巣落ち防止棒と言うのはミツバチは基本嫌いで、避けて造巣してしまう場合があり、昨年1群で巣落ちの原因になりました。太いのは嫌うとか、金属は好まないとか色々言われますが、嫌う1番の原因は太さではないかと思っていました。巣落ち防止が施されていても気にせず(仕方なく我慢して)頑丈な巢板を作ってくれるために、このようなことを考えてみました。巣落ち防止棒ではなく、「巣落ち防止ネット」です。ポリプロピレンの防鳥ネットのマス目を2個飛ばしでカットし、目合い4センチ×3センチの長方形になっています。5センチくらいでも良いかも知れません。
いちばんシンプルなのが十字の2本、次に横方向にだけ並行に3本、次に井桁の4本がスタンダードですが、もっと本数を増やす代わりに限界まで細くして蜂が気にしないでくれないものかと期待してみました。細くしたところで、あるものはあるじゃないか!といえばそれまでですが、どうなんでしょう?
なぜ蜂が障害物を嫌うのか考えてみたのですが、それはただ単に邪魔だからではなく、外敵の侵入経路を出来るだけ減らしたいのではないか。スムシやダニや菌に、出来るだけ触れずに巣脾を空中にぶら下げておきたい。できることならスノコにも付けずに空中に浮遊させておきたい。
この写真は昨年、スズメバチの襲撃で逃去した群の空き家です。スムシの食害は無く、貯蜜は持って出て行ったのでカラカラでした。ひっくり返して良く観察して見ると、ちょうどスムシが背伸びして渡るのに難儀するくらいの見事な隙間を作っています。
壁にもどこにも接着せずにこのまま下に伸ばして行きたい。自分たちの大切な巣に敵を近づけたくない。巣脾を清潔に保ちたい。
ミツバチの命がけで蜜や花粉を集めて来る姿は健気ですが、ここにも健気な群の姿がありました。外敵はたくさんいます。年間を通してスムシは虎視淡々と巣を狙うし、夏はメンガタスズメが蜜を吸いに来る。キイロスズメバチ、オオスズメバチ、熊、鳥、盗蜜、、、それぞれにどう対抗するかのマニュアルがあります。(マニュアルがないのはアカリンダニと農薬だけ。いずれも現代になって突然やってきた)その中で年間を通して内勤蜂は侵入を許さないように巣脾を覆い、壁にもべったり広がってツヅリガが産卵できないようにしているし、生まれたスムシが自由に歩けないようにしています。
「ネットを張り巡らしてしまえば避けようが無い」この発想は全くもって自分に都合の良い、浅はかなものであると気付き、巣落ち防止ネット案は企画倒れといたします。
う〜〜〜ん。。。難しい。奥が深い。