連日キイロスズメバチが訪れるようになりました。ピザ窯には全く来なくて、15メートル離れたエノキ群に来ています。午前中にちらほら、時騒ぎが終わった午後3時以降にポツポツ来ています。観察していますと狩を成功させるのはかなり難しいようです。アブドメンシェイキングを盛んに行って撹乱されることで、なかなか思い切った攻めができないようです。モタモタ、アタフタと迷いながら、すごすご帰っていく姿も見られます。決して狩の成功率は高くない、むしろシオヤアブの百発百中の狩に比べれば可愛いもんです。見ていて気の毒にもなります。襲って来るキイロスズメバチの数が同時に4〜5匹だったりするような状況になったらまた変わって来るのかもしれません。
スズメバチサラバの効果を検証しようと思い、先日から試していることがあります。ふたつ前の私の日誌でセミの幼虫をキイロスズメバチが捕獲した記事を投稿しましたが、獲物が大きく1回で肉団子を運搬できず、一度去ってから5分後くらいに再び訪れ、続きの作業をしてまた飛び去るということを4回繰り返していたのですが、このことからキイロスズメバチは覚えた場所をかなり正確に記憶しているということがわかりました。ではミツバチの巣箱の位置も当然覚えているはずです。そこで、巣箱に来襲したキイロスズメバチを捕獲し、ピンクのマーカーでマーキングして、スズメバチサラバをシュッとひと吹き食らわせて放つということをしてみました。ものすごく嫌な臭いに、大泣きしながら飛び去って行きます。このキイロスズメバチは果たして、場所は覚えているけれどひどい目に遭った記憶がどれくらい残っているのか、あそこは危険だからもう行くのはやめておこう。。。と思ってくれたら素晴らしいと考えたのです。
残念ながら、ピンクのマークをされたキイロちゃんは翌日には巣箱に来ていました。そこでもう一度捕獲し、今度はピンクの上から青のマーキングを、、、
数日前からこの作業を続けているのですが、今では巣箱の周りにピンクちゃんとブルーちゃんが性懲りも無く訪れ、マーキングなしの子には新規ご契約者様の印を、、、こうして見てみると、キイロスズメバチの行動がなんと言いますか、とてもローカルで、自分の巣に帰ってみんなに臭いぞ臭いぞと責められ、また舞い戻っては私に捕獲されシュッとされて、、、これまでにピンクのマーキングをしたキイロスズメバチの数は30匹を超え、そのうちさらに青でマーキングした蜂は5匹います。(もうめんどくさいから青のマーキングはしていない)「昨日も、一昨日も来ていたでしょ?」とお話ができるような関係になってしまいますと、、、もう殺せなくなってしまいました(;;)
うちの周辺は森に囲まれ豊かな自然があり、本当に多くの昆虫が暮らしているのですが、みんなそれぞれ生き続けるための武器を持っています。幹の肌に化けてじっとする者、素早く反応して飛び去ってしまう者、堅い殻に覆われている者、反撃する力を持つ者、、、そのどれかを捕まえて巣に持ち帰るのは簡単ではありません。逃げる方も追う方もギリギリで生きています。
この中で圧倒的に強い虫がいたら、その虫だけが大量発生し、食うものがなくなればその強い虫も絶滅してしまうでしょう。スズメバチは確かに怖い存在、、、特に強力な毒を持ち、攻撃的な一面もあるので「悪者」のイメージがありますが、食物連鎖の中では成功もすれば失敗もする。森がスズメバチだらけにならないのは、他の虫たちも負けてはいないという証だと思います。
圧倒的に強く、異常大量発生している生き物がこの地球上には一種類だけいます。