私の拠点から7キロのところにある蜂場で、市の環境保全地区に指定され、里山再生に取り組んでいるNPO団体が管理している場所に巣箱を置かせていただいているところがあるのですが、そこの森づくり担当の方からメールが写真付きで届きました。本日はっちゃんさっちゃんの巣箱にオオスズメバチが出入りしているようですと。。。きっと恐ろしかっただろうに、決死の撮影をしてくださったようです。
送られてきた数枚の写真を穴が開くほど見て、これは間違いなくヤられてる。どれくらい時間が経過していたか!昨日から?それとも今朝から?メールに気づいたのが夕方暗くなってからで、当然すぐに出発の準備をして出動しました。夜は巣に帰るだろうから、内検したら恐らくおびただしい死骸や底板に落ちた巣板、流れ落ちる大量の蜂蜜、、、、
ハイブリッドは入居したら取り外せと言うルールを無視して、ハイブリッドの上に巣門箱を乗せて飼育継続していたので、後悔、自責の念、情けなさがグルグルと回り、身体中から脂汗が出ていました。飼育者失格です。現場に到着し防護服、スズメバチサラバ、その他道具を担いで山の斜面へ。
出入りしていたと思われる穴を塞いで、恐る恐る巣門箱の扉を開けようとしたら、巣門から愛しいはっちゃんが1匹、2匹、3匹、、、ヘッドランプや面布にまとわりついて来た。
凄惨な光景を覚悟していただけに、安堵と緊張がほぐれてその場にへたり込んでしまいたいくらいの気分でした。ハイブリッドの底を撮影。
死骸ゼロです。オオスズメの死骸も無い。
これは、何を意味するのだろうか?ここからは私の妄想になるのですが・・・
2枚目の写真に写っているオオスズメの会話
「おい、お前行けよ。」
「俺、今日ちょと腹の具合が悪いからパス」
「いいから行けってば」
ちょいと入ってみて「なんか、みんな怒ってるんですけど」
複数の侵入を許したら最後、群は消滅の運命ですから、全軍が下に降りてものすごい形相で威嚇、熱殺蜂球する気満々で睨み合いを1日中続けたのかもしれません。ある時オオスズメは意を決して雪崩込み、巣の中は逃げ惑うミツバチ、諦めずに戦う者、其処ここで熱殺蜂球、しかし複数で入り始めたらミツバチはパニックになり巣箱の外にも飛び回るミツバチで大変な騒ぎになっていたことでしょう。彼のメールの説明ではミツバチは1匹も外を飛んでいなかった、ただただオオスズメバチが出入りしていた、、との事だったので、陥落した城を餌場として確保し、あとは大量の戦利品の搬出作業をするばかりの状況・・・
この日は睨み合いだけで終わった。翌日はもっとたくさんの兵隊蜂を集め飛来し、総攻撃をかける準備をしていたに違いありません。
このことでわかった事は、オオスズメだって死ぬのは怖い。気軽に巣箱に入れない。まずは侵入口をできるだけ大きくして周到に準備し、兵隊を集めて一気に攻撃を始める。その準備段階で気付くことができたので、今回は大丈夫でしたが、1日遅れたらダメだったかもしれません。
ハイブリッドを撤去し、重箱の方の巣門にも追加で木を打ち付けて巣門を強化し、据え置き型スズメバチサラバ液体バージョンを巣門付近に染み込ませて、あとはオオスズメが諦めて帰ってくれるのを祈るしかありません。
他の蜂場も回ったのですが、スズメバチの激戦区のような場所がひとつあって、そこがまた酷い状況でした。ただ、ここは侵入を阻止することに気をつけていたので入れそうなところは無かったのですが、、、
キイロ対策で張ってあったナイロンのネットがボロボロに喰い破られておりました。これは相当過激な集団と思われます。2匹打ち落としてペッタンコに貼り付けて屋根に乗せましたが、来ていたのが同じ群とは限らないし、今後も要注意です。内検してやはりと思ったのですが、蜂たちが下に降りています。
いつ侵入して来ても良いように、戦う気満々でした。とりあえず巣門にいたオオスズメがいなくなったので、中からたくさん出てきて、臭い消しで大賑わいになりました。セイタカアワダチソウも満開でかき入れどきなのに、効率良く採餌活動できないのは大変でしょうね。ミツバチがそうであるように、スズメも命懸けで頑張っていると言うことですね。