Kウィングが見つかったエノキ群に自己責任で蟻酸を投与して1ヶ月近く経ちました。先日2クール目を投与しました。50%蟻酸を20グラム、プラスチック容器にガーゼに染み込ませました。2クール目を入れる時に1クール目を出したのですが、蒸散して少し軽くなっていましたが、最上段の投与箱の結露がひどく、蒸散しにくいような環境であったと思います。
本日ちょっと気になっていたことがあり、投与箱(給餌箱)を開けて、箱の内壁にビショビショになって滴がしたたる水滴を調べてみました。手ですくって匂いを嗅ぐとかなりツーンと刺激臭がしましたので、それを舐めてみました。ちょっと濃いめのレモン水のような酸っぱい味がしました。「結露の滴に蟻酸が混入している」ということが判明いたしました。それが何を意味するかと言えば、「蜂蜜にも混入している」ということです。蜂は温度を維持するためのエネルギーとして、また子育ての餌として蜂蜜を食べますが、蟻酸も同時に体内に取り込んでいるということです。蜂蜜は糖度80パーセントあっても、ビンの蓋を開けて放置すれば空気中の水分を吸って糖度が下がりますので、蟻酸を投与した群から収穫する蜂蜜は「蟻酸味の蜂蜜」となるはずです。私は採蜜にはそれほど拘らないのですが、アカリンダニが発生し、蟻酸を投与した群から収穫する蜂蜜は販売はもちろん、知り合いにプレゼントすることも諦めるしかなさそうです。
リトマス試験紙でアバウトに測ってみましたが、結露の水も割と高い酸性であることがわかります。四角で囲ったものが結露の水です。左側の赤く変色しているのが酸性であることの証。
アカリンダニ感染が確定して、蟻酸(もしくは別の薬剤でも)を投与した時点で、その群は採蜜できないということです。サンポールもアカリンダニに効くと言う噂がありますが、主成分である塩酸も、蟻酸と同じく揮発性が高いので、巣箱内の結露には混入しますし、杉の板にも浸透するはずです。巣落ち防止棒に金属を使っている場合は腐食しやすくなるでしょう。
巣箱に蟻酸や塩酸が浸透した場合、それを待ち箱として使用した時に、探索蜂にどれくらい嫌われるか、検証してみる必要がありそうです。例えば2月に蟻酸投与した群が消滅し、分蜂自然入居を目指して翌月に待ち箱に使用した場合、酸っぱい匂いは巣箱に付着しているはずです。
結露に混入すると言うことは、蒸発した蟻酸が水に取り込まれ、ずっと巣箱内に残り続ける可能性があります。蒸散しては結露に吸収され、また蒸発を繰り返して行くと言うことは、蟻酸投与の回数が多くなると巣箱内の蟻酸濃度が少しずつ濃くなる可能性もあります。「蟻酸のガスは空気より重い」と言われますが、蒸散した気体がそのまま下って行って巣門から綺麗に排出されるわけもなく、吸水性のある蜂蜜と滴、杉などに取り込まれるのです。
蟻酸は確かにアカリンダニに効くと思います。しかしこれは諸刃の剣であり、蜂蜜収穫を目的としている場合は全て無駄になってしまう。憎きアカリンダニですが、肉を切らせて骨を断つ的なリスクがあると言うことです。困りましたねぇ。。。。