前回の日誌の続きのお話です。
風速9メートルと発表されていたけど、実際は瞬間的に突風が吹くようなコンディションだったのに、そもそもそんな状況の中で分蜂を強行した群の責任だと思います。こう言う場合、責任者って誰なんだろうと思います。
「切り株箱」のキンリョウヘンに集まった峰球の確認と時を同じくして「西の箱」に探索が来ていることは把握していて、それは別の群と思っていました。ところが時間が経つに従って西の箱に入ったのは本隊の女王だったのではないかと思うようになり、切り株箱のキンリョウヘンを取り外して置き場所に困ったのでとりあえず3つ目に設置した「南向き箱」に移しました。依然として切り株箱では巣箱の外壁にへばり付いて入ろうとしないのでこの時点で無王と確信しました。西の箱が女王を含んだ群ではないかを確かめるにはどうすれば良いか。
切り株で停滞している蜂を西の箱に合同したら、一度別れて1日以上経過しているので、元々はひとつの群でも今はもう敵とみなされてしまうのでしょうか?そこで考えたやり方は、「蜂蜜合同」と言うアイデアでした。切り株の蜂たちは3日間飲まず食わずでかなり疲弊していたので、試しに蜂蜜を与えると狂ったように集まります。その状況を利用してみようと決めました。
はっちゃん吸い取りパイプで吸い取って集め、西の箱の巣門前に蜂蜜を垂らし、そこでお見合いさせるのです。
吸い取った蜂が入っているタッパーをずらし、蜂蜜に気付いた蜂たちは蜜を舐め始める。
箱を外します。蜂蜜を境に右側が巣門です。
すると、放浪はっちゃんトコトコと巣門に向かうではありませんか。そのまま中に消えて行きました。それを確認して、急いで切り株にいる全ての蜂を西の箱に移動、まず蜂蜜を舐めさせた後に巣門に誘導、ケンカは起きず、受け入れてくれている様子でした。
問題は切り株箱に確認できる蜂の数が少なく、分蜂初日に見られたラグビーボール大のあの蜂たちは一体どこへ行ったのか?これは推測ですが、女王の匂いがする方角を頼りに飛んで行ったら西の箱があり、すんなり合流できた蜂も多数存在したはず。切り株が気に入って動きたくない蜂、あとは自分の力では仲間を探せない若い蜂、それともうひとつ、南向き箱に移動したキンリョウヘンに引っ張られてしまった蜂です。見に行くと案の定いました。相変わらずキンリョウヘンに張り付く蜂が200匹くらい。これを夜間にキンリョウヘンの鉢ごと西の箱前に移動し、翌朝活動が始まった時に果たしてどうするか。
キンリョウヘンに張り付いた蜂と切り株箱の箱内部に身を寄せ合う蜂を真夜中に西の箱前に移動
少量の給餌もします
そして翌朝、現場に行ってみると、、、ほとんどいなくなっていました。切り株に戻った蜂を吸い取りパイプで捕獲して西の箱へ。すぐに飛んで戻ってしまうのですが、何度か繰り返すうちに切り株に見られる蜂は減って行き、最後は6匹を確認、南向き箱にも3匹を確認、合計9匹が依然として放浪蜂でしたが、切り株の箱は完全に撤去し、隠れるところ、集まって固まれるような場所を作らずに、このまま数日すれば、来なくなるだろうと思っています。
どうして良いのかわからない蜂はキンリョウヘンの香りを嗅ぎながら女王や仲間のことを想う、その姿が哀れで不憫でした。今回はキンリョウヘンの置き方によって、トラブルがあったときにキンリョウヘンは邪魔にもなるし、救出の武器にもなると痛感しました。
大きな群同士の合同では通用しないと思いますが、少数のはぐれ蜂を群に溶け込ませる一つの方法として蜂蜜合同は使えるやり方かもしれないと思いました。
これがはっちゃん吸い取りパイプ。アクリルパイプに網戸の網をテープで止めただけの簡単なもの。1匹1匹の地道な作業になりますが、蜜をポチッと1滴たらしてそこに集まった蜂を優しく吸い取り、専用の容器もしくはレジ袋などに吹き入れます。埃や砂があるところでやるとゲホゲホとなるので注意が必要です。
今回の騒動はめちゃくちゃ勉強になりました。「蜂がキンリョウヘンにベットり固まってなかなか巣箱に入ってくれません」という質問をたまに見かけます。そんな時、これからは「飛来したと思われる方角の、100メートルくらいまでのどこかに女王が含まれる蜂球が樹木や軒下、公園のベンチの下、物置の陰などにいるはずだから探してみて、見つけられなかったら速やかにキンリョウヘンを家にしまって、残念だけど巣箱も片付けて蜂を解放してあげてください!」って回答すると思います。キンリョウヘンがあることによって蜂がみんなのところに帰れなくなってしまうので。
もちろん、途中で女王がツバメに食べられちゃったという可能性もありますが、どちらにしても群は存続できませんので。