私の周辺では、近頃第1分蜂よりも、その後が大きいものが、多いように感じています。2022年に分蜂した群れは、第3分蜂が一番大きな蜂球でした。今年、環境研の分蜂調査に参加したこともあり、資料2のように実測してみました。これまでに計測した本年の、2つの飼育場の、3つのコロニーから発出した第1分蜂は、いずれも比較的小ぶりか、または、その後の分蜂と比較して同等のサイズでした。
(注)上図の蜂球のサイズの比較は、この群れに限ってのものです。
■資料1
資料1は、ニホンミツバチ関連本の中から、第1分蜂の大きさに言及した部分を、抜き書きしました。(分蜂は「分封」と関連本の原文、そのママ記述してあります)
➀『「ミツバチ学」 菅原道夫 東海大学出版会P158
分蜂群を構成する個体数の変化
4/26 6000, 5/3 6000, 7/13(夏分蜂)4000, 7/23(夏分蜂)4000, (菅原2000)
4000→5000→3500→5500(菅原2004)
6000→3000→4500→3000(菅原2004)
6000→4000→5000→3000→4000(菅原2005)
規則的に減少しない、増えることもある(菅原2004)
(セイヨウ,回を重ねるに減る。16000→11500→4000(Winston1987)』
➁『「日本ミツバチ 在来種養蜂の実際」日本在来種みつばちの会編 農文協P89
(2)分封が起こる経過とその仕組み 一部抜粋
「➀第一分封 自然分封では母女王群の群れの半数ほどの働き蜂とともに巣分かれする。この分封群は、働きバチが第二、第三の分封よりも多く、女王バチも直ぐに産卵を開始するため早期に強群となる。この1度目の分封群は確実に捕らまえるべきである。』
③『日本ミツバチの12ケ月「養蜂作業ノート」
八ヶ岳南麓日本みつばちの会 2010年6月25日改訂第3版 P24~25
6月 分蜂最盛期~分蜂3 王台の除去 一部抜粋
「分蜂は一般的には元の群れから2~3群が巣別れをしますが、まれには4~5群も分かれていくことがあります。分封していく1群のハチの数は元のハチ群の50%ほどとされていますので、第3分封後の残されたハチの勢力は元の群れの25%ほどとなり、以降の養蜂活動に影響がでるようになります』
■資料2
資料2は、2023年の分蜂群の計測できたものの1つです。分蜂の蜂球のサイズと、分蜂後の巣箱の内部の写真です。サイズと内部の写真の双方は、第1分蜂に、その後の分蜂を大きく上回る多量の働きバチが、参加したことを証明するものではありませんでした。
以上が、わたしの観察結果と資料の抜粋です。私の観察結果は、狭い地域の、かつ短期間の小数の群れの分蜂の動向です。これが他の地域や、全体の傾向を表しているかどうか、心もとなく感じています。第1分蜂群の見逃しも否定できません。1回目に視認した分蜂群が、第2分蜂以降だった可能性もあります。 (>_<) どうぞ、みなさんの観察の結果をお知らせください。可能なら、一番サイズの大きいものが、第一分蜂群のどの程度の割合だったかも、ご教示いただければ幸いです。よろしくお願いします。 (^.^)/~~~
追伸
このことを知りたい理由は以下のようなものです。初めて飼育される方に分蜂群お譲りする場合、第一分蜂群が交尾済み女王で、かつハチ数も多く飼育しやすいので最適と聞いています。このことから2つある有利な条件の1つが無くなるとすれば、交尾済み女王の加齢を考えると、第一分蜂群が、必ずしも譲渡に優位とは言えないような気がしています。M(__)m