始めに強調しておきますが、強群であったり、暖地であれば、こうして保温しなくても何もしなくても越冬できると思います。
秋までは非常に強群だったのですが、9月に急に子出しが始まり、それ以降ハチ数の減少とスムシの蔓延で、10月には結構ピンチな状態になりました。箱は5段ですが、一番下はスムシの駆除で巣板はほぼ全摘に近い状態です。ただし貯蜜は十分にあります。しかしハチ数が大幅に減少しており、また、寒くなるに従って蜂球が奥に入っていったため、内見しても蜂球が見えずハチの数もよくわかりません。ですが、幸いな事に徘徊バチもKウイングも見られず、アカリンダニに感染はしていないと思います。
ハチ場が標高約450mの所で盆地状の地形の場所のため広島といえどもかなり寒く、すでに暖かい日でも最低気温が5度以下で、平均0度前後です。厳寒期には毎年マイナス10度台の日が続くため、過去に群を保温した経験をお持ちのはっちゃんさっちゃん様にご教授をいただきながら、この群れの越冬をサポートする目的で、画像のような保温サポート箱を作りました。
ベニヤ板で巣箱を囲う箱を作りました。ハチは自由に出入りできます。巣箱は週末養蜂のもので、板厚は35mmです。
(金属パイプは継箱をする時などに、チェーンレバーホイストで持ち上げるためのゲートの柱です)
箱の中の構造です。昭和精機工業製の植物温室用のパネルヒーターとサーモスタットを使用して保温しています。これは最初期の画像で、パネルヒーター1台では外気温から5度程度しか上がらなかったため、現在はパネルヒーターを2台にして、外気温比で約10度上がるようにしました。また、このサポート箱内の温度を測定するための温度計は、画面の左側に移動させ、外から見られるようにしました。
サーモスタットの設定は、25度にしました。
温度の測定
温度計の1台はサポート箱の中の温度を測定するためセンサーを箱の中に垂らし、もう1台は、可能な限り蜂球の近くの温度を測定するため、巣箱の上部のスノコの隙間から、30cmの針金の先端に温度計のセンサーを付けて、蜂球があると思われる付近に差し込みました。巣箱の下から3段目と4段目の境目付近の温度を測定している事になります。そしてもう1台、外気温を測定するために、巣箱の下のブロックの穴の中に置きました。
右 サポート箱の中の温度 左 蜂球付近の温度
本日の様子
16時頃の外気温 右の大きな数字は現在の温度を表示している。夕方だがもう4度台まで下がっている。朝はマイナス2度台まで下がっていた。
サポート箱の中の温度 朝は7度台まで下がっていた。
蜂球付近の温度 最低でも16度台までしか下がっていない。平均18度ぐらいに保たれている。ハチ達は頑張っているようだ。
現在の外観。比較的多雪地のため、上部と雪が吹き付ける方向にビニールを付けました。また、下部を吹き抜ける風を低減するため、ベニヤ板で下部を覆いました。
ハチが活動的になりすぎても困るので、その加減がどうかと思っていましたが、今のところそのような感じはありません。寒い日には、ハチの外出はほとんどありません。サポート箱の中の温度を、外気温プラス10度としたのは正解だったように思います。
寒冷地でなくても、ハチの数が少ない場合や数が大きく減少したような場合、またはアカリンダニに感染してハチの数が大幅に減少したような場合にも、ハチ達がより発熱の負担が少なく越冬できるようにするため、このサポート箱で保温する方式は、有効かもしれません。
今回の結果は、越冬の成功失敗にかかわらず、春に詳しくご報告しようと思っています。