梅雨に入ったそうですが、梅雨と言ったら巣箱の中の過剰な湿気が気になります。一説によると、巣箱内壁が洞窟の中みたいに水が流れて、ナメクジが大喜びで這い回るくらいのびしょびしょの巣箱にはスムシが湧かない、、、と聞いたことがあります。孵化したスムシが水浸しの壁をよじ登ることが困難だからなのでしょう。
壁がどんなに濡れていても、蜂球があるところは綺麗に乾いています。だからと言って、底板に水溜りができるほどの濡れた巣箱を蜂が喜んでいるようには見えません。実際、上の写真を見ますと濡れた壁には蜂がいなくて、乾いたところを選んでいるのがわかります。
その解決策のひとつとして、金網底にするという管理の仕方があります。4面巣門というやり方もあります。とても有効なやり方だと手応えを感じて、これまではどの群も金網底で統一して来たのですが、昨年ちょっと残念な事故を目撃しました。
これは1月の撮影です。金網は目合い7ミリ、線径1,2㎜のステンレス製なのですが、給水などで出かけた蜂が寒い中を帰巣してきて最後にこの金網を抜けようとしたときに、逆上がりできない子みたいな状態になり、力尽きて凍死してしまうと言う事例がありました。
もうひとつ、夏場に野菜カゴの穴を抜けて金網から入ろうとしたときに、キイロが野菜カゴの中まで侵入し、金網をすんなり抜けれない蜂を楽に捕獲しているのを目撃しました。野菜カゴをトリカルネットで覆うのは面倒だし金もかかるので、問題の元を改善したいとずっと悩んでおりました。相手が木材であれば掴まりやすいしスリットなら抜けやすい。冬も夏もスムースに出入りできるので、これは試す価値があるかなと考えました。
最後に残された問題は加工の手間ですが、仕事で使っているスライド丸鋸を試したら、これがとても簡単にスリットが切れることが判明。精度もまあまあだったので、野菜カゴ+スリットスノコ底板の組み合わせで1年間、7群で試すことにしたのです。
千枚通しでポンチし、木工用ドリル6φで一列穴開け。
スライド範囲が巣箱の内寸226に届きました。端っこの円弧切り残しは最後に手鋸で切り落とす。
これを台座として重箱を乗せます。
湿気が多いのでスリットの残し部分が腐りやすく、オオスズメに齧られるリスクがあるかもしれませんね。