昨年の今頃に消滅寸前だった群が盛り返して越冬し、
分蜂はしなかったけど順調に数を増やしたのですが、夏を過ぎて再び調子を崩し、貯蜜も少なそうだったので先月初めに減箱し
経過を見守っていた問題児の群の内検をした時に、奥の方にスムシのトンネル、もしくは繭らしき白い塊を発見。減箱したのにスムシがさらにその下に勢力を拡大している可能性があり、より詳しい精密検査を実施いたしました。無闇に切ると越冬前の大事な時期ですから、詳しく調べてから対策を考えようと思ったのです。
白い物体が写った問題の写真。場所が蜂球から最も離れた角だったので、疑いは増幅します。
自然入居してから2年間、同じ女王で同じ巣箱に住み続けているレアな群ですから、今後どうなるのかしっかり見守っていきたいと思いました。
ファイバースコープで問題の場所を見てみました。巣門からファイバーを突っ込んで下から見上げた映像です。
写真に写っていたはずの白い物体はスムシではなさそうで、ひとまず安心しました。念のためにスノコの隙間からも覗いてみます。巢板と巢板の隙間に(ビースペース)糸を吐いて作られた「渡りトンネル」があるかどうかを慎重に見ます。
蜂の数が少なく閑散として心配になったのですが、動画の最後の方、巣箱の角付近で盛んに育児がされている綺麗な巣脾を発見。「ここで育ててるんだねぇ。しっかり守ってね」という気持ちになりました。巡回警備は引き続き行い、スムシを発見したら噛み落とし班が出動して巣脾の中に入り込んでいるスムシの逃げ場を消して、追い詰めてくれることでしょう。蓋がけ貯蜜が見られなかったため、12月までに引き続き給餌を行う必要があると判断しました。
スノコ上に乗せたシャーレには前回投入したメントールの結晶があるはずでしたが、蜂が咥えて搬出してしまいました。湯煎で固形にして持ち出せないようにする方法もありますが、気温が低く蒸散が遅いので、次回の内検の時にできる限り細かく粉砕したものを入れようと思います。なぜそうするかと言うと、細かいメントールを少しずつ咥えて搬出する際に、その作業を行う蜂には確実にメントール粉末が付着するでしょうし、至近距離で扱うので少なくともその作業をした蜂は罹患しにくいのではないかと思います。
また、5日前に入れた糖液がまだ残っていたのは、メントールが吸う場所に落ちて混入し、糖液がメントール臭くなって貯蔵するのを躊躇っている可能性があると思いました。巣クズが浮いてるのでメントールが落下しているかどうかは見えませんでしたが、新しい糖液が出てくるところだけから吸い取っているようにも見えます。スースーする糖液が果たして蜂と蜂児の健康に問題があるかどうか、検証したいと思います。どうしても嫌だったら貯蔵をしないと考えます。
レントゲンで調べてもわからないことはMRIで調べるのと同じように、下からの内検写真で見つけられないものもあります。問題を解決するためには、現状がどうなっているかを明らかにして初めて対処のアイデアが浮かぶものだなと再認識した本日の内検でした。