投稿日:2019/6/13 12:30, 閲覧 901
待ち箱に最もふさわしい樹洞について考える時、最も好ましい樹洞とは、生きている木を伐採してすぐのものではないかと感じます。なぜならミツバチが営巣するほとんどの樹洞は生きているからです。「縦に抜けた円筒形の空間」というのは木が生きていて立っていないとありえない。立ち枯れている木や倒木にも樹洞がありますが蟻やカブトムシの幼虫が入ります。また、生きている木には水が通っていますので樹洞内の温度や湿度が一定で暑さにも寒さにも強いのではないかと思います。伐採してすぐの木は加工するのも楽です。
私がこれまで入手した自然樹洞で一番多かったのは一般の家でそこに住む人が自分で切り倒した木を譲っていただいたものです。造園屋さんに依頼すると伐採した後片付けもきっちりやってくれますが、お金がかかるため簡単に切れそうな木は仲間を呼んで自分で切ってしまうことが多い。でも切り倒す作業は大変で、とりあえず切り倒したところで心が折れ、倒したまま一定期間放置されることが多いので、材料と出会う確率が高まります。業者さんがやる場合は朝から始めて夕方には全て積み込んで撤収してしまうため、その場面に遭遇できるチャンスはほとんどないわけです。切り倒したまま面倒臭くて放置するくらいなので、くださいと言うと喜んでくれます。
山林を大規模に開発しているような現場に立ち寄って作業員の方に聞いて回ると言うのも1つのやり方です。悲しいことですが、近年ソーラー発電を設置するために広い森が切り開かれています。あとは高速道路やインターチェンジ、大型ショッピングセンターなどを新しく作るときも大規模な開発が行われます。その、最初に始める作業が伐採です。切り倒された全ての木は現場の入り口付近に高く積み上げられ、あまり間をおかずに木材チップの工場に送られるか、各市町村の清掃工場(クリーンセンター)で燃やされてしまいます。だからタイミングが大事です。現場で伐採を始める時は最初にトラックが入れるように道を切り開き、鉄板を敷きます。それが通りから見えますので、これから始まるんだなと目をつけておきます。木を切り倒す作業が始まったら現場監督に声をかけます。理解してもらえれば「出たら取っとくよ」と言ってくれます。次に様子を伺う時はリポビタンか発泡酒をひとパック持参するのは言うまでもありません。1時ちょっと前に行き、(昼休みが終わり作業開始の直前)これが欲しいと言うとユンボで引っ張り出してくれますので、持参したチェンソーで欲しいところだけを切り離し、持ち帰ります。
もう1つのやり方は、個人や会社、役所などから依頼されて伐採を行う造園屋さんと仲良くなることです。このようなところには当然情報も集まりますので、探す手間が省けます。私が懇意にしている造園屋さんは伐採した木を暖炉の燃料として格安で販売している人で、腕くらいの太さの木をたくさん積み上げてあるのですが、待ち箱に使えそうな太さ30〜40センチの木は割らないといけないため、くださいと言うと大変喜ばれます。
豪雨による土砂崩れで民家が被害を受けるのを防ぐために斜面をコンクリートで固める工事には行政から補助金が降りますが、危険と診断される斜面は多く、工事は全国的に順次進められているようです。例えば50メートルにわたって伐採が行われる現場で、1箇所に集められた樹木の断面を見ていると、中が抜けている木は案外少なく、1つの斜面で営巣に適した木が存在する確率は低いと思います。一見豊かな森のように見えても中が抜けた木は案外少ない。探索しても良い場所を見つけるのは大変でしょうから、ミツバチが待ち箱を評価してくれるのは分かる気がします。
話は逸れてしまうのですが、あるお寺の境内に古い杉の古木があり、人間が入れるくらいのウロがありました。覗いてみるとウロの内壁が真っ黒に焼けていて、バーナーで焦がしたようになっていて、上を見上げると煙突みたいに空が見えました。たまたま掃除をしている老人に尋ねてみたら、数年前にこの御神木に雷が落ちて、木の中が燃えて大騒ぎになったそうで、地元の消防団が消し止めたのですが、中が燃えて腐った部分や虫が一掃されて、枯れそうだった木が息を吹き返したと言ってました。凄い荒療治ですが、木の内部に巣食っていた菌や病気や虫が全くいないクリーンな状態に生まれ変わり、おまけに焼かれたことで虫も入りにくく防腐剤の効果もあると思うので、木にとっては良かったのかなと思いました。
これは造園屋さんの伐採した木を集めた場所
車で走ってるとこのような風景をよく見かける。ちょっと短く切りすぎてますね。。
これは市が管理する街路樹や公園で伐採された木の置き場。中が抜けている木は危険と判断され切られることも多い
遠くから見ても、切られたままその場に放置されているのがわかる
近づいてみると、、、、上物を発見!
切ったのが7年前だそうで、ちょっと乾きすぎてるけど形状は最高。上がもうちょっと太ければ尚最高。
これは造園屋さんの置き場。最高の樹洞を発見!
切ってみると、、、、
ダメでした (/・・ヽ)
はっちゃんさっちゃん
千葉県
初めまして。名前の最後に「さん」はいりません。打つのが大変だから「はっちゃんさっちゃん」でお願いします。6年目の初心者ですが、どうぞよろしくお願いいたします。
蜜月
佐賀県
佐賀県の静かな農村に暮らしています。ころころした愛らしいニホンミツバチが大好き。思いが届いたのか、この春、やっと私の巣箱を見つけて住んでくれました。
はっちゃんさっちゃん、こんにちは。
興味深く、読ませていただきました。
非凡な観察力で書かれた日誌は、読み物としても面白かったです。ありがとうございました。
あの樹洞たちは、このような経緯で、手間暇かけて、手に入れられたものなんですね。チェーンソーも怖くて持てない私に、そう簡単に、手に入るはずはないと思いました。樹洞に行き着く人を嗅ぎ分けて、お願いし、 他力で探すしかなさそう。雷が落ちたら、見に行ってみようかなあ。雷も怖いだけですが、いい仕事するんですね♪
2019/6/13 13:21
はっちゃんさっちゃん
千葉県
初めまして。名前の最後に「さん」はいりません。打つのが大変だから「はっちゃんさっちゃん」でお願いします。6年目の初心者ですが、どうぞよろしくお願いいたします。
獅子頭 さま、農家の庭に生えている木が邪魔になったりして切られたりするのを偶然見つけると言うのは本当に運ですから、日々意識していないとなかなか難しいですよね。でもそれ以前に切られないでミツバチに住まいを提供し続けて欲しいものです。
2019/6/14 00:24
はっちゃんさっちゃん
千葉県
初めまして。名前の最後に「さん」はいりません。打つのが大変だから「はっちゃんさっちゃん」でお願いします。6年目の初心者ですが、どうぞよろしくお願いいたします。
蜜月さま、ありがとうございます。自然の営みを災いと捉えるか恵と捉えるか、本当になるようにしかならないし、抗えないのが自然ですよね。雷が落ちて命を奪われる者もいるし生き返る者もいる。「自然」と言う言葉は老子が発明したそうですね。「自ずから然る」
2019/6/14 00:29
こんにちは(^-^)自分も常にアンテナ張り巡らせてます。現在こちらはあっちでもこっちでも杉、檜の伐採の真っ最中で、丸太に困る事はこれからも一切なさそうです(^-^)雑木樹洞が欲しいので大変参考になりました!
2019/6/13 12:49