今年の雨は量がすごいですね。地上の全てを水浸しにします。
蜂にとって理想的な生活環境は何か。グルグル考えています。
蜂にとって重要な仕事のひとつに旋風による花蜜の糖度上昇があります。雨に濡れた花粉、小雨が降っていれば飛んでくる途中でも濡れるでしょうし、巣箱の軒が短かったり風が吹いていれば巣門が濡れ、潜るときに水を拾えば足に付けた蜂パンはさらに濃度も薄くなる。水気を多く含んだ花粉を搬入、雨が混じった花蜜を貯蔵、それによって内勤蜂の旋風と体温を上げて巣を湿気から守る作業はさぞ大変だろうと思います。
アカリンダニのせいでメントールを常時効かさないといけないから、スノコ上に空間が必要。ついでに何かあったときに給餌にも使えるように重箱1段をそのまま乗せていました。ところがそれだけ大きな空間を作ると、最上段の内壁に大量の結露が起きます。特に天井の結露は深刻で、銭湯の天井みたいに滴がたくさん!そこにメントールのガスが溶け込んだりしてゼリー状の気持ち悪いドロドロが付着。
揺らすとプルプル言ってます
こんなものが蜂に良いわけないだろと、水分を抜くために換気窓を設置すると結露は改善します。
ところが窓の外にはウスグロツヅリガ、、、
ナメクジも。
煙突みたいにここから芳しい香りが森に流出するとスズメバチや西洋を呼び寄せることになる。このネットはすごく細かいのでスムシの幼齢虫は通れないのですが、匂いの流出は防げません。
私は1枚の内検写真を思い出しました。
蜂球の周囲だけ内壁の杉板が乾いています。それ以外は水が壁面を流れ落ちています。巣落ち防止棒にも水滴が見えます。巢板をみんなで覆って熱をかけ、旋風して蜂蜜が発酵しないようにしています。
スノコの上にもう一部屋作ると、蜂球の熱が上に逃げてしまいます。上の部屋には蜂の塊は無いので、当然結露する。この結露を防ぐために窓を開ける。
これは文字通り対処療法です。そもそも給餌箱なんか設置しなければ、つまりスノコの上に設けるメントール空間を限界まで狭くすれば、蜂球の熱によって結露は跳ね返される。
給餌箱の内壁に蜂が等間隔で並んで必死に旋風しているのは、もしかしたら余計な仕事をさせているのではないか。そんな大空間がなければ結露も起きないし、窓も開けなければ匂いも流出しない。つまり、一番オーソドックスな重箱の構造が最適なのではないか。
メントールにしても、大きな給餌箱の中に入れると夏でも蒸発せず、いつまでも皿に残っていたりします。
梅雨なんだから花粉や花蜜が薄まるのは仕方ないことです。蜂たちはせっせと水分を巣箱に運ぶ。それをみんなで蒸発させる。巣箱内壁は水が流れ、底板には水溜りができる。
しかし蜂蜜貯蔵庫と育児室は常に快適な状態に保たれる。これが理想なのではないかと思うのです。
換気窓を採用している群は現在2群いるのですが、それ以外は全てシンプルに、スノコ上に空間を作らないというシステムの成績を見て、全ての群の給餌箱を撤去したいと考えています。
蜂児出しという恐ろしい現象は菌が原因ではないかと言われていますが、巣箱内部を無菌状態に保つ努力を蜂たちは日夜行っているので、その邪魔だけはしてはいけないのでは無いかと思います。