今回、日本蜜蜂の巣板の成長についての報告です。
重箱式巣箱には、巣落ち防止棒が組み込まれています。この巣落ち防止棒は蜜蜂にとっては邪魔な存在なのです。巣板を下に成長させる段階で巣落ち防止棒が有ると棒を避けて巣板を延ばします。写真で示す通りクロスに走る巣落ち防止棒を避けて巣板を2又に分割して伸ばしている状況が見て取れると思います。(先端が黄色い部分が巣板の先端です)
更に巣板を成長させ巣落ち防止棒領域を過ぎると分かれていた巣板を繋ぎ合わせて一体化します。写真左端の巣板の様に一枚にします。
ただし、巣落ち防止棒周りは何時までも完全な巣板幅に成形しません。次の拡大写真の様に巣落ち防止棒周りは、沈み込む様子が見て取れると思います。(青く囲んだ部分の中央で巣板の両サイド共に窪んでいます)
採蜜時に見られる頃には、巣落ち防止棒周りは確りと巣板が巻き込んでいるので気づかないと思いますが、この様に棒を完全に巻き込むには時間を要します。最近暑さが厳しく巣落ち報告が増加しており、特に針金等金属棒を用いている場合、巣箱外部の熱伝導が加わると巣落ち防止棒周りは簡単に溶け空洞化し、継箱で生ずる少し振動や揺れで巣板に亀裂を招き、簡単に巣落ちに至ると推察されます。この現象を良く理解し落ち防止棒の工夫をすべきと思います。継箱での注意事項として、巣箱つり上げ時の回転と横に位置ずれが起こりますので揺れと振動・衝撃に気を付けて下さい。重箱式・巣箱リフターなとで静かに継箱を行うとこの種の問題は回避できます。
ちなみに私は園芸用グラスファイバー棒の廃材を用いています。最近ホームページを立ち上げました。 日本蜜蜂・行橋プロジェクト https://yukuhashi-mitsubachi.com