先日の日誌で羽が縮れた蜂が生まれた原因はスムシであると言う葉隠さんの見立てが気になり、膨大な量の写真を撮影してスムシの痕跡を探したのですが、はっきりと断定できる証拠を掴めずに時間だけが過ぎてしまうことを最も恐れていました。たった煎餅2枚の巣板にスムシが増え始めたら一気に崩壊すると思っていましたので、自分を奮い立たせて決断しました。始めてしまったらもう後には戻れません。
手順は、
①はっちゃんを吸引収容
②手前の巣板を付け根でカット、裏側のはっちゃん吸引、奥の巣板をカット、全て吸引
③速やかに2枚の巣板を暖房の効いた部屋に移動、保温、吸引はっちゃんも部屋に移動、保温
④スムシ除去、巣板を保温
⑤窯の内部全てをプロパンバーナーで焼き払う
⑥天井の形状に合わせて肉厚5ミリの榀ベニアを加工、天井にビスの下穴開け
⑦巣板をベニアに蜜蝋で接着
⑧ダンボール箱に入れて移動し、あらかじめヒーターで加温した窯に再建巣板をビス止め
⑨はっちゃんたちが入ったネットを窯に搬入、窯の蓋を閉めて作業完了
奥の巣板です。スムシの食害と蜂たちの巣脾噛み落としの攻防が生々しい
手前の巣板をベニアに接着。蓋がけは全部で35個、白い蛹も数匹、蛆も10匹くらいで、卵が30個くらい産み付けられていました。
2枚の巣板の間隔の調整と強度を増すために、回収しておいた無駄巣を間に挟んで接着
ドライバーで天井にビス止め
はっちゃんを解放
無事に巣に戻ってくれました。
翌日内検したところ、ネットの中と床に1匹ずつ仮死状態の若蜂を発見し、温めてあげたら蘇生し、巣板に帰してやりました。ネットの蜂を窯に戻した時に外に飛んでしまった2匹だけ、もしかしたら外で凍えてしまったかもしれませんが、すぐに巣門から帰還したと思いたいです。この2匹が無事であれば、作業による犠牲者はゼロでした。そして問題のスムシですが、巣板に侵入していたものが確認できたのは1匹だけでした。しかし、窯内部を焼き払う時に、天井におびただしい数のスムシの糸のトンネルが張り付いていて、群が弱るのを虎視眈々と待っているような状態で吐き気がしました。重箱と違ってピザ窯は天井が広く、スムシが待機するスペースがたくさんあります。床の巣屑清掃も大事ですが、天井をワイヤーブラシなどで掻き落とす作業も今後は重要であると痛感しました。再構築はひとまず成功しましたが、一連の作業中の温度低下が心配で、卵や幼虫が元気に育ってくれるのを祈るばかりです。数日後に児捨てが始まったらと考えると怖いです。全ての作業は時間との勝負で、かなり気合が入りました。夜10時にスタートして終わったのが朝の5時でした。
最後に、この作業をするにあたって貴重なアドバイスを延々としてくださった葉隠さんに心から感謝いたします。昨日は爽やかに晴れて、はっちゃんも時折出かけて行ったり、若蜂がオリエンテーションフライトしたりする様子が見れました。そして今朝、女王様の無事も確認できました。