蜜蝋の融点は62℃以上、しかしこの温度は巣が液体になってしまう温度。
一方で蜜蝋を扱う手芸の情報だと人肌で柔らかくなるとのこと、、、
手指が体温と同じってことはない、冷え性でなくとも若干は低い筈。
つまり育児域の35℃と云うのは結構限界ギリギリの温度らしい。
但し、形を留めない程、柔らかい訳でなく、造巣初期に根元に近い所で育児したとて、それ程自重が無いので落ちることはない。そして巣板が下に延びれば、育児域と根元は遠ざかるし、根元に近い所は貯蜜に使われるので蜂蜜分熱容量が大きくなり、つまりは温まり難くなる、、はぁぁ、良くできてんなぁ。
恐らく天井付近の蜜蝋温度が35℃以上になると危険なのかなぁと。
気温と巣(蜜蝋)温は違う、空気から蜜蝋への熱伝導率は低いので蜜蝋自体が人肌になるには結構な時間が掛かる。100℃のサウナは平気でも100℃の熱湯だと即、大火傷の原理。これ固体だと更に熱伝導率は高い、、つまり、人が直接触れて熱を伝えたり、直射日光で巣箱が直接温められたりした場合、この温度は気温で伝わるより遥かに早く蜜蝋を温める。
なので先ず恐れるべきは直射日光、炎天下の車の中がサウナ並みになるのを考えれば巣箱表面が70℃とかになってしまうと天井板35℃など短時間で達成可能。但し、木材はそれ自体が高い断熱性をもっているので、部材接合部が接する面積にも大きく左右されるが何れにしても天井板まで熱が伝わるにはかなりの時間が掛かるので、日照時間が短く周辺温度が低ければ例えば日没後の低温なんかで伝わる前に冷やされ天井板までは伝わらない。
究極は天井板が宙に浮いていれば外部直射日光の熱は巣箱内温度の上昇でしか伝わらないことになる。とは云えその構造に注力するよりは、如何に直射日光を避ける様にするかが遥かに効果的で現実的だと考えます。
次に気温によるものですが、そもそも、育児域の35℃は巣箱内で上昇気流を生み出し、その流れはゆっくりと巣板と天井板に熱を伝え乍ら、それ程冷えずに下降流となり巣箱内で対流してる筈なので大事なのは天井板の抜けとなる。感覚的に分かり易い例としては、ドライヤの熱風を手指先に当てる、この際、指を閉じた時と開いた時でどちらが先に、熱ってなるかを想像するのが良いかなぁと。物理的には分子が接する密度と時間の積で流体と熱力学なんだけど、、
兎に角、巣板の根元は35℃の空気を素早く通過させて滞留しない様に、その他天井付近を中心に流れを阻害する様な形状にならない様に。
とここまで対流、つまり天井が塞がってる場合を想定してましたが、天井から排熱する場合は空気の流れが煙突状態になります。
間違いなく排熱の効果は高いですが、育児域35℃キープは大変になり、燃費が悪く、つまり、蜂蜜の消費量が増える筈です。
通常は同じ空気が対流でグルグル回り、そこに扇風でちょいちょい外気を混ぜることで微妙な温度調整をしてる様に思います。
恐らく外気温が24時間35℃なら巣落ちするのでしょう。でもそんなことはあり得ないので、熱帯夜でも28℃とか、その気温差で巣箱自体を冷やし、日中又、危ない所まで上昇し、夜冷えるを繰り返してるのだと思います。
究極を考えるなら24時間外気温37℃でも巣落ちしない天井板は実現できます。幾ら断熱してもその環境であれば何れ臨界に達してしまうので強制的に冷やすしかありません。直ぐ近くでは35℃が必要なので阻害しない様に局所的に冷やす必要があります。となれば水冷しかないです。天井板にアルミ配管を通して結露しない温度の水を循環させれば良いかと思います。常時は必要ないので気温が36℃を超えたら自動的に30℃の水を循環開始するとか、、冷やし過ぎて蜂児が死んだり、結露した水で濡らしたり別のリスクもあるのでやるならガッツリやらないと駄目ですが。