待ち受け場探しをするために、この1ヶ月あちこちウロウロしているのですが、素敵な場所を見つける楽しみの他に、地域の人とお話ししているといろんなことを考えさせられます。
良い場所を見つけたらまずそこの住人の方に声をかけるのですが、大抵最初は怪しまれます。次に蜂に対する恐怖を訴える方も多くて、理解してもらうのに少し時間がかかります。自分は営利目的ではやっていないこと、自然や希少動物を守りたいと考えていること、ミツバチがいなくなると農業は破綻すること、待ち箱設置は1ヶ月間だけ期間限定であること、そして1番のコツはそのお家の庭を褒めちぎることです。特に庭に盆栽や庭木、洗車された車、愛犬、なんでも良いから大切にしてそうなものをとにかく褒めて褒めて褒め倒す!そうすると心を開いてくれますので、次には庭に巣箱を置かせることによって地域の農業振興、ひいては地球環境の保全に協力しているんだという論法、自分は良いことをしていると思ってもらえば交渉成立となります。ただ、盆栽を褒めすぎると盆栽の講義が始まってしまい、1時間も2時間も、そして挙げ句の果てには飯食ってけという最悪の展開になるので注意が必要です。
その方も最初は警戒していたけれど、話が盛り上がってくるとひとつの心配事を打ち明けてくれました。「でも、隣の奥さんがなんて言うかだな、、、あそこの屋根が赤い家が見えるだろ?実はあそこの家も旦那さんが蜂飼ってたんだよ。2年前に。どこかから蜂の卵だか女王蜂だっけかな?買って来たと言ってたな。それで飼い始めたら蜂がどんどん増えて、うちも蜜をこれくらいの瓶に入れてもらったんだよ。まあ美味しかったけどな。ところが秋になってデカイ蜂が、、そうそうスズメバチ!スズメバチがいっぱい飛んで来て、旦那さんは怖くなって家の中に逃げ込んで震えながら見てたんだって。巣箱の蜂がみんなやられてしまって、それがあまりにもショックだったのかな、持病の心臓の具合が悪くなり、入院してそのまま逝っちゃったんだよ。だから奥さんが蜂と聞いたら嫌がると思うんだよな。まあ言わなきゃ良いんだけどな。」
さぞ辛かったんだろうなぁ。人間だって襲われたら命を落としかねない巨大蜂が大群で押し寄せて来た時の恐怖の音と映像、可愛がっていたミツバチたちの無残な姿。助けてあげられなかった情けなさ。。。それに引き換え、この38QAの人たちと言ったらバドミントンラケット手に手に「昨日は30匹打ち落とした、いや俺は50匹」・・・この差は一体なんなんだろう?さらに言えば、スズメバチだって自然のサイクルの中で昆虫食物連鎖の頂点に君臨し、害虫駆除の役割を担っていることさえ知っている。来た者には対処するが執拗に追いかけることはしない。そのような自然科学に対する正しい理解と、動物の習性を熟知して、それを利用して共生する。そしてある程度の度胸、タフさ。・・・だから、ミツバチの飼育って、向いてる人と向いてない人がいるのかもしれないなぁとしみじみと思いました。
待ち箱の話と無関係なんですけど、帰って来て「そういえば」と裏山にチェックに行ってみると、たくさん育ってて嬉しくなりました。今夜は醤油かけて焼きます。
粉が吹いたような黄金色♫