養蜂を始めたきっかけをよくよく考えると、子供のアトピーがきっかけだったと思います。
嫁さんと東京で知り合って結婚し、子供を授かってしばらくは東京で暮らしていたのですが、夫婦で話し合って東京で子供を育てるのは無理があるという結論にいたり、嫁さんの実家を頼り山形に移住しました。
山形でも運良く職もパパッと見つかり、子供も無事に産まれて、安心して暮らしていたのですが
産まれてからしばらくして子供が乳児湿疹にかかり、最初はそのうち治るだろうと思っていたのですが生後半年を過ぎても湿疹が治らず小児科で診てもらったら、アトピーだと診断されショックを受けました。
なりよりも子供が痛がっている姿がかわいそうで、アトピーを治すために色々調べました。
そこでまず取り組んだのが食事を変えることでした。
東京時代は食について夫婦で考えたこともなく、とにかく好きなものばかり食べていましたが、
子供のアトピーを治すために、全て変えることにしました。
野菜は地元の有機農家さんから買うようになり、お米も玄米に変えて
料理の出汁なども煮干しや鰹節で一からとるようにし
水も隣町で今住んでいる遊佐の山の麓の湧き水を汲んできて料理用、飲料水用とするなど
とにかく徹底していきました。
そういったことをしているうちに、2歳を過ぎたあたりには子供のアトピーは完全にといって
いいほど治っていました。
その中でやはり食についてや環境についてのいろいろな本を読むようになり
ミツバチの大量死のことも知ることになりました。
そして日本にはニホンミツバチという固有種がいること。
そのころは実家の近くのアパート暮らしだったので
ニホンミツバチが飼えるような状況ではなかったのですが
いつかは飼えるようになりたいなぁとぼんやり思っていたように思います。
子供が3歳になって小学校に上がる前までは一度は沖縄で暮らしてみたいという
嫁さんの希望もあって2年半宮古島で暮らして山形に戻ってきたのですが、
もうアパート暮らしは嫌だということで、隣町の水の綺麗な遊佐町に空き家を探して
住めることになりました。
そういった中で元々ニホンミツバチに興味を持っていたこともあり、
インターネットを通してこのミツバチQ&Aのサイトと縁を持つことができ
おととしあたりからみなさんの投稿を見たり自分でも質問や飼育日誌を書いたりして
勉強させてもらっていました。
巣箱も家の庭に去年からおいていたのですが、全く入らず
ただ周りにニホンミツバチがいることはこのQ&Aで写真を投稿して回答をいただき
判明していましたので、ニホンミツバチが庭の花に訪れているところなどを観察して楽しんでいました。
そんな中で去年の夏、家の中にニホンミツバチが仰向けになってピクピクした状態で倒れているのを発見しました。このQ&Aの投稿を見ていた経験から「ひょっとしたらはちみつ舐めさせたら元気になるんではないか?」と思い手に乗せて器に蜂蜜を入れて、そのミツバチの舌を蜂蜜の方にそっと近づけました。すると蜂蜜を吸って、しばらくすると元気になって空に飛び立っていきました。
そして今年も「どうせ入らないだろう」ってな感じで庭に巣箱を置いていたら
祭りの後、夕方家に帰ると巣箱にミツバチたちの出入りが!「え!ええ!」って感じでしたが、
何気にひょっとしたらあの時助けた蜂の恩返し!?かなとか思ったりしました。
そんなこんなで今年からニホンミツバチの養蜂をはじめることができました。
今年の子供の自由研究もニホンミツバチの観察をしたりなど子供も一緒に楽しむことができています。まだまだペーペーではありますが地道に息長く続けていければなぁと思っております。
子供のアトピーが治ったのが、食を変えたおかげか断定することはできないかもしれないのですが
そのおかげで食のことや環境のことを考えるようになり、本を読んでニホンミツバチに出会えたような気がします。
何か問題が起こっても、それを良い方向に変えていく努力をすることで良い縁に巡り会うことができる。それを子供とミツバチに教わったように思っています。