オオスズメバチの話題が出ているQ&Aを見て、名古屋群のオオスズメバチの様子を妹に聞いた。
「巣門のところに張り付いているよ!」と写真付きで返事が来た。
「来たか!!」
仕事を抜け出して、ネズミ捕りシートに張り付けるためにオオスズメバチを捕まえに名古屋の蜂場に行った。
タモとスズメバチサラバを持って蜂に近づき、写真のようになっているスズメバチにタモをかけサラバをかけた。
そのサラバのにおいで巣門から30匹を超えるスズメバチが出てきた。
見ると巣門がかじられ開いている。
「・・・・入られている」
そこからはサラバとタモでオオスズメバチと戦った。ネズミ捕りシートに貼りながら置いていく。ものの10分で50匹以上のスズメバチが捕まっていく。溢れ出てくるスズメバチの恐怖は熊と対峙したときも感じるだろう。街中で巣箱をオオスズメバチに占領させるわけにはいかない。危険すぎる。戦った。
飛来するスズメバチの間に巣門を開けてみた。
全滅。ひどい状況だった。
私のこのスズメバチの対応では1匹を必ず捕まえないといけない。しかし、その1匹を捕まえる間に入られて終わることを知る。去年はその1匹が来ているときにたまたまそこに居合わせられていただけだったことを知る。
9月6日の日誌
分蜂シーズンには9群の蜂が私の巣箱に入っていた。今は弱小群1群となった。1週間で5群を失った。しかも逃亡でも消滅でもない。継箱いつしようか、と調子のいい群たちにワクワクした気持ちから一気に地獄に落とされた。
このオオスズメバチに終わらされた群はオタクの蜂飼いさんののところから小さい箱に入って私のところにやってきた群だった。3年間だったがたくさんの勉強とたくさんの喜びとたくさんの楽しみを私の人生に注いでくれた群だった。ニホンミツバチのハチミツの美味しさを絶賛され、みながニホンミツバチのことを知ろうとしてくれた。巣落ちさせても群を立て直し、暑くて外に出てしまっててもなんとか私と一緒にいてくれた私が頼りにしている群だった。あなたたちを守ってやれなかった。ごめん。
この1週間で熊とスズメバチに大切にしていた蜂をことごとく取られた。人間はそこに理由を求めてしまう。実はただの偶然だけなのかもしれないが、理由を求めてしまう。何か正しい道がなかったのか悔やんでしまう。蜂の巣コロリを使うべきだったのか・・・その正解を知ることは一生ないが・・・・しばらくはこの後悔と悲しみと向き合っていくことになるのであろう。
ただこの1週間ではっきり分かったことはミツバチが集めるハチミツとそのミツバチたちは危険動物たちには好物で常に狙われていること。それにより人間の安全が脅かされることがあってはいけないこと。私の周りにいる大切な人たちをも危険にさらしてしまうことを再認識した。
ミツバチQ&Aの皆様、私の短い3年間のニホンミツバチとの関わりは皆様から溢れる知識の上で成り立っておりました。(今日のスズメバチの対応もみなさまのお話のピースをつなぎ合わせてできております。)本当にありがとうございました。