防法も治療法も確立されていないので、そちらは大学などの研究所に期待するしかないと。
前置きが長くなりましたが、本日の診断は伝染病の類ではありませんでした。ついでに検査してくれたアカリンダニの解剖診断もシロでした。したがって、児捨ての原因は蟻酸、もしくは温度を維持できないことによる幼虫の生育不良ではないかと言う結果です。伝染病ではなかったことは朗報でしたが、謎は深まり、希望も持てない状況となっています。
ひとつ感じることですが、抜き取られて捨てられる蜂児は、本当に死んでいるの?と疑いたくなるほど色艶も良くプリプリと張りがあり、死んでしまったからと言うよりも死にそうだから、、みたいな感じがします。