5月31日に分蜂した蜂球の中から、ピーピーピー甲高いという女王バチのqueen pipingかとも思われる音が断続的に、何度も聞こえました。
一般にqueen pipingのうち、tootという長めの音は、新女王バチが誕生する時期に、母(姉)女王が、「巣箱の中で」発することはニホンミツバチでも知られていますよね。またセイヨウミツバチでは、働き蜂についても、worker piping, work whistleを鳴らすこと、
開放巣を作るトウヨウミツバチの一種のコミツバチは、捕食者の接近などに対して、一匹の働きバチが警戒音として、pipingをならすと、他の働きバチたちがが、hissing(シュー)という羽の振動で呼応した音を出すことが報告されています↓。
https://www.sciencedirect.com/science/article/abs/pii/S0944200604700604
ただニホンミツバチの分蜂後、「分蜂の蜂球中」から、甲高いパイピング的な音がでることを聞かれた方はおられますでしょうか。
実は、私が分蜂球に指を入れて、温度と振動を楽しんでしまったので、
女王が「警戒音」を発したのかなとも思うのです。
(あるいは指の匂いなどが、何らかの巣箱内新女王の誕生時に似た状況を作り出していたか・・・?)
この分蜂は、一夜あけて翌朝までカゴの中にいましたが、翌日は音は聞こえませんでした。(私も蜂球に触っていません)。
《後日談:補足記入2021年11月26日》
ご報告:本動画の分蜂球から出たこのpiping音声を、神戸大学の山本哲先生に聞いていただいたところ、女王のものではなくworker pipingの可能性が高い、というお返事をいただきました。
女王のtootingは4秒程度なのに対し、こちらののデータは1~2秒。
tootingの特徴である周波数スイープ(最初の1秒間に周波数が10%程度上がる)もほとんどないため
とのことです。
とても、勉強になりました。 workerもこういう音を発するのですね。ミツバチのコミュニケーションは奥深いです。